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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論883」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第45号(2009.11.25発行)「ファンクショナルトレーニング仕様のジム、広がる兆しーパワープレートなど専門的なマシンを使ったトレーニングに脚光」2~※名称等は当時、一部文章省略

ジム仕様が変わってきている。
顧客がトレーニングの価値を実感し、自らモチベーションを高めていけるようなジムを作ろうとする企業が増えてきている。
特徴はカウンセリングした後、ファンクショナルトレーニングを勧めるシステムをとるところにある。
パワープレートやファンクショナルトレーナーなどの専門的なマシンを設置し、個人にフィットしたパーソナルトレーニングを提案し、顧客に成果を提供している。

TIPNESS MARUNOUCHI STYLE

日本でもこのところ急速にファンクショナルトレーニングを導入するクラブが増えてきている。
ここでは、2009年9月に開業した「TIPNESS MARUNOUCHI STYLE」(以下、TMSという)の事例を紹介したい。
株式会社ティップネス・マーケティング部K氏にジムの概要について聞いた。

まず、同クラブのジムオペレーションの狙いと特徴的なサービスについてK氏はこう語る。
「TMSは、限られた規模の中でお客さま一人ひとりが求める成果を、トータルサポートすることを狙っています。運動や栄養に加えて、トレーニングする環境の居住性や休息といった領域まで含めてトータルにコンディショニングをサポートしたいと考えたのです。従来の体組成という評価軸だけではなく、姿勢やムーブメント、栄養といった様々な軸によっても測定評価し、一人ひとりに相応しい無理のないプログラムを分かりやすく提案していこうと考えています。パワープレートやファンクショナルトレーニングなど最新のマシンを用いて、トレーニングサポートをし、お客さまに何故このトレーニング方法なのか、何故このマシンなのかということをきちんとご説明しています。」
顧客一人ひとりが満足することを目指している姿勢がよくわかる。

様々な業態のジムに広がる予感

ファンクショナルトレーニングは、顧客の納得感・満足度が高まるため、今後、様々な業態のジムに導入されることになるだろう。
パワープレートなどの専門的なマシンもジム・スタジオ型クラブや小規模サーキットトレーニングジム、ピラティススタジオ、総合クラブのパーソナルトレーニングエリアなど様々な業態のジムに置かれ、有効に活用されるに違いない。

~ここまで~

「TIPNESS MARUNOUCHI STYLE」は現在も運営されているものの、その後、2018年に開業した同コンセプトの「ティップネス日本橋スタイル」は、わずか2年半で閉鎖とビジネスモデルの確立まではいかなかったと評価できます。

もっとも、2014年にサントリーから日テレが買収したフィットネスクラブ「ティップネス」の直近7年間における純利益推移は、以下の通りとなっており、業績悪化に伴い、不採算店の閉鎖が相次いでいることから、必ずしもビジネスモデル上の問題とは言えない可能性もあります。

・純利益
2016年度:16億1900万円
2017年度:13億2300万円
2018年度:12億9700万円
2019年度:▲11億3400万円
2020年度:▲179億4000万円
2021年度:▲56億900万円
2022年度:▲31億8400万円 
※官報・決算公告より

ただ、いずれにせよ、初期投資が大きいビジネスにおいて、2年半での閉鎖となれば、明らかに回収不能な損失計上をしたはずであり、尋常ならざる意思決定だったと考えられます。                                                                                                                                                                                                             

お読みいただきありがとうございました。

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