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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論283」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌(元々はクラブマネジメント誌としてスタート)のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~クラブマネジメント通巻第38号(2002.1.25発行)「パーソナルトレーニング(講師:ローリー・シングル氏」8~※名称等は当時、一部文章省略

(2)パーソナルトレーナーの採用基準、職務支援策を決める

①パーソナルトレーナーに必要となる資格や実績を決める

まず最初に私がしたことは、パーソナルトレーナーを採用するのに必要な資格を決めることでした。

私は、まず何らかの健康関連分野での学位や資格(ACSM、NASM、NSPA、CSSA、NSCA)を持っていること、若しくはパーソナルトレーナーとして2年以上働いた経験のあることを条件にしました。

でも、パーソナルトレーナーで良い人材というのは、必ずしも高い学位を持ち、良い資格を得ている人ではありません。

パーソナルトレーナーに最も求められている能力というのは、人とコミュニケーションを上手く取る能力です。

ですので、資格を持っていなくても優れたパーソナルトレーナーであれば、採用して1年以内に資格を取って貰うということにしても良いと思います。

ただCPRの資格取得を条件にしました。

②パーソナルトレーナーの職務記述書を作る

職務記述書をご覧ください。

ここにはパーソナルトレーナーがすべき仕事の内容が記されています。

MACではこれを評価シートとしても利用しています。

年に2回このシートを用いて評価をすることにしています。

トレーナーの中にはクラブが期待している内容より、良い仕事をしてくれる人もいるでしょう。

そういう場合は評価欄に10を超えて11とか12を記入します。

例えば「マーケティングとプロモーション」の項。

ここの1番には月5,000ドルとか6,000ドル売り上げるパーソナルトレーナーは11とか12がつきます。

この欄には9以下は付きません。

なぜなら、4,000ドルに達しないパーソナルトレーナーをMACでは雇い続けないからです。

これは別にネガティブなものではなく、入社する際の了承事項であり、これくらいは期待しているということです。

4,000ドル売り上げられなかったトレーナーというのは、それ以外に何かをしていたり、あまり一生懸命働いていなかったと考えることができます。

4,000ドル上げられなくなったトレーナーに対しては、すぐに解雇するのではなく、一緒になぜ4,000ドルに届かないかということを話し合います。

そうすると私から何も言わなくても向こうの方で、そろそろ辞め時だなと気付いてくれます。

ですから、この職務記述書を作ることによって何を達成しなければいけないかということと、そのレベルを明確に示すことができるというわけです。

トレーナーが入社する時点で1対1で私は職務記述書の項目を1つひとつ確認していきます。

トレーナーもクラブにはやる気満々で来ていますから、すぐにこれらについては理解してくれます。

~ここまで~

前回、言及したように、やはり評価期間ごとの売り上げノルマを達成できなかった場合は、いずれ解雇が待っているシステムでした。

これは、解雇してもそれを補うだけの応募があるという前提であり、その点においても、日本で取り入れることは現代でも難しいだろうなと考えられます。

業務委託トレーナーは、実質的にそれに近い状態(売り上げが上がらなければ自然に辞めていく)かもしれませんが、社員として採用した際は、日本的な雇用慣行の良い部分を生かして、じっくりと成長を見守る包容力が大切だと思います。

本日もお読みいただきありがとうございます。


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