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農業をやる人が増えない理由は?(べジュール合同会社:足袋抜豪さん)

この年末年始にかけて、石川県の珠洲市を訪問しました。
お仕事の中でご縁をいただいた、農業法人べジュール合同会社の足袋抜豪さんとお会いするためです。

足袋抜さんは、31歳の時に故郷の能登にUターンし農業を始めました。それまでスキューバダイビングインストラクターとして、海を中心に仕事をされてきましたが、農業により海への環境負荷があることを知り、負荷の少ない持続可能な農業を目指して、仲間とともに農業法人を作りました。

足袋抜豪さん、農業に限らず複数の事業に関わる起業家の方です。

能登から日本の農業を変えたいと考えてらっしゃる"農家"であり、"起業家"でもある方です。私も農業を始める者として、自らビジネスを作りたいと思っている者として、日本の農業についてお話を伺いました。


--農業をやる人が増えない理由は何でしょうか?
足袋抜)農業は田舎に行けば身近なもの、というイメージがあると思う。トライしようと思えば誰しもできる。でも、問題はそれで食っていけるかということ。そこに大きな心理的な障壁があるんですよ。

坂内)先日若手にインタビューしましたが、「農業で生活するのは難しそう」と口をそろえて言っていました。たしかに、農業をやるには高いハードルがあると感じているみたいです。

足袋抜)農業は肉体労働に見せかけて、知的労働なんです。単に肉体労働をしているだけではしんどいし、それだけでは食べていけない。戦後に東京への一極集中が始まった。そして他の産業が発展していった。その頃に農業をやっていた親世代は「農業では食べていけない。やらない方がいい」と伝えたんだよね。農地や日本の気候の問題のもっと手前に、心理的な障壁を人間が作ってしまったんです。


--日本の農業が変わるためには何が必要でしょうか?
足袋抜)歴史を振り返ってみると、農業革命は中から起こってない。全部外圧なんです。農業史からすると”規制”だったんだよね。法律というか仕組みができて農業革命が起こっている。

坂内)まだ日本の農業は変わる可能性がありますか?

足袋抜)たくさんある。農業というものが、ひとつの概念・一つのやり方でしかないと思ってなかったものが何かと掛け合わせるから変化が起こってくる。以前から農業はこうできるんじゃないかと考えてる人たちが、いま新しい技術や仕組みを取り入れて、いよいよ社会実装されるというフェーズだと思います。

お話を伺って刺激を受けました

今回お話を伺い、足袋抜さんはじめ新しく農業を始めた人・始める人が新しい技術や仕組みを使って変えていく必要があると思いました。

私も移住先で農業を始めたいと思っていますが、同時に一緒に農業をやる人を増やしたいと思っています。そのためには、農業で生計が成り立つこと・肉体労働部分だけではなく知的労働を支えられるような"仕組み"を作りたいと改めて思いました。

実は足袋抜さんに伺ったことが他にもあります。
私が温めていた、農業に関わるビジネスアイデアの相談をしたのです。

そのお話はまた次回に…。
(次の記事に続きます)


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