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2月9日(木):「着ぐるみ」と「相互理解」

昨日は日経MJにあった「着ぐるみの中の人」に言及した記事に端を発して、私自身が以前に着ぐるみに入った時に感じたことに触れました。

着ぐるみがあることで自然と周囲の人が親しみをもって集まってくれる良さはもちろん、自分自身も人との距離を縮めることへの心理的なハードルが下がり、積極的に見知らぬ方々と触れ合うことができました。

自分と相手の間に着ぐるみという一枚の境界線があることで、かえって相手との間にある境界を飛び越えて距離が近づけやすくなるのは不思議なパラドクスだなと感じた次第です。

自分と他者との関係性において相互理解を深めるには互いにオープンなスタンスで腹蔵なく話ができれば、相手との距離を限りなく縮めていくことは可能でしょう。

その一方であえて自分を守る着ぐるみのような一枚があることで、人は安心して相手に近づいていける、そうした一面もあるのだと再確認しました。

互いの距離を近づけていくには、どちらのアプローチもアリなんだと思いますし、いろいろな手段があると感じます。

着ぐるみのキャラを見ると、ついつい中に入っている人のことが気になってしまうのと同様に、相手が張っている防御線の着ぐるみの中を覗き込みたくなることもありますが、無理にそこへ分け入る必要もないのでしょう。

ただ、そこで考えるべき点は自分と相手を隔てる一枚がどんな性質のものであるのか、です。

例えば今回のような着ぐるみであれば、自分と相手の距離を近づけるもの、互いの手を取り合うことを媒介してくれる存在でした。

でも身にまとう一枚が鎧のようなもので、頑なに自分だけを守るもの、相手を遠ざけて戦うためのものだと、これはまた違ったものになってしまうはずです。

自分がまとう一枚は鎧であるよりも着ぐるみでありたい、そんなことを思いました。

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