トレーニングボリュームは「多ければ多いほど良い」わけではない?新たな研究が示す驚きの事実
筋肥大を目指すトレーニングを考える際、「ボリューム(トレーニング量)」は非常に重要な要素とされています。これまでの一般的な考え方では、「ボリュームが多いほど筋肥大に効果的だ」と信じられてきました。
自分も過去の投稿でこのことについて言及しています。
しかし、最近の研究は、この常識に一石を投じています。本記事では、Eneko Baz-Valleらの研究(2022年)を基に、「中程度のトレーニング量(週12〜20セット)」と「高いトレーニング量(週20セット以上)」が筋肥大にどのように影響を与えるのかについて掘り下げていきます。
筋肥大におけるボリュームの役割とは?
筋肉を効率的に成長させるためには、「適切なトレーニングボリューム」が必要です。
この研究では、筋肥大の主な要因とされる「メカニカルテンション(筋肉への負荷)」が十分にかかるように、セット数を調整しています。
そして、筋肉群ごとに**中ボリューム(週12〜20セット)と高ボリューム(週20セット以上)**の比較を行いました。
なぜセット数を比較するのか?
筋肥大に影響を与える変数として、トレーニングボリューム(セット数)は特に注目されています。従来の研究では、セット数を増やすほど筋肉の成長が促進されるという「用量-反応関係」が示唆されてきました。しかし、この研究では特定の筋肉群について、中ボリュームと高ボリュームにおける筋肥大効果の差を統計的に検証しました。
研究内容の概要
目的
この研究は、「週12〜20セット(中ボリューム)」と「週20セット以上(高ボリューム)」のトレーニングが筋肥大に与える影響を明らかにすることを目的としています。特に、四頭筋、大腕二頭筋(上腕二頭筋)、大腕三頭筋(上腕三頭筋)の筋肉に焦点を当てています。
方法
文献検索: PubMed、Scopus、Cochrane Libraryのデータベースを用い、ランダム化比較試験を対象に調査。
対象者: トレーニング経験1年以上の18〜35歳の被験者。
トレーニング条件: 「週12〜20セット」「週20セット以上」で被験者をグループ分け。
評価指標: 筋厚や断面積の直接測定。
結果から見る「筋肉ごとの違い」
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