横浜BJ映画ブルース
横浜に関内という街がある。
そこはかつて横浜で最も賑やかな場所であった。映画館がいくつもあり毎週のように学生の頃は観に行っていた。シネコンがある今の時代と違い大手の映画会社が直営の劇場が存在していた。松竹は通りの真ん中あたり東映は外れにあった。また東宝は馬車道にあり伊勢佐木町から橋を渡ったところに立地していた。
ぼくが好きだったのは横浜東宝会館で雰囲気がよく馬車道の垢抜けた場所も相まって気に入っていた。マイケル・ホイ『Mr.Boo!』シリーズや芝山努『がんばれ!タブチくん」』などがお気に入りだった。
しかし時代が過ぎて映画が斜陽産業と言われるようになっていき、いくつもの映画館が無くなっていったが、その隙を埋めるように小劇場、今でいうミニシアターが奮闘してきた。関内アカデミー劇場やニューテアトルなどがそうだ。
そこで大手映画会社の作品ではない独立系配給作品を上映してくれるのだがそこで思い出深い映画と出会うことになる。
北野武の『ソナチネ』や竹中直人の『無能の人』など人生に影響を与えた作品だ。
これは自分にとっての財産となり物の考え方の指針にもなった。その体験は何物にも変えがたい。
今ではそのミニシアターもほとんど無くなってしまった。
残っているのは横浜シネマリン少し離れた横浜シネマ・ジャック&ベティぐらい。
シネコンや配信動画などの台頭、コロナ禍で廃館の危機のところをクラウドファンデングで乗り越えて営業している。
いつまでも存続してほしいと願うばかりだ。