(過去シリーズ:情報古めご容赦)WEBサイト・CMS・ローコード・CRM|STUDIO、 Jimdo、Wix|特徴とレビュー
本記事について
WEBシステムの構築において、ここまでローコード、ノーコードで作れるようになったのかと、プログラマーの方々の、レベルの高さにいつも驚かされます。感謝しかありません。
この記事では、ホームページ作成ツール・サービスで、もっとも特徴的なサービスを3つに厳選して、その特徴とレビューを書いています。
ただ、ホームページ作成というキーワードが同じだけで、全く異なる特徴|得意とするところがあります。
私は、PR会社の中小企業(100名規模)で、ひとりで情報システム(総務も兼任)を、10年以上担当してきました。
同じような境遇で試行錯誤されている方に、少しでも参考になればと思い、皆様の情報システム部、社内SEになったつもりで、書かせて頂いています。
例えば、Wix にはとても便利な CRM|顧客管理・コンタクト管理ツールも実装されているはご存知でしょうか。
この記事が皆様の WEBシステム選定の参考になれば幸いです。
Ⅰ:各サービスの特徴とレビュー
① STUDIO|https://studio.design/ja
(画像引用|STUDIO|https://studio.design/ja|2020年11月1日閲覧)
WEBサイト|◎
CMS(コンテンツ管理)|◎
CRM(顧客管理)|×(チャット・フォーム機能はある)
ECサイト(決済)機能|×(STUDIO公式ヘルプページ)
写真フリー素材|◎ Unsplash(STUDIO公式ヘルプページ)
動画フリー素材|×
ページ表示速度|◎
費用|◎(月払いがある)
対象|上級者◎、中級者◎、初心者△、素人×
社内運営|△
■ 特に適していそうな用途
コーポレートサイト、ポートフォリオサイト
■ 適していない用途を強いて言うなら(他サービスの方が得意な分野)
ECサイト、CRM|顧客管理・コンタクト管理
■ 出来る事
上級者「も」使える。ADOBE DREAMWEAVER を使える人なら、GUI的にも直感的に分かりやすいかと。その為、面倒なサーバーサイドの事をもう考えず、その他の設計やデザインに集中できます。
■ 出来ない事
WEBサイト以外の機能がまだ少なく「何か販売したい」「顧客管理|コンタクト管理をしたい」というような事はできません。
STUDIOとは?|公式ヘルプページより抜粋
サイト制作時の設計から、デザイン、コーディングまでの作業をグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)で進められます。
■ STUDIO レビュー
ある程度の CMSテンプレート、GUI によって、初心者でも使えるとは謳っているものの、WEB制作を全くした事がない人が作るには、ハードルは高いです。
逆に、これからゼロから勉強しようという人には、とても有用です。ADOBE や他の制作ツールより、WEBサイトデザインについて分かりやすく公開まで進められます。
だから、素人だけで社内運用するには少々厳しいです。ある程度WEBの知識が必要で、業務引継ぎも必須。ともすれば属人化しかねません。
しかし、初心者から上級者まで同じプラットフォームで、WEB運用できる|意思疎通できるメリットは大きいです(他にない)。
② jimdo ジンドゥー|https://www.jimdo.com/jp/
(画像引用|jimdo|https://www.jimdo.com/jp/|2020年11月1日閲覧)
WEBサイト|○
CMS(コンテンツ管理)|◎
CRM(顧客管理)|×(フォーム機能はある)
ECサイト(決済)機能|○
写真フリー素材|×
動画フリー素材|×
ページ表示速度|◎
費用|○(年払いのみ)
対象|上級者○、中級者◎、初心者○、素人△
社内運営|○
■ 特に適していそうな用途
ECサイト
■ 適していない用途を強いて言うなら(他サービスの方が得意な分野)
コーポレートサイト、CRM|顧客管理・コンタクト管理
■ 出来る事
素人でも少し時間をかけるだけで、ECサイトをある程度の独自デザインで作れます。WEB制作の常識はテンプレートを使う事で自然と最適化できるので、大きな失敗は起きづらいです。ECサイトとしての受発注管理、決済サービスは使いやすいです。
■ 出来ない事
他のサービスのように、フリー素材とリンクされていませんので、簡単に格好良いWEBサイトを作れません。また受発注管理ではなく「顧客管理|コンタクト管理をしたい」というような事はできません。
■ JIMDO レビュー
フリー素材との連携が無いため、他のサービスと比べると、コンテンツ制作に面倒に感じます。他のサービスでは、フリー素材をダウンロードしてきて、レタッチして、それをアップロードして、という作業工程も完結できていますので。
また、支払いが年払いしかないのも、少々ハードルが高いです。JIMDO利用者側に支払い条件の選択肢が提供されず、他と比べて初期コストが大きくかかるのは、デメリットのように感じます。
しかし、ECサイトを作るなら、かなり便利なサービスです。
特に、ECサイトの決済サービスの導入の簡単さは訴求度高いのではないでしょうか。
③ Wix|https://ja.wix.com/
(画像引用|Wix|https://ja.wix.com/|2020年11月1日閲覧)
WEBサイト|◎
CMS(コンテンツ管理)|◎
CRM(顧客管理)|◎
ECサイト(決済)機能|◎
写真フリー素材|◎ Unsplash
動画フリー素材|◎
ページ表示速度|△
費用|◎(月払いがある)
対象|上級者○、中級者◎、初心者○、素人△
社内運営|○
■ 特に適していそうな用途
コーポレートサイト、ポートフォリオサイト、CRM|顧客管理・コンタクト管理
■ 適していない用途を強いて言うなら(他サービスの方が得意な分野)
ブログ、オウンドメディア
■ 出来る事
CRM|顧客管理・コンタクト管理まで出来るWEBサイト作成サービス。この分野では、Wix がもっとも使いやすいです(初心者レベルから利用できる)。CRMツールの Hubspot までの機能は無いにしても、それに近しい事を、初心者レベルの方も使えるような GUI になっています。アルバイトの方から管理職の方までなど、立場を超えて意思疎通できます。
■ 出来ない事
WEBサイトの表示レスポンスが他のサービスと比べると少々遅く0.5秒前後かかる為、ブログやオウンドメディアなどの利用には向きません。
Wix Turbo が2019年2月28日に実装され、それ以前から比べると、ずいぶんと表示速度は改善されましたが、WEBページの表示に0.5秒前後かかるのは、見る側からすると、ちょっとひっかかる印象を持ちかねません。
Wix Turbo:Wix サイトの表示速度がこれまで以上に高速に!(Wix 公式ブログ)
■ Wix レビュー
上級者以外でしたら、一番おススメしたいサービスです。
ホームページは、事業における一要素でしかありませんが、それに付随する広報活動は多岐に渡ります。
特に広報活動における CRM|顧客管理・コンタクト管理は、とても重要です。それを初心者レベルの人から使える状態で、ホームページ作成とセットになっているのは、私が知る限り Wix しかありません。
CRM ツールでは、Hubspot がとても有能ですが、中級者以上の知識と運用が求められますので、少々ハードルが高いです。
広報活動のオールインワンパッケージサービスとしては、Wix はとても良く出来ていますし、コストパフォーマンスは高いです。
なお、上級者の方は、もっと特化した各サービスを組み合わせて、WEBシステムを運用されると求めている水準に達するかと思いました(Wix のようなオールインワンパッケージではなく)。
Ⅱ:各サービスの注意点・リスク
これらのサービス|STUDIO、Jimdo、Wix などは、コンテンツデータだけでなく、サーバーサイドの管理も全て、他社に預ける事になります。
つまり、他社への依存度が高まる為、サービス停止、値上げのリスクは避けられません。
また、WEBデータのエクスポート(ダウンロード)が出来ませんので、自社構築や他社サービスに切り替える際は、全て作り直さなくてはいけません。
Ⅲ:各サービスの優位性・メリット
しかし、前述のリスクは、逆を言えば、WEBシステムの開発・運用保守などの管理を「人件費含めて」全て専門家に任せている事と同じことです。
WEBシステムの開発・運用保守というのは、インフラ整備、サーバーサイド管理、セキュリティ対応、最新機能の開発・実装などがあります。
その為、これらのサービスを利用する事で、WEBシステムの開発・運用保守など管理費用をかなり抑える事ができます。
管理コストを抑え、本業に集中できる WEBシステム環境は、事業継続にとって、とてもメリットがあるのではないでしょうか。
編集後記
本記事、ご参考になりましたでしょうか。WEBで検索するだけでは、たくさんの情報が過去の分も含めて出てきますので、情報の集約などが大変かと存じます。
ホームページは、広報活動の一環ですので、それに付随する業務がたくさんありますが、その中で、今までの仕事でも皆さんが試行錯誤されていたのが、広報活動の要である、CRM|顧客管理・コンタクト管理でした。
Wix はそれを含めたホームページ作成サービスなので、表示速度が少々ネックですが、メリットも大きいです。
使い分ければ有用かと考え、弊社の WEBは Wix で作っています。
今は、さらなる利便性を求めて、Wix + Hubspot|無料版の組み合わせを試行錯誤しているところです(また記事にする見込み)。
情報システム担当として、今後も情報を発信していきますので、ひとりでもどなたかの参考になれば幸いです。
どうぞよろしくお願い致します。
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