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サッカーのフィジカルトレーニング:4v4 W-BOX【高強度有酸素】

はじめに

今のチームで行なっているフィジカルトレーニングを紹介します.今日は,高強度有酸素トレーニングの4v4 W-BOXのシューティングゲームを紹介します.


高強度有酸素トレーニングとは

心拍数を180拍以上にあげて有酸素能力の強化を狙うトレーニングです.以前は1000m走などが頻繁に行われていましたが,近年のフィジカルトレーニングでは,ボールを使った形式が主流です.
ボールを使ったトレーニングでは,戦術や技術を高めることができますし,サッカーに必要な筋肉や神経を鍛えることができます.

タイム設定など細かい負荷設定が難しいので,個別に狙った負荷を与えることが難しいというデメリットもあります.しかし,本数やポジションなどで調整するのがフィジカルコーチ冥利に尽きるところでもあります.

高強度有酸素トレーニングでは,運動時間を2分前後,休息は運動時間の半分をとり,心拍数をあまり落とさず繰り返すことが重要となります.

図1 持久力を高めるためのトレーニング(バングスボ,2006より引用.著者加筆)

4v4 W-BOX メニュー概要

図2 4v4 W-BOXの設定

コート:横40m(ペナ幅)×縦33m(ペナ2個分)
GKへのバックパス禁止
アウトボールは,コーチから配球
攻撃は,シュートを最優先に仕掛けること
守備は,ボールに寄せてシュートを打たせないこと.そしてボールを奪うことを第一とします.

オフ・ザ・ボール局面でも,攻撃のサポート,守備のカバーリングの位置どりやラインアップをしっかりと行います.

運動時間:休息時間 = 2:1
プレー時間は90秒を基準にします.休息時間はプレー時間の半分とするので,基準では45秒.以下の映像では3分のプレー時間で,休憩が90秒となっています.

強度か,量か

トレーニングの変数(調整できるところ)には,大きく①強度,②量があります.これらのトレーニングで大事にしたいのはどちらでしょうか?

それは,「強度」です.少なくてもいいから「強度」を高めることで,解糖系を使用し,乳酸に耐え,コルチゾールやアドレナリンというホルモンが出て拍車がかかり,心肺機能や筋出力がさらに発揮されていきます.中途半端な負荷で長い量をやってもそのような変化は起きにくいです.

一方,オフ直後やリハビリ明け,病欠復帰後と言った後の1週間などでは,体への負担がきつすぎるので,強度を低くし徐々に量から増やしていきます.

戦術トレーニングとフィジカルトレーニングの融合

上記の動画のトレーニングでは,メニューを私からオーダーしたものの,同時に戦術トレーニングとして監督が組み立て指導しています.フィジカルトレーニングの理想系は,戦術や技術トレーニングの中に体系化され計画的に行われるものだと考えています.

モウリーニョ監督やヒディング監督の右腕フェルハイエン氏の著書などからもそのようなコンセプトを読み取ることができます.

余談ですが,優秀なフィジカルコーチの理想型も優秀な監督像と重なると,私は考えています.

まとめ

いかがでしょうか?有酸素トレーニングも,サッカーの中で行えばモチベーションも高くトレーニングの効率も高く行うことができると思います.

また,この4v4をベースに,コートの大きさ,人数,フリーマンやクロスなどの戦術敵配置を考えていくと,トレーニングのバリエーションや戦術的意味づめもふえていくとおもいます.

専門的なコーチの方は,いろいろなアレンジをして面白いトレーニングを行ってみてください.こんなトレーニングがあるよ,というコメントもいただければ大変参考になります!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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