#44カイゼンはだれのためなのか
業務における課題を提起して、改善するというのは
一口に言えますが
実際遂行するのはむずかしいです。
ただ、ぜったい、どんなときもむずかしいのか?
不可能なのか?
と問えば、そんなこともないです
不可能のほころびは、かならずあります
たとえば、チームがコンパクトだと、やりやすい。
実際、私の担当業務では、部下2名です
目の前に2人がいますから、
相談も雑談もやろうと思えば声をかけてすぐできます
うちの担当になって3年目になる部下がいます
Nさんとします
私を含め彼女以外は4月からの従事者で、
わからないことも多いので、現在、業務遂行の柱になってもらっています
ある日、Nさんに質問したとき、もやもやした顔でぼやいていました
・審査の基準がばらばらだな、と感じることがあった
・書類を見て「そんなこともOKなんだ」ということがあった
愚痴や不満はアイデアの種です
状況確認して「だめなんじゃない?」と返すと
「え、去年ぱんな係長、決裁書類にハンコ押してるじゃないですか」
と返り討ちに遭いました
この人、厳しいんですよ・・・
半面、自分の考えや意見をはっきり言ってくれるようになって
とてもうれしいです
同じ業務に就いても
みんなが同じものさしを持つことはできません
年齢や経験といった、バイアスがかかるからです
けれど
同じものさしを持とうとする気持ち
これは持っておかなければなりません
上司がそれを
最初からあきらめたり
その努力を無駄だと切り捨てたり
答えを探すのをごまかしたり
その行動をバカにしたりするのは
斜に構えた職員を生んでしまいます
そこで話し合いの場を設けて、決めたことを協議結果として紙におこして共有しました
新しく作った、というよりも
不文律でやっていた現状を
「うちのルール」として可視化した、という感じです
現状に、地方税法などの原典をなじませながら文字おこしすると
アウトラインが明確になってきます
ここは、私にとって発見でした
時間をかける意味があります
お役所仕事では「行政処分」をすることがあり
「総合的な判断」が求められる場合もありますが
そういったケースを「抽出し、協議する場」
を設けて、みんなで決める、というルールも提案した内容にしました
実現すれば、経験者の暗黙知が可視化できる
いい機会になります
課長も入ってくれて、半日かかったけれど
(もうこの課長がほんとすばらしい)
(生粋のギバーです)
そこからの推進力がぐん!と増した気がします
うれしかったのは、
翌日、私の作った協議結果をNさんが
暇があればじーっと眺めてくれてたことです
推敲して、改善案もいっぱい出してくれました
「係長、ここなんですけど、この表現だと違う意味にとってしまう気がします」
「係長、ここなんですけど、この条件も追加してほしいです」
思い出していま、マジ泣きそう。
カイゼンはもちろんエンドユーザーのためです
けれど、目の前の職員が、安心して仕事に集中できる環境を作りたい
その景色を、私は見たい
自分のものさしで、決断できるようになってほしい
理由を問われたら、自分の言葉で語れるようにになってほしい
地に足がついた知識や経験値をもってほしい
私、今はそちらにシフトしています。