アキレス腱縫合術後
アキレスけん断裂でなかなかバスケットボールに復帰できない選手がいます。術後の日数でいくと、もうジョグでもしていていいような感じですが。
ちょっとテーピングで工夫してみたのでまとめてみました。
装具が外れて、なかなか運動強度が上がってこなかったので、チームに帯同した際に、チェックしてみました。元々、チームではトレーニングの指導で一人の選手にかかりっきりになることができないのが現状です。
なので、地域の医療機関にご協力頂き、リハビリ室でできることは施設で実施して頂いています。プロのチームではないので、医療機関での役割を担う施設もマンパワーもないのが現状です。
以前撮影したアキレス腱の滑走不全はコチラ
術創の上部の皮膚が動かない…動画ではみにくいか。
「踵上げができないと次のステップに行けないんです。リハビリがなかなかすすみません。」
なかなか癒着している場合、その部分を改善しないとなかなかですね。
リハビリ室でしっかりアプローチしてもらいましょう。
でも、チーム内でも何かできないか。
ちょこっと工夫してみました。
赤丸の部分がなかなか滑走しないんです。
徒手抵抗で底屈を努力性に行ってもらうと抵抗に抗して力を入れることができます。底屈域に行けば行くほど、創部の皮膚が引っ付いて動かない。
その他のレンジでは、しっかり滑走するので、
もちろん背屈位から底屈位まで筋収縮を行うことで、徐々に筋力もアップしてくるのではないでしょうか。
上がらない負荷では上がらない。
ギリギリ上がる負荷設定をすることが大切なのではないかと思います。
漸増的に抵抗運動は基本ですね。
しかし、器質的に問題がある場合はどうでしょう。
例えば、縫合部が不十分で、直列的につながっている筋収縮がうまくできない。もちろん表面からは縫合部の状態などみることはできません。
ここの部分にしこりがあるんですよね。
本人の感想からすると、マルの部分が長さ方向へ引っ張られると嫌なようです。そこでテーピングで物理的に伸びないようアキレス腱を圧迫してみました。すると、腓腹筋の筋腹が盛り上がり収縮することができました。
このような補助をしながら筋活動を促していくことも必要かと思います。
アキレス腱の収縮に合わせて、筋への負荷を上げていくことがアキレス腱縫合術後のリハビリテーションだと思うので。
このようにプロトコールにのってこないクライアントに対し、解剖学・運動学・物理学など理学療法を利用して身体活動を促していく工夫が必要かなと思います。アキレス腱縫合術後の方すべてにこのテープが必要ということではないです。動画を上げておきます。参考までに。