おおつごもり
明けて2021年。早や2日がおわろうとしています。
毎日過ぎていく暮らしのなかで、どんどん忘却の彼方に過ぎていく日々。これで60年間も生きてきて、何が残っているのだろうかと考えると少し悲しくなるのは、もうずいぶん遠くまで歩いてきた証拠。
思えば、子供のころのお正月のわくわく感は、そりゃ格別だったよね。飲んだくれで朝まで帰ってこない、なかなか会えない父ちゃん。
そんな親からもお年玉もらえて、おやじとトランプや坊主めくりなどで遊んでもらったとき。いま子供にそんなに遊んでやっているのだろうかとすこし振り返ってみてしまう。
そんなこんなで、多分レコード大賞や紅白が始まるときから、僕のお正月は始まっていて、遅くまで起きていても良いと許してもらって、まぶたこすりながら見ていたテレビ。
いつの間にか眠っていてちょっぴり悔しかった元旦の朝。たのしかったね。
もういくつ寝ると、そんなわくわく感が前日の紅白が始まる頃のMAXになるんだよね。あとはテンションあがったままの連続。
そう考えると実は大晦日の日って特別感満載なんだな。
おとうさんとなって子供が傍らにいて、むすめと市場に朝から買い物に行く。
おとーさんミカン買っていい……?
箱を抱えた娘がいる。娘も高揚感満載。
いいよ。きわめて平静を務めているオレ。
玉子買ったか。だし巻き卵つくってくれ。
小学生の娘にだし巻きつくりを企てる、わるいとーちゃんがいる。お年玉ふんばつするぜ。といってもプラス100円かな。
青空だけど、少し風が冷たい日がすこしづつ淡々と過ぎていく。
いつのころからか、お正月の日々より、実は一年の最後の日の過ぎ去りし感覚に、ときめいている自分がいるのに気が付いていた。
お正月の3が日よりも普通の日であって、いつもの日とはちょっぴり違う感覚。師走のあわただしい日が収まってしまった、日曜の朝の歓楽街のような妙にさっぱりとした感覚。
もう今年一年がおわってしまう、早いね。来る年をすこし待ちわびる期待感。じわりじわり心の中でBGMが流れてくる。
窓ふきおわったら、あったかい緑茶オレ飲もっか。
あとちょっと。玄関も掃くから。
娘に声かけて、二階からウノをもってくる。
なんだ年末も、わくわくイベント満載じゃぁないか。
正月は冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし
62才の大つごもりも、平安に迎えたいものですね。