#20「日本の合意形成の特殊性」
マネジメントをしていると、社内の合意形成において、第一段階として部署内での協議・合意をとり、その後第二段階として、他部門・上層部との合意をとるという段取りになっていると思います。
第一段階では、部署内ではできるだけみんなの意見を聞くことから始まるのですが、実際にはあまり意見がでることはありません。
これは、日本が階層社会で、上司に対して意見を言うことは控える、という文化があるためのようです。
ですから、できるだけフランクに、意見が出やすい状況を作ることに努力する必要が、マネージャーには求められます。
この部分でサボると、決定して実施するときに、部署内での動きが悪く、成果が出ないことになります。下手をすると、勝手にそんなこと決められても、現場では出来ませんけど?みたいに言われます。
第2段階では、部署の意見として資料をまとめ、他の部門の協力や上層部の承認を得る必要があります。
この場面では、他部門との調整は合意形成を取る必要があり、ここでも他部門の意見を引き出して、納得できるプランにする必要があります。
ここでの調整では、すでに部署内で合意形成していますから、ここをあまりいじるとまた振り出しに戻るので大変です。
そして、他部門との調整ができたら上層部に承認をもらう必要があります。
ここでは、また階層社会の日本ですので、こちらからあまり意見を言うと、フインキとして生意気だ・・・みたいになり、変にプランをいじられたり、下手したら検討しておく!と塩漬けにされたりします。
そうなると、結局部署ではまた、合意形成した内容から勝手に変わって・・・とか、意見出しても結局なにも変わらない・・・みたいなことになるんですね。
以上が日本の合意形成時の特殊性、階級主義だけど合意形成型という、矛盾をはらんだ構造であり、根回し・稟議が重視される社会構造ということになります。
中国やインドは階級主義かつトップダウン型と言われており、トップが決めたら階級社会でもあるので、その方向に邁進しますし、トップが方針を変えれば簡単にちゃぶ台返しがおこります。
リーダーが優秀なら、この社会はかなり強いですね。
アメリカは平等主義でトップダウン型と言われており、平等主義なのでみんなが意見を出しやすく、いろんな意見を聞いた上で、トップが最終判断をするという構造のようです。
多様性を保ちつつ、意思決定は早いということで、変化するこの時代に強い印象があります。
平等主義かつ合意形成型が北欧の国々のようです。ノルウェーとか、福祉がしっかりしていて幸福度が高い印象ですが、みんなで意見を出し合って、合意した上で物事が決まるので、時間はかかりそうだけど、ハズレがなさそうだし、みんなが納得できて手戻りもなく、で幸せそうです。
こういう風に整理されると、マネジメントでいろんな方面に気を遣って、それぞれに対して資料作って、たいへんなのはこういうことか・・・と納得出来ます。
んで、この状況どう打開すればいいかというと、とりあえず始めてしまう、あるいはフォーマットのようなものをとりあえず作ってしまうという方法があります。
これは、あくまでも私のような中小企業でマネジメントしている人に限られる方法で、大手でやるといろんな方向から石が飛んできそうなのでオススメしませんが、合意形成をする時点である程度の方向性をもった形を作ってしまい、こんな感じにして、一度動かしてみたらこんな感じになるけどどう?っていう方法です。
これをやると、少なくとも合意形成はしやすくなります。
たたき台ができることで意見が活発に出ますし、一度動いてしまっているので、これを覆すには別の形を提示する必要があり、軽微な修正で済む場合が多いです。
ただし、たたき台を造った責任を背負うことになりますので、上手くいかないといろいろ言われます。
今回のお話は、なんでこんなにマネジメントに苦労するのか、こういう特殊性があるからなんだなあ・・・と納得した上で、その打開にはとりあえずやっちゃえ!ができたらいいね!という話しでした。
この話しの元ネタはTOGERTTERというところで話題になった記事であり、以下リンクからみてみてください。
https://togetter.com/li/1763245?fbclid=IwAR0IS-7t03KA3q_FhB6M1Jv4C3E6lAtsdLV3t9xr9EYGAGowsCRwVtb_XKY
本日もご視聴ありがとうございました。
ではではまた