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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論308」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第2号(2002.9.25発行)「News&Trends(World):病院付帯型フィットネス施設の経営が危ない」1~※名称等は当時、一部文章省略

「メディカルフィットネス」と一言でいっても、フィットネスクラブ側からのアプローチと、医療側からのアプローチがある。

フィットネスクラブが予防医療の提供者として、注目を浴び始めるにつれて、米国では1970年頃から病院がフィットネス施設の開設・運営に乗り出した。

しかし、それらの施設の多くが今、経営難に陥っているという。

メディカルフィットネス協会によると、現在、同協会に登録しているクラブは320軒、うち26%が営利団体、74%が非営利団体として運営されている。

米国には病院が5,000軒以上あり、その多くが「フィットネス」を成長機会として捉えている。

現在でも年間60~80軒のペースで病院付帯型のフィットネス施設(以下、病院付帯型施設)が作られているという。

同協会会長のロバート・ブーン氏は、それらの施設は、民間クラブと同様の専門性と財務力を備えていると話す。

しかし、最近こうした病院付帯型施設の多くが収益性を悪化させており、運営を受託してくれるクラブ経営者を探したり、売却先を探しているという報告が増えている。

ミシンガン州ホランドにあるスポーツベンチャー社CEOのボブ・ディクストラ氏によると、病院付帯型施設にはそれなりの役割はあるものの、その約7割は赤字経営だという。

同氏によると、病院付帯型施設は一般的なクラブに比べて開発費、運営費がともに20~25%上回っているという。

これにより年間に返済する利子負担も多くなる。

同氏によると、「病院は自分たちのイメージを壊さないようにするために、わざわざ豪華な施設を造る傾向にあります。病院がフィットネスセンターをオープンすると聞けば建築業者が飛んできますよ。現に90年代に私も携わった病院付帯型施設が18施設あるのですが、そのうち12施設が建築デザイン賞を受賞しているのです。」と話す。

~ここまで~

まず、日本と違い、米国では1970年代から医療側がフィットネス施設をポジティブなものとして捉え、積極的に導入していたという点が驚きです。

これは、保険や税制など制度の違いによる影響が大きいとは思いますが、元々は親和性があることを証明しているかのようです。

ただやはり、経営という観点がネックとなり、ネガティブに触れてきた様子も記事からは伺えます。

米国でさえ、約7割が赤字経営だったという事実から政治・行政支援の乏しい国内施設の経営難易度は非常に高いということが、この点からも言えると思います。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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