365日色の話 メトロポリタン美術館2 そこから見える摩天楼!アジア展示室
私自身、日本人であり、アジア人なのに、アジアの美をあまり知らないのです。限られた時間の中、やっぱり、アジア展示室を見ることにしました。
日本の文化は縄文土器のように、日本独自のものもありますが、
その多くは、インド、中国、韓国から伝来したものから、
出発しているように思います。
そのアジアの美を味わうことにしました。
もちろん、
平面的に捉える、
世界が称賛する「浮世絵」の誕生に至る、
日本独自の美的感覚が
存在していることは紛れもないことだと思います。
この中国の巨大壁画は
見る人たちを圧倒していました。
なんとなく、インドの匂いがするような・・・
大壁画を観察する大勢の人たちや
「観音菩薩像」を見つめる人たちでいっぱいでした。
「観音菩薩」についてですが、調べると、
名前が古い中国の漢字で書かれていて読めませんでした。
中国の北斎時代の彫刻で、砂岩で制作されたものだそうです。
彩色が施され、彫刻の宝石と言われているようです。
大きくて、人間的なリアルさもあり、
砂岩の色もあり、明るくて、不思議な美しさと存在感を表していました。
宜県三色羅漢像
20世紀初期に河北省 宜県県で発掘された、
等身大の三色羅漢像です。
描写が精密で、そこにいるかのごとくでした。
仏陀坐像、おそらくは、阿弥陀仏。
乾漆で制作された仏像は、制作に費用と時間がかかるため、
中国では高く評価されていたそうです。
現存する仏像は非常に少ないため、この仏陀坐像は特に貴重だそうです。
池大雅「孟嘉落帽・東坡戴笠図屛風」江戸時代
北宋の文人、蘇東坡がにわか雨か雪に遭い、
農家の人から質素な笠と履物を借りたという故事によっているそうです。
名和章平さんの作品です。
ガラスピーズやプリズムシートを使用し、
彫刻における、リアリティを問い直す作品だそうです。
アスター・チャイニーズ・ガーデン
アジアの美的作品たちは、
静かに佇んでいました。
それが、また、存在感があり、美しいと思いました。
6月11日noteメトロポリタン美術館の1でも紹介しましたが、
この景色です!
絵ではないのです。現実です。
摩天楼を向こうに、
セントラルパーク・・・
本当に美しかったです。
頭の中が、急にスッキリ、クリアになった感覚でした。
メトロポリタン美術館を訪ねて、
人類の偉大な美へのこだわりが、
永遠と、すべての地域、時代に
脈々と流れていたことを感じさせてくれる作品たちに触れ、
あらためて、強く感動しました。
このような想いに至らせてくれる
美術館の存在に感謝しています。