4月22日(月):杉村太蔵さんの波乱万丈人生からのメッセージ
スポーツ誌の「Number」では先般に元国会議員で現在は薄口政治評論家を自称する杉村太蔵さんのテニスと共に歩んだ波乱万丈人生についての記事が全3回でアップされていました。
じつはテニスで国体優勝、杉村太蔵が振り返る伝説の学生時代「史上最年少で北海道王者に」「名門・柳川からのスカウトを辞退」
高校日本一も筑波大でテニス引退&中退…杉村太蔵が明かす「燃え尽き症候群」の過去「大学6年間は何ひとついい思い出がない」
「燃え尽き症候群」で引退→26年後に復帰、杉村太蔵44歳に聞いた「元国体王者が今テニスに打ち込むワケ」「現実を受け入れるのに時間が…」
実は数年前に私が長くお仕事をさせていただいている企業様の創立125周年パーティーで杉村さんと同席させてもらったことがあり、その際には杉村さんの講演で記事に書かれているような話を面白おかしく聞かせてもらいました。
杉村さんの人生は本当に物語のような波乱万丈の展開ですが、講演のなかで非常に印象的だったのは、自分の人生の転機はすべて外からもたらされたもので、その際に「相手に求められる役割に応えることの大切さ」に触れていた点です。
先のNumber誌の記事では大学中退後に食べていくために清掃員の仕事をしたところから証券会社の雑用を経て国会議員にいたるまでの間は非常に簡略に書かれていましたが、その変遷にも前述した行動が大きく関わっています。
杉村さんの話によれば、清掃をしていた赤坂の山王パークタワーで同ビルに入居する証券会社の方の目に留まったのは元気に清掃する姿がきっかけで、「若いのにもったいないから、うちで頑張ってみたら?」ということで清掃会社から証券会社へ移ったそうです。
そして証券会社でも与えられる役割に奮闘しているなか、上司から「郵政民営化に成功したら株価跳ね上がるから、選挙の動向調べろ」との依頼で郵政民営化の動向を調査していたら、自民党の衆院選候補者の公募を目にして、証券会社のボスから日頃聞かされている話などを受け売りで書いて応募したら自民党から「会うことはできますか?」と電話がかかってきたといいます。
ちょうど証券会社が自民党会館のすぐ裏だったこともあり「5分でいきます」と即答して出向いたら、「君、面白いね」ということで自民党公認となって比例名簿の下位に名前を連ねることになり、自民党の大勝によって国会議員へ、というストーリーでした。
国会議員の仕事は1期で終わってフリーターになった時、奥さんから「暇なんだった買い物に行ってきて」と言われてコンビニへお使いに出たらテレビ局から電話がかかってきて、「サンデージャポンでいろいろなことを赤裸々に語ってみませんか?」とオファーが来たのだそうです。
どうしようかと迷ったものの「どうせ無職なんだから」と奥さんに背中を押されて番組に出たところ、軽妙なトークが受けてレギュラーに起用された、といった具合ですね。
これらはいずれも「自分がやりたい」と思ったことというよりは、周囲に求められること、そこでの期待に応えようとして頑張ったら道が拓けた旨を説かれていました。
そして「自分にやりたいことがある人はそこに邁進すれば良いし、もしそれが見えない時は、いま自分が期待されること、求められている役割を全力でやることが大事」とのメッセージでした。
杉村さんの飾らない人柄と話の展開の面白さに聞き入ってしまいましたが、前述した生き方を地でやってきた方だけに、メッセージには熱量と説得力がありましたね。
杉村さんほどの派手さはないにせよ、誰にだって人生のなかで良い局面もあれば、そうではない瞬間も訪れます。
そんな時にこそ、その人の生き方や行動が問われるので、私もまた求められていることに真正面から向き合っていければと思っています。