「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論487」
みなさん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第11号(2004.3.25発行)「コラボレーション」27~※名称等は当時、一部文章省略
6.コラボレーション成功のポイント
最後にコラボレーションを成功させるために必要な能力とポイントについて簡単にまとめておきたい。
(3)信頼関係
コラボレーションはアウトソーシングと違って、縦の関係ではなく並列(イコールパートナー)の関係で成り立つものである。
その関係は日産自動車の「リバイバルプラン」で導入したクロスファンクショナル・チームを構成する部門間スタッフの関係に似ている。
コラボレーションもお互いの境界を取り除いて出来る限りオープンに知を交流させ、これまでになかったソリューションを目指そうとするところは同じである。
となれば、パートナー同士がまず本気でやるのかどうかその志を確認し、大義や目的を共有してがっちりと組み、辛抱強く事を進めていかなければなるまい。
変な勘ぐりや身勝手な目的追求、形式主義や枝葉末節へのこだわりはやめて、パートナーを信頼し、パートナーの強みを惹き出し合い、弱みは補完し合って、共通のゴールを目指そうとしなければならない。
コラボレーションはパートナーを組む両者間でのリスクの大きさや企業文化の違いからコミュニケーションが取れ出すまでが中々大変であるが、コミュニケーションが取れ、相手が見え始めてくると進捗スピードが上がることがよくある。
(4)整合性
コラボレーションにより解決できる問題・課題はたくさんあるだろう。
だが、それに取り組むとしても人的・経済的、時間的な資源には限りもあるため、思い浮かんだものに次々と取り組むというのではなく、優先順位付けをして取り組まなければならない。
この時、何を基準に順位を付けるかが問題となる。
パフォーマンス(費用対効果)は言うには及ばないが、それ以外では自社の、あるいは自クラブのアイデンティティやブランドイメージとの整合を考え、それに見合うコラボレーションに取り組むことが重要となろう。
自社のターゲットする顧客のウォンツを満たすことによりブランド価値の向上に繋がるコラボレーションに取り組まなければならない。
そうした取り組みはメインターゲットの顧客生涯価値(LTV)を高めることにもなるだろう。
(5)勇気
ここまでコラボレーションについてかなり肩肘を張った論を展開してきたが、最後のポイントは難しく考えずとにかく勇気を持ってやってみよう、
思い切って第一歩を踏み出してみよう、ということだ。
経営とは実践である。
頭であれやこれやと考えているばかりでは前に進めない。
ある程度、整理をつけたら第一歩を踏み出してしまった方が早いこともある。
そうすることでまた別の風景が見えてくる。
思い切ってパートナー(候補)に声を掛けてみよう。
それをするだけでも「前進」できているはずだ。
もしかすると上司やパートナーもそういう声を待っているのかもしれない。
~ここまで~
27回に渡って、本テーマについて考察してきましたが、方法論として多くの取り組み方があることが分かったと思います。
20年経ち、歴史的な評価もある程度、出来ましたので、その中で有効な方策について現代版にアレンジしてチャレンジすることはとても有意義でしょう。
コラボレーションの良いところは、うまくいかなければ解消・撤退しやすいことにありますから、自社に向いていると感じられた内容について、まずは始めてみることをお勧めします。
本日もお読みいただきありがとうございました。
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