「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論298」
みなさん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第1号(2002.7.25発行)「クラブが陥りがちな10の深い落とし穴」4~※名称等は当時、一部文章省略
8.過剰な入会促進
入会促進に力を入れることは、重要であるが、それに集中し過ぎてしまうと、クラブのイメージを歪め、機会を逃すことに繋がってしまう。
過剰な入会促進はときに悪い認識ー会員を欺くような行為ーとして取られてしまい、クラブを存続させる上で逆効果になる場合もある。
そこで、新しいプロフィットセンターを作ることに力を分散させることを考えるといいようだ。
近年、クラブは会費外収入を得る施策に実に創造力を働かせるようになってきている。
今日賢明とされているのは、会費収入を1ドル得るならば、同時にもう1ドル得ることを目指すべきだ、というものである(つまり会費収入と会費外収入は50%ずつを目指すべきということ)。
今後20年のうちに、この割合は標準的な水準になるだろう。
現在のところ最も期待できる会費外収入はパーソナルトレーニングと物販収入である。
多くのIHRSAクラブが既に年間1億2,000万円以上をパーソナルトレーニング収入で上げるようになってきている。
9.不十分なプロモーション
クラブは生活者の興味やクラブに対する好ましい口コミがあれば、入会見込み者がクラブに足を運んでくれると考えがちだが、これに頼ってはいけない。
実績に繋げるためには、クラブのことを世間に知って貰う努力をし続けなければならない。
何度も、何度も、何度も。
広告やプロモーション、マーケティング、広報活動、メディア活動、全ての可能な方法をフルに使うことが重要だ。
強いブランド力というのは、時間をかけてゆっくり積み重なるものではなく、築き上げるものなのである。
10.破滅的な独立性
クラブは成功ファクターのほぼ全てで合格点を得たとしても、最後のファクターで落第点を取り失敗してしまうことがある。
それは地域社会の一員として地域のルールに従がうことに理解がない場合である。
施設、マシン、サービス、プロモーション、どれも重要であるが、それらはビジネスの一部でしかない。
クラブが自分たちのやり方で突き進もうとすると、結果的には孤立し、生活者にとっては縁も接触もないものとなり、それが何であるのか全く分からない、または気にもかからない存在となってしまう。
しかし、地域社会と色々な方法で接触していくー例えば、慈善活動に協力する、地域イベントにスタッフを派遣する、地域の市民グループや企業に施設を利用して貰うなどーことによって、クラブ自体を価値のある、永続するものにし、地域の眺望の一部に位置づけることができることになる。
地域に密着した活動は、資金をかけなくても、小さくても、それは価値ある活動であり、地域社会の一員であり続けるために必須な活動なのである。
~ここまで~
会費収入と会費外収入を50%ずつにするという考えは、とても重要であり、当社はまだその水準に達していないものの、記事にあるパーソナルトレーニングと物販収入を合わせて3割前後と、国内クラブでは恐らくトップクラスであると思われます。
その他、世間に知って頂くためのあらゆるプロモーション手段をフル活用するという考えも同様に大切で、当社も実施しております。
そして最後の項目、地域社会の一員としての意識もこれまた重要であり、ニューノーマル時代においては、益々、問われてくること間違いなしです。
つまり1~10に挙げられたチェックポイントは、今でも立派に通用すると思いますし、むしろこれらの点をクリアできれば、生き残っていけるだろう大事な観点を本記事は示唆していると考えます。
本日もお読みいただきありがとうございました。
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