神谷牡丹

大学生だった。お芝居と文章。 日常の所感/短編創作。京都で生きてる。

神谷牡丹

大学生だった。お芝居と文章。 日常の所感/短編創作。京都で生きてる。

最近の記事

#4 聖地、日日。~時を越えて夜を歩く〜

 2017年春、映画版『夜は短し歩けよ乙女』は上映された。当時高校受験期間中に『逃げるは恥だが役に立つ』にどっぷりハマり、星野源に首ったけだった私は、原作もしっかり予習して本作を観に行った。地元岡山で1,2を争うくらいには大きな映画館で見たことをよく覚えている。その時の記憶は今となっては曖昧だが、とても面白い「ファンタジー作品」だった。知らないお酒、知らない土地に見たこともないお菓子。同じ地球上にある世界なのに、そこに広がる世界が魔法の国のように思えた。高校受験の合格祝いにと

    • #ちょっとした報告。

      こんばんは。うおのめでした。 今年の2月で20歳になることを機に、 以前から利用しようとしていたペンネーム 神谷牡丹(かみや ぼたん)に改名します。 神谷は私が創作上の人物のなかで最も愛している「火花」の神谷さんから、 牡丹は好きな花の名前から頂きました。 自分でもとても気に入っている名前です、 どうか愛してあげてください。 今年は色々なことに「挑戦」する年にします。 2022年もよろしくお願いします。 神谷牡丹

      • #3 神様だってcrazy

        凝り固まった自分の考えがある時ふっと変わることだってある。そのきっかけは、案外身近に転がっているものだ。 ワクチン接種後3日目。 重たい身体がなんとなく動くようになったのでいそいそと大学に向かう。教職の授業を受けた後、ワクチン副反応の公欠届をもらいに教務課へ向かう。なんてことない金曜日。私の心は酷くどんよりとしていた。 先日、自分が原因で近しい間柄の人間を怒らせてしまった。経緯は省くが、100:0で私に非があった。非があることを言われるまで気付けないところが私の愚かな点で

        • #2 君の香りとピクルスと、

          特に何かがあったわけではないのだけれど、何故だか文章を紡ぎたくなる時がある。 そんな時は、よく過去のエピソードを自分の言葉に直してみるということをよくしていた。 家族のこと、学生時代、恋人のこと、猫のこと。 しかし今日はそんな気分でもないようだ。 なので、特に何もなかったことを特に何もなかったまま綴っていく。 今日はアルバイトがある日だった。自己紹介で話したが、私は酒の小売店でアルバイトをしている。祝日にしては緩やかな人入りで、とても働きやすい環境だった。 今日は疲れ過ぎな

          《短編創作》青い冬【#2000字のドラマ】

          高校時代は紛れもなく青春だった。好きなことに打ち込み、学生らしい恋をして、その瞬間がすべてのように思えていた。 「萩野さんって、高校時代どんな感じだったんですか?」 へらっとした笑顔で春宮まつりは俺に問いかける。 「どうも何も、楽しかったよ。軽音部入ってて、バンドにバイトにデートに明け暮れてた。」 「え、見えない。…あ、いや、すみません。なんか意外だな、って思って。」 「意外って何よ。」 「なんかあんまり遊んでるイメージなかったというか。萩野さんってほら、彼女出来ないじゃな

          《短編創作》青い冬【#2000字のドラマ】

          #1 台風とクラムボン

          地球温暖化が進む現在にしては短い酷暑が終わり、台風の季節がやってきた。毎年どこからともなく発生し、甚大な被害を及ぼしたり及ぼさなかったりする台風の進路が懸念されるなか、私もまた台風のように突然現れては過ぎ去っていく甚大な痛みに襲われていた。 2021年9月17日AM3:00、腰に鋭い痛みが走った。数多ある痛みの表現技法のなかで、あえて擬音をつけるのならキリキリ、じんじん。冷や汗をかくような痛みだった。そしてこの痛みの感覚を、私は既に知っていた。そして思った。 「あ、これは

          #1 台風とクラムボン

          #0-2 コロナ禍で人生初の入院を経験した話

          大学二年生前期は私にとって人生で最も忙しい時期だった。学部の勉強と教職課程で一限から六限までありながら、部活も対面活動が再開。毎日二十時過ぎに帰宅する生活に加え、土日は六時間勤務でアルバイトに入っていた。 どれも好きでやっていることだがやはり見えない疲労は溜まっていたらしい。日々の生活をこなしながら、私はこんなことを考えていた。「夏休みは近場でいいから泊りがけで一人旅がしたい。人生で初めての経験とかしたいよな。何か少し非日常な体験もいいかも。人に作ってもらったおいしいご飯を

          #0-2 コロナ禍で人生初の入院を経験した話

          #0-1 ロンリー・シェアハウス

          二〇二〇年九月某日、半年遅れて始まるキャンパスライフに備えて生まれ故郷から京都へ移住した。栄えた街からは少し離れた場所にある小さなアパートで、私の人生で初めてのひとり暮らしは幕を開けた。 私の住む部屋は築四十年以上のボロアパートの一室で、六畳ほどのワンルームだ。湿気が溜まりやすい・お風呂が想像を超える狭さ、トイレの蓋がすぐ外れるなど多くのボロポイントがあるが、家賃が安いので許容範囲である。そのなかでも私が一番衝撃を受けたのは、壁の薄さだ。二つ隣の住人の生活音まで聞こえる。夜

          #0-1 ロンリー・シェアハウス

          はじめましてのご挨拶。

          わたしの名前はうおのめ。 大学二年生。水瓶座に限りなく近い魚座。教員免許取得を目指している。京都在住。酒屋のバイトを始めてもうすぐ一年。ちょいボロ1Kで一人暮らし。実家の猫が恋しい。 好きなものは文章。特に私小説やエッセイを好む。大学では近現代文学を専攻。無頼派を偏愛。酸味のあるものを好んで食べる。最近炭酸を克服した。街で猫を見かけると無意識についていき稀に迷子になる。家では主に豆の加工品が主食。 このnoteは、わたしの頭の中をそのまま写した自己満備忘録である。媒体は

          はじめましてのご挨拶。