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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論720」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第27号(2006.11.25発行)「米国の大学におけるパーソナルトレーニング教育の現状」4~※名称等は当時、一部文章省略

オンラインで資格を取得できるプログラム
インターネット上でパーソナルトレーニング認定コースを提供している学校もある。
カルフォルニア州のカルフォルニア大学ペンシルバニア校では、ウェルネス・アンド・フィットネスの学位をネット上で取得することができる。
8つのコースから成るこのプログラムの特筆すべき点は「フィットネスのビジネス的側面」という講座があり、フィットネス業界でビジネスを展開する際の実務的なポイントについて、突っ込んだ議論が展開されているところである。
同じくカルフォルニア州のサンディエゴ州立大学でも、オンラインのパーソナルトレーニングの認定コースを提供しており、6週間で運動科学からパーソナルトレーナーのための経営学といった内容が習得できるようになっている。
米国キャリア・インスティテュートもオンラインフィットネスプロフェッショナル認定コースを提供しており、パーソナルトレーナーや管理栄養士の資格を取ることができる。
この機関では、NBFEが認定した基準に則った23のセッションを提供しており、最短4ヶ月で修了が可能である。

大学と各種資格認定団体のコラボレーションプログラム
こうした大学側の動きは、米国資格認定機関の認可を受けている各種パーソナルトレーニング資格認定団体の目にも留まり、こうした団体が大学と共同で資格認定コースを提供する動きも活発になっている。
NASMの教育ディレクターであるA・R氏は、大学とのコラボレーションに力を入れており、カルフォルニア大学ペンシルバニア校と共同で上述のウェルネス・アンド・フィットネスの学位取得カリキュラムを開発した。
このコースを修了した学生はNASM公認のパーソナルトレーナー(CPT)と運動パフォーマンス向上スペシャリスト(PES)の資格試験の受験資格を取得できる。
同団体はさらに、同校と共同で、リハビリテーション科学、フィットネス・アンド・ウェルネス、運動パフォーマンス向上と怪我予防、という3つの領域において修士号が取得できる画期的なカリキュラムの開発にも関わっている。
これ以外にも、NASM公認のCPT、PES取得の準備コースを提供する大学や専門学校が増えてきている。

アメリカスポーツ医学界(ACSM)は前述のパーデュー大学のパーソナルトレーニングプログラムと提携しており、同校のパーソナルトレーニングのプログラムに在籍する学生は、実習に出る前にASCMのパーソナルトレーナー
認定に合格しなければならない。
また、サンディエゴ州立大学の資格認定プログラムでは、ACEの教科書を2割引で購入できる他、テスト受講料が免除される。

教育機関の認定
パーソナルトレーナーの認定を行う大学や各種教育機関に対して、その教育内容が一定のレベルに達しているかチェックしようという動きも本格化している。
運動科学領域の資格認定のリーダー的存在である、ヘルス・エデュケーション認定資格審議会のチェアマンであるW・T氏によれば、同審議会ではパーソナルトレーニング関連の資格認定プログラムのスタンダードやガイドラインを作成中であり、最短で来年1月にはこれらをまとめる予定である。

~ここまで~

15年以上前の内容にも関わらず、現在の日本より遥かに先を行っていることが分かります。
今回のパンデミックでオンライン受講可となった資格などは、ある意味、やむを得ず対応した受け身であった一方、米国では当時から合理的にオンラインシステムを構築していたことはやはり大きな差があると言わざるを得ません。

その他、大学と各種資格認定団体との積極的なコラボや教育レベル標準化の動きなど、それぞれのステークホルダーが有機的かつ効果的に活動していた当時の様子を窺い知るにつけ、これまでの日本の遅れ具合が、なおのこと際立ってしまいます。

お読みいただきありがとうございました。

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