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#68心理的安全の素(味の素的な)

最近、部下のNちゃんの機嫌が
あまりよくありませんでした

原因と思われることはあります。
納税通知のデータを確定する直前に
ある作業の確認工程が全く意味をなしていないことが判明し
急遽追加の作業をお願いしました
納税義務者様に通知する税額にかかわることです
ぜったいに飛ばせない工程でした

私が指示した、その確認方法の変更が
彼女を混乱させました

世間話をふっても
「そうでしょうね」
「はい」
ちーん。
うっすらほほえみながらですが
その笑顔がこわばっている。

人間の生存戦略は
無駄話をしながら
相手がどのような人間か、判断することといわれていますから
一瞬の表情から不穏なサインを見抜くのは
特別な能力ではありません

Nちゃんに
持ってて苦しい感情があるのは明らかでした

こんな時、私は内省します
今Nちゃんに話しかけたいと思っているのは
Nちゃんを励ましたいのではなく
自分の心理的安全の確保のためだな。
自分の感情を確認できたので
しばらく静観しておりました

先日、その作業がひと段落したところで
Nちゃんが
「この作業は、来年からは4月早々からするんですか」
と質問してきました

発言をうながすと
・審査の対象が膨大であり、現状維持だけでも大変
・着任早々、レクチャーなしでこの処理を遂行するのはむずかしい
・もし、ルーチンとして組み込むなら手順書は必要だ

彼女にとって、カイゼンは負担なのです
だから、私に負担を課すような気がして
どう伝えていいのか、困っていたのです
だから不穏な行動をとっていたのですね。

下の子に、こんなに気を遣わせている
申し訳ない気持ちになりました。
あと、声をかける余裕がなかった自分にも反省しました

Nちゃんは、ひとりで100点取りたいタイプです
おそらく、自分で100点取っていかないと
維持できない環境におかれた経験があるのでしょう
そしてだれもそれを評価しなかった。
取りこぼそうものなら
徹底的に追及された、もしくはその場面を目撃した。

お給料って、ストレスの対価じゃないです
与えた価値への対価です。

「それ、やってくれたの?たすかる、ありがとう」
「それ、どうやって気づいたの?すごいね、ありがとう」
「いまそれやってくれてるの?手伝えなくてごめんね」
「先に失礼します、早くしまってね」
これからは口マメになろう・・・
・・・「心理的安全の素」使います☆

「味の素使うか」論争もありますが
こういう「素」系のヤツは、使うとやっぱりうまいのよ。

良好なコミュニケーションは戦略的にはぐくむもの
私のボスはそこらへん、完璧です☆

そういえば感謝の気持ちを伝えたとき
Nちゃんほんとに恥ずかしそうにはにかんでいました
派手ではないけど
きっとかけられた言葉を反芻して味わっていると思う。

心理的安全性はきっと
与えられるものじゃなく
自分で材料集めて作っているんです
ツバメとかみんな
せっせと巣作りするでしょう?
自分で作った心理的安全って
すごく居心地がいいんだと思う
ワラとか泥とか枯草とか
そういうもの。

そういうのが
人間の場合は
「ありがとう」「おかげで助かったよ」って
自分に向けられる感謝やねぎらいの言葉とちがうかな。

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