VR MMORPGについて考えてみた。

最近のアニメや漫画によくある「VR MMO RPG」について考えていきたいと思う。


VR MMORPG とは?

VR(Virtual Reality)
仮想空間を現実世界のように体験できる技術。

MMO RPG(Massively Multiplayer Online Role-Playing Game)
多数のプレイヤーがいるオンラインゲーム。協力プレイが主で、プレイヤー同士の交流などもできる。
RPGといってもターン制バトルではなく、リアルタイムでのバトルで、プレイヤーは様々な職業(戦士や魔法使い)のスキルを活かして戦う。

VR MMORPGの魅力

私が、普通のMMORPGではなく"VR''MMORPGであって欲しい理由はいくつかある。

「容姿を変えることができる」


MMORPGにはキャラクターカスタマイズといって、自分が操作するキャラクターの容姿を自由に決めることができるシステムが存在する。

VRを使った「VRchat」なども、自分を好きな見た目に変えることができる。

現実世界で自分の容姿に自信がない人には夢のようなシステムだと思う。

性別さえも変えられるので、ゲームが許す範囲ならどのようにでも自分をカスタマイズできる。

まるで自分が異世界転生したような感覚を味わうことができるという、誰もが羨むシステムだ。

「理想の相手(友人や恋人)と冒険できる」

容姿をカスタマイズできるということは、自分だけでなく他人も容姿端麗になるということだ。

私は2次元嗜好なので現実の人間にはあまり興味がない。

VRであれば現実の人間が、リアルコミュニケーションをとれる2次元のキャラクターと化すので、私にとっての理想の相手ができる。

話は逸れるのだが、「バーチャルユーチューバー」という存在をご存知だろうか。

名前の通り配信者のことを指すのだが、ストリーマーと違い、本人の顔は出さない代わりに、自分の動きと連動して動くキャラクターの絵を配信に映す。

バーチャルユーチューバーは、リアルコミュニケーションが取れる2次元キャラクターの先駆けと言えるだろう。

しかし、バーチャルユーチューバーは人気になるにつれて視聴者数が増えて、密なコミュニケーションを取れなくなってしまう。

そもそも不特定多数に向けて配信しているので、よほどの過疎配信でなければ1対1のコミュニケーションになり得ないのだ。

そういった点から、バーチャルユーチューバーでは理想の相手とは言えない。

バーチャルユーチューバーには、本人の個性を活かしたタイプと徹底してロールプレイ(なりきり)しているタイプがいる。

どちらも中の人間がバレないようにしているのだが、問題は自分達がVRMMORPGでキャラクターとして存在するにあたっても、リアルの自分を出していくかどうかという問題が発生する。

VRMMORPGだけの関係で収めたい場合は、リアルの自分を出すことは控えてロールプレイする人が出てくるだろうし、逆にリアル(ゲーム外)でも繋がりたい人は自分の自我を出してくるだろう

果たして理想の相手は前者であるべきなのか後者であるべきなのかという懸念点がある。

その点を考慮しても、リアルコミュニケーションを取れる2次元キャラクターと色々なことができるというのは、大きな魅力であると思う。

「努力が数値となって実現する」

これはRPG自体に言えるので、VRMMORPG独自の魅力とは言えないが、4つ目の魅力と合わさることで独自性が出る。

「VRならではのアクション」

VRであれば、限界はあるがゲーム内で自由に動くことができる。

例えば空を飛んだり、燃える剣を振るったり、杖から魔法を出せたりする。

少年なら必ず一度は夢見たはずだ。

そんな不思議な力を自在に操れるというのは、大きな魅力だと思う。

そして3つ目の魅力の「努力が数値となって実現する」とどうなるかというと、強くなればなるほど派手なアクションをできるようになるのだ。

これはゲームを続ける大きなモチベーションになる。

「ファンタジー世界への没入感」

多種多様なMMORPGがある中で、実際にはあり得ない時代や文化を味わうことができるという点も魅力だと思う。

個人的には中世辺りの世界が舞台だと嬉しい。

酒場や冒険者ギルドでフレンドと集まったり、馬車に乗って移動したりするのが夢なのだ。

未来の世界でビームライフルを撃つのも良いが、やはり剣や弓で魔物を倒したい。

VR MMORPGの理想像と要望

VRMMORPGに求めるものは多い。

「長時間プレイが可能である」

30代になってから、ゲームを続けることが辛くなってきた。

MMORPGはレベリングに多くの時間を要するので、長時間プレイが必須となる。

学生などをターゲットにするなら、あまり配慮しなくて良い点だが、私もプレイしたいので目に優しく、体の負荷がかかりにくい設計にして欲しい。

「爽快感のある自由なアクション」

レベリングだけを目的にするのではなく、戦闘すること自体を楽しめるようにしてほしい。

決められたモーションしかできないと、どうしてもマンネリ化してしまい作業感が強くなるので、プレイヤーの工夫次第で新しい戦い方を生み出せるような自由さはほしい。

理想としては、新しいアクションを開発したプレイヤーに特許のようなものを与え、そのプレイヤーの固有のアクションにするか、他人に伝授できるシステムなどがあると良い。

実際に存在する武道(剣道や柔道など)の型は、基本アクションとして誰もが取得できるものにしてほしい。

武道経験者の為に、実際に正確に武道の動作をできるのであれば、技の威力などが増したりすると不公平感が減るのではないかと思う。

「装備」

装備については、見た目にバリエーションが欲しい。

見た目にバリエーションがあるということは、装備の種類も多くなければならない。

例えば装備の性能が似ていても、形や色などが違っていて欲しい。 

従来のゲームは装備の種類が少ないゲームが多々あり、最終的に皆が同じ(最適)装備になるということがよくあった。

そうなるとせっかくVRで見た目の違うキャラクターを作成したのにも関わらず、皆同じ鎧を装備していて個性が失われるという事態が起きてしまう。

例えば"ドラゴンバスター"という剣があったら、ゲーム全体で50本しか存在しなくて、装備性能も一本一本少し違うものにしてくれると嬉しい。

「難易度・やり込み要素」

難易度についてだが、これはゲーム別に分けて欲しい。多くのVR MMORPGが出て欲しいと思っている

同じゲームで人によってゲームの難しさを変えられてしまうと、ゲーム作品としての面白さが減ってしまうと思う。

どうしても難易度調節を可能にしたい場合は、制限をする必要があると思う。

例えばゴーレムを討伐したとする。難易度普通で経験値1000得られるとすると、easyは500獲得でhardは1500獲得にするとか。

さらにドロップアイテムにも影響させて、難易度が高ければ高いほど、レアな装備が落ちやすくするなんてのも有りだと思う。

こうすることで、やり込み要素も増えていくので一石二鳥であると考えた。

「ストーリーの有無」

「FF14」や「ドラクエ10」などにあるストーリーについてだが、個人的には自由にプレイしたいので、無い方が嬉しい。

ストーリーを進めなければ、他のプレイヤーと自由に遊べないというのが残念な点で、友人と一緒に始めたい時に、ある程度ストーリーを別々で進めなければならないとなってくると、面倒になって結果やらないということも考えられる。

もしストーリーを実装するなら、同時進行できるようにして欲しい。お互い未クリアなミッションを一緒にクリアした場合に、両方クリア判定になって進められる仕様だ。

「フルダイブ型VR MMORPG」

ヘッドギアによる視覚の変化だけでなく、意識ごとゲームに飛ばすというゲームを開発して欲しい。

そうすることで空中を飛んだり、派手な戦闘がよりリアルに体験できる。

「精巧なAIによる人間のようなNPCの存在」

ゲームの中まで実際に存在する人間と関わりたくないというプレイヤーのために、色んな性格のNPCを出しておくというのはどうだろうか。

現実の人間は、どうしても多かれ少なかれ打算的なところがあるので、AIによる本物の人間のような複雑な心理を持ちながら、損得を考えないNPCを出すことで、全く新しい環境に飛び込めることになる。

またそうして作成されたNPCなら、誰もが理想とする女神のような優しさを持つ女性(男性も)と仲良くなれるかもしれない。

VR MMORPGの懸念点

「身体能力によるアクションの差」

VRがどこまで身体の動きをゲームに影響させるかにもよるが、全身の動きを反映させるゲームができた時、リアルの身体能力による強さの差が生まれてしまう。

その為に、基本的な動きは実際の身体の動作と関係なく、自動で動くというシステムはどうかと考えているが、問題がある。

それは、自由さがなくなることと酔いの発生である。

基本的(非アクロバティック)な動きしかできないプレイヤーは、実質ただVRで画面を見ているだけに過ぎず、立体的なMMORPGというだけになってしまう。

やはりVRゲーム「Beat saber」のように、身体の動きと連動しなければ、わざわざVRを使用してMMORPGをやる意味は薄いと思う。

視覚と脳のズレによる、VR酔いについても考えなければいけない。

自分の脳が命令する動きに、視界が影響されなければ酔ってしまう。

基本動作を仕込んで自動的にキャラクターを動かすのも、激しい動きをしてVRの視界も激しく動くと、かなり脳に負荷がかかると予想される。

そうなると長時間プレイもできなくなる。

「死の表現」

VRの状態で「死」を表すのは、中々に難題であると思う。

個人的な意見だが、そもそも体力が減っている状態で平常通り動けるというのはリアリティがないと思う。

フルダイブ型なら、ダメージを負うごとに痛覚を味わうのではなく、身体の動きが重く(遅く)なるといったシステムはどうか。

またダメージを受けた時や、与えた時に流血エフェクトを有りにするか無しにするかを設定できるようにするべきだ。

あまりリアルに表現すると、人間(PCでもNPCでも)を倒した時にトラウマになる可能性が出てくる。

そしてもちろん自分がやられた時も同様だ。一瞬で倒されたならまだ良いが、じわじわと嬲り殺しにされた場合は恐怖を覚えて、二度とゲームに帰ってくることはないだろう。

子どものモラル教育のためにも、そういった表現には最新の注意を払う必要がある。

「表情と反応」

普通のMMORPGにはなく、現段階の普通のVRにも関係ないと思うが、バーチャルユーチューバーが使用している「フェイストラッキング」のようなシステムが導入された場合に、他のプレイヤーに表情や反応がバレてしまうという事態が発生する。

今の時代では、マルチプレイのゲームをする時は「discord」を使用して音声のみで会話していることがほとんどだ。

音声のみであれば、相手がどんなに常識外れな言動をしても、適当に相槌を打っていれば良いが、表情まで取り繕わなければならないとすると、途端にコミュニケーションレベルが上がる。

私は感情が表情に出てしまうので、同じような人がいれば、人間関係のトラブルが多発してしまうだろう。

自分の表情を反映せずに、表情を固定できたり、パターン化してくれれば、少しはトラブルが減るかもしれないと思う。

「害悪プレイヤー」

どのゲームにも沸いてくる害悪プレイヤーについても考えなければいけない。

嫌がらせや詐欺、チート行為などがよくある問題だが、従来のゲームより受ける心理的苦痛が大きいものになる可能性があるため、厳重な管理システムが求められる。

よりリアルな人間関係が発生することにより、派閥争いや権力争いによるトラブルが現実世界にまで発展する可能性も考えられるだろう。

「サブアカウントやサブキャラ」

サブアカウントやサブキャラを作成できるようにすると、PK(プレイヤーキル)専用のアカウントなどを作ったり、サブ同士の自演行為などが懸念される。

MMORPGにおいて、サブキャラはメインキャラと違う職業にして新しい楽しみ方をする遊び方で、特に問題がある行為ではないことが多い。

しかし、ゲームの経験を積んだ中級者や上級者がスマーフ行為(初心者狩り)をすることができるようになる為、PKなどのシステムにも調整が必要だろう。

「サーバー分け」

初めてのVR MMORPGのプレイヤーの人口は、とてつもない数になると予想される。

混雑による遅延やカクつきの対策も必要だ。

しかし、VRを使ったMMORPGはサーバーにどれだけの負荷がかかるかは予想が難しいと思われる。

快適なアクションができるように、適切な管理を求める。

「課金要素」

課金についても考える必要がある。

装備についてバリエーションを増やして欲しいと書いたが、課金装備は見た目が変わる程度に収めて欲しい。

課金によって強力な装備を得られるというのは、ゲームとして面白くない。

強力な装備は、基本はモンスターからドロップしたり、鍛冶屋で強化をして作るといったようにして欲しい。

キャラの性能をどう差別化するかにもよるが、個人的には装備によってプレイヤーの個性が出るのが健全だと思う。(スキルの取り方による差もあり。)

ガチャに関しては、MMORPGを単なるソシャゲとして欲しくないので、もしガチャを実装するとしたら装備ガチャではなく、アイテムガチャにして欲しい。

アイテムの内容としては、「強化素材」「上級ポーション」が良いだろう。

どうしても装備ガチャを実装する場合は、課金ではなく無料ガチャにして欲しい。

無料ガチャの内容は例えば序盤なら「皮の盾(黒)」や「皮の盾(茶)」など、性能に大きな差はないが、少し厳選したくなるような仕様はどうだろうか。

他にも課金要素として許せる範囲なのは、「アイテム倉庫拡張」や「獲得Goldアップ」くらいだ。

「現実との境界線」

廃人プレイヤーを生み出す危険性についても考える必要がある。

リアルすぎるゲームにのめり込み過ぎてしまうと、ゲームでなら許されるが現実で許されない行為をしてしまう人が出てくるだろう。

また、ゲームのやり過ぎによる健康問題や1日のプレイ時間に関しても、各プレイヤーがそれぞれに自分で考慮しなければならない。

今後について

今はまだVR MMORPGはリリースされていないが、今後リリースされた時にどのような画期的な作品が出てくるのかが楽しみである。

「ソードアート・オンライン」や「ログ・ホライズン」のような、プレイヤーがゲームに閉じ込められた設定の作品が出てくるのだろうか。

昨今では、異世界転生モノやMMORPG世界に転生するライトノベルや漫画作品は多くある。

その中には独特で面白い作品もたくさんあるので、それらを参考した夢のVR MMORPGに期待する。




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