【エッセイ】「ライバルが教えてくれた」話
私にはときどき思い出す人がいる。
私の町は駅もなく、信号も手で数えられるほどしかない小さな田舎町だった。
中学校は町でひとつ、私の学年は60名ほどだったが、私は要領がよく、テストの成績は中学校3年間ほとんど毎回学年1位だった。
しかし、毎回学年2位で、競っていた女子生徒がいた。プライドの高かった私は、いつも気にしていないふりをしていたが、内心ではテストのたびに「その人に負けてたまるか」と勉強に励んでいた。
1度だけその人に負けて学年2位になったときの悔しさは、今でも覚えて