11月29日(水):スポーツコンテンツの配信とオンラインサービスの解約について
昨日はサッカー日本代表戦の放映権について記しましたが、本日はそこから派生したスポーツコンテンツの配信サービスのことを少しばかり。
先般のYahooニュースには「DAZN退会、執拗な引き留めが物議...電話orチャットで手続き求める 消費者庁の見解は」と題した記事がありました。
同記事の概要はDAZNユーザーがサービスの解約をしようとしたところ、繰り返し退会理由を問われたり、別なキャンペーンを勧められるほか、その手段として電話やチャットへ誘導されるなど、あまりにも解約手続きを進めにくい現状があり、それを受けての取材や消費者庁に見解を求めた内容に触れています。
なお本件についての消費者庁の見解は「特定の会社への具体的なことは申し上げられない」としたうえで、一般論として、電話やチャットまで誘導することについて以下のように説明しています。
「特定商取引法の第11条で、通信販売の広告については、契約の撤回や解除に関する事項を表示しないといけないとあります。解約などの方法を規制するものではありませんが、電話やチャットを使うならそれも表示しないといけません。さらに、昨年6月の法改正施行で追加された第12条の6で、規制が強化され、契約するときの最終確認画面でも解除などに関する事項を表示しないといけないほか、人を誤認させる表示も禁じられました。電話やチャットで受付時間などが限られ、なかなかつながらないといった場合は、解除などの事項が表示されたことにはなりません」
今回の件でいえば説明の後半で触れている部分がどうか、といったところでしょうか。
いずれにせよユーザー視点に欠ける対処であることは間違いありませんね。
できるだけ解約を抑止したい気持ちはわかりますが、それでもユーザーの意向に反して手続きを煩雑にして相手を煙に巻くようなやり方や心理的な負荷によって解約を押しとどめようとするのはフェアではないと感じます。
加入時はオンライン上での幾つかの選択、入力だけで簡単にそれができるうえ、サービスの利用自体もオンラインでの配信で完結しているのだから、解約の手続きも同様な形にするのが、まともなサービスの設計といえるでしょう。
私もいちDAZNユーザーでもあるし、Jリーグに貢献してくれている面もあるので基本的に応援をしていますが、先のような点はユーザー視点での対応に改善していってもらいたいですね。
現在はスポーツコンテンツを扱う配信プラットフォーマーが増えているだけに、扱うコンテンツの優劣はもちろんですが、サービス全体の設計がユーザー視点になっているかどうかも大事になってくるはずです。