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11月7日(月):「コミュニティ」と「ゆるスポーツ」

昨日は「シニアコミュニティの入口になる『文化的処方』」と題した記事を書きましたが、本日はそこから派生した話を少しばかり。

繰り返しになりますが文化的処方というのは昨今の課題である高齢者の社会的孤立を予防するためのひとつの観点で、コミュニケーションの機会をつくるにあたり、そのきっかけとなる入口に文化体験を据えていく考え方です。

シニア世代は文化に対する造詣が深いので、そこを入口にすることで興味や親しみを持ってもらいやすい点はあって、自社が運営するフィットネスクラブでのこれまでのイベントやサークルなどの活動を見ても、そうした面はうかがえます。

このような文化的処方は有用ですが、一方で自分たちの主たる事業がフィットネスクラブであることを考えると、やはり身体を動かしながら楽しめるコミュニティをつくっていくのは大事だと思っています。

自社が運営してきたジム・スタジオ型クラブ、小型クラブの双方では「ハイキング(サークル・イベント)」「ボーリング(サークル・イベント)」「卓球(サークル)」「フットサル(サークル)」など、身体を動かしながら楽しむ場を様々に設けてきました。

ハイキングのように何かを競うことなく和気藹々とできるものはシニア世代の方々も多く参加をしてくださるし、前述したボーリングや卓球などは体力差もあまり関係なく、老いも若きも一緒のルールで勝負ができる生涯スポーツ的な要素があるから、そうしたものはコミュニティの場にも向きますね。

先月末には日経新聞で「高校生向け特別版」が発行されており、そこでは「マイノリティー」というキーワードから、運動の得意不得意や障害の有無などのハンディキャップにかかわらず、誰しもが楽しめるという観点での「ゆるスポーツ」に触れた記事がありました。

そこで取り上げられていたのは「ハンドソープボール」や「500歩サッカー」という「ゆるスポーツ」でしたが、いずれも従来のスポーツに新たな「道具」や「ルール」を加えることで以下のような点が実現されています。

・プレイヤー間の体力格差を小さくする、無くす

・プレイヤー間の技術格差を小さくする、無くす

・アミューズメントの要素を強めている

その結果として年齢や性別といったものを超えて、多くの人が同じ土俵でそれを楽しむことができるようになっている点に魅力があり、従来のスポーツにおける競技中心の狭いコミュニティから、より大きなコミュニティを組成する意味合いがあるでしょう。

同時に従来はスポーツを少なからず敬遠していた人でも、そこに足を踏み入れやすくするメリットもあって、こうした点はフィットネスクラブもおおいに参考になりますね。

閉鎖的なコミュニティではなく老若男女が一緒になって楽しめるコミュニティや、これまでは重い腰が上がらなかった方に一歩を踏み出してもらうこと、これらはいずれもフィットネスクラブにとっての課題です。

だからこそ昨日に触れた文化的処方とあわせて、ハンディキャップをなくしていく「ゆるスポーツ」の切り口は、コミュニティづくりに寄与するものだと思います。


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