どこよりも早い第五回WBC結果予想(プールA)
2023WBCの開催が発表されました。2021年3月に行われるはずだった第五回大会が、二年の延期を経て行われます。発表された日は興奮しましたね。イキかけました。否、組み分けを見て現実に引き戻されましたけどね。
WBCの組み分け問題はぶちギレ案件なのでここではおいといて、粛々と結果を予想していきます。私たちは2017年からずっと待たされていたのです。我慢ができません。
まずは予選ラウンドプールAから見ていきましょう、いや本戦一次ラウンドだった、ついつい予選と言ってしまう。
一次ラウンド、プールAの参加国はオランダ、イタリア、台湾、キューバ、ブラジルです。今年九月に行われる四枠を争う予選の結果は全く分かりませんがとりあえずブラジルということにしておきます。一次ラウンドはリーグ戦なので総当たりです。なので日程を考慮せず決めていくことが出来るのです。
世界ランク8位・オランダ
さて、それぞれのチームについて見ていこうと思います。まずはオランダ
から。WBSC世界ランクによるとオランダの世界ランクは八位。
(https://rankings.wbsc.org/ja/list/baseball/men)
【2022年8月4日現在の世界ランク(2021年12月31日更新)で話を進めていきます、選手のデータなども同じように八月現在で考えます】
80以上参加国があるランキングの中では確かに上位ですが、実際のところはどうなのか。(世界ランクについてもぶちギレ案件で話し出すと長くなります)
2017WBCでは当時ヤクルトに所属していたバレンティンを中心にボガーツやグレゴリウス、プロファーにスコープそしてシモンズというようにメジャーリーガーで打線を固めベスト4に食い込んだオランダですが、第五回ではそれが難しくなっています。まずフィリーズのディディ・グレゴリウスですが、2022年の打率は.210近辺をうろちょろ。OPSも600を割っており、ヤンキース時代不動のショートだった姿は無い。PHI移籍初年度こそ結果を出したものの、短縮シーズンでバランスを崩したのか一気にガタが来てしまいました。好きな選手だけに残念ですが、年齢も32と衰えてもおかしくない。
続いてアンドレルトン・シモンズ。2017,2018と二桁本塁打を放つなど守備だけでなく打撃でチームに貢献した存在は、2017WBCでもショートが多く召集されたチームの中でオランダの制ショートを任されていました。ところがそれから五年、シモンズ自身精神的にも苦しい時期があったと話す期間もあったことから、本来の姿は取り戻せていません。
一線級から退いてしまったといえばジョナサン・スコープもいます。オランダチームの中でも長打力が期待できたスコープはデトロイトでプレーしているものの、打率も二割ギリギリ残すのみで本塁打も一桁台。WARこそシモンズやグレゴリウスと違ってマイナスはしていませんが、オリオールズ時代を考えれば寂しい数字。
NPBから選出されていた選手としてはバレンティンやバンデンハークがいますが、それぞれメキシカンリーグを自由契約になったり引退を表明したりと、オランダナショナルチームは大きな変革期を迎えていると言えるでしょう。WBCベストナインのバレンティンがいない(または全盛期ではない)ことは、ただでさえ外野のいないオランダロースターにとっては痛手ですし、オランダ本土最高の選手とも言われたバンデンハークの引退は投手不足に輪をかけてしまう。ジャンセンがいるとはいえ、第四回大会決勝ラウンドのプエルトリコ戦に送り出されたバンデンハークがいないわけです。
かといって、オランダのチーム力が減退しているわけではない。オランダ領のキュラソーやアルバといった場所は遊撃手がポコポコ生えてくる環境なので、何人か出てきています。その最たるものがオジー・アルビーズ。今シーズンの怪我によって来年の春野球ができるかわからないところですが、オランダの未来はアルビーズを中心に回ることは予想できます。投手ではフランクリン・バンガープがAA級を経験したり、捕手ではチャドウィック・トロンプ(ATLマイナー)がメジャー昇格を果たすなど第四回大会から少しずつ様相は変わっていますが、慢性的な投手、外野手不足は続きそうです。
世界ランク17位・イタリア
続いてイタリアを見ていきます。
野球でなかなか名前を聞かないイタリアですが、実は強く2017WBCでの台風の目具合は太平洋を越えたこちらでも興奮するほどでした。
2023WBCは名捕手マイク・ピアザが指揮を執ることでも注目されていますが、既に代表入りをビッグネーム達が決めています。
オタビーノだけではなく、先日トレードされていたトレイ・マンシーニも代表入りが見込まれています。加えてメジャーリーガーで言えば、NYMのジョーイ・ルケーシーとブランドン・ニモ、TORのジョーダン・ロマーノとレギュラー級の名前も続く。
ジョーダン・ロマーノに関してはカナダで出場する資格もありますが、イタリアで出ることを2017年から選んでいます。ゲレーロJRなどもですが、色々な国にルーツがある場合にどこで出るかは注目。スプリンガーがプエルトリコで参加するかなど、色々なケースがありますね。
2017WBCでメキシコの高所スタジアムでボコスカ打球を飛ばし、エイドリアンゴンザレスがぶちギレるようなリーグ展開を作ったのは他でもなくイタリアだと思うので、台湾でもリーグを荒らしてほしいと思います。
世界ランク2位・台湾
さてお次は台湾でしょうか。
2017WBCを一次リーグ全敗で終えた、世界ランク二位の台湾。韓国とともに大敗した結果は、ショッキングなニュースとして伝えられました。2017は韓国と馬鹿試合をしただけで、オランダやイスラエルに対しては大きく水をあけられ敗北。投手力に大きな差を感じさせられる結果でした。ラミゴモンキーズ(当時)の選手が参加できなかった大会ではあったものの、それでも残念。
台湾のアマプロの関係が完全に改善されたかは不透明ですが、楽天モンキーズが選手を派遣すると仮定した場合チームはどう構成されるのでしょうか。
台湾出身でMLBで活躍している選手は少ない。ただ、台湾球界を経ずに直接アメリカに挑戦した選手は多く、メジャーに触れる機会としては日本よりも多い可能性があります。マイナーで奮闘している投手などは多い印象でした。
台湾が招集するかはわからないですが、メジャーリーガーとしてはタンパベイ・レイズの張育成がいます。2021年に9本塁打を放った27歳はアジア人としては希少なパワーで勝負できた打者。現在はリザーブで試合に出ている程度ですが、メジャーでの経験もあるので参加すれば大きいでしょう。現在NYMのマイナーでプレーしている林子偉も台湾の野手としては活躍しています。五年間でメジャー通算102試合という実績ですが、そもそもルーキー級から這い上がれた選手のレベルが低いわけはない。強打の内野手も台湾リーグで出てきていますが、張と林の召集はチームにとってプラスになるでしょう。
CPBLの選手を知るにつき、興味深い記事がありました。
大変興味深い記事ですが、そこには世界戦に向けた発言があります。
発言の中で一番手に出てくる林立は、楽天モンキーズの内野手。2017年に開催されたアジアプロ野球チャンピオンシップに選出された頃から将来を期待された選手で、今や台湾を代表する大型遊撃手へと成長したというわけ。台湾球界を把握しているわけではないですが、富邦の江少慶は2019年のプレミア12の時に好投していたこともあって注目に値するでしょう。林智勝を中心にチーム作りをしていた時代からまた一つ変わったんだと最近は感じますな。統一の郭阜林なども若いころから世界戦を経験し台湾球界の一線へ出てきた選手ですし、そういった若手も増えてきました。台湾は打高リーグの中で成功体験を積み上げた生きのいい野手たちとmlbなどの海外経験豊富な投手陣のマッチが特徴で、手ごわいチームになるでしょう。
NPB組では楽天の宋家豪やオリックスの張奕、西部の呉念庭や日ハム王柏融など選出の選択肢も多い。選ばれるかどうかはわかりませんが呉念庭などが六番あたりをうち、ランナーを返す役割が出来ればなかなか強い打線が組めると感じます。
世界ランク9位・キューバ
さて最後にキューバを見ていきます。ただキューバはどういうメンバー構成になるのかわからないところが大きい。mlbに所属する亡命組が参加できない以上、国内組とNPB組で試合をしなければいけない現状があります。
MLB組が参加できれば各ポジションに有力なトップレベルの選手が揃い、オーダーを考えるのも楽しいのですが残念なことにそのようなことには今のところならないと。
となれば、国内リーグのまだ亡命していない段階の若手とベテランにNPB組が混ざる体制になります。ソフトバンクのモイネロやグラシアルにデスパイネ。中日のマルティネスの二人にロドリゲスといったところでしょうか。
才能あふれる選手たちが多いチームにはなりますが、総合的には骨抜きにされている分他のチームに比べて弱くなると思います。NPBとパイプを作ったことはキューバとNPB球団にとって有意義な事で、モイネロが亡命していないだけでも素晴らしいのですが、やはり戦力不足は否めません。
さて予選勝ち上がり組はわかりませんので、本題である結果予想をしていきます。(仮にブラジルだとしても良い勝負はするでしょうが、二位には入らないでしょう)
まずA組一位抜けはイタリア、二位抜けはオランダと予想します。
三位から順にキューバ、台湾、予選勝ち抜けチームとなるでしょう。
短期決戦はリリーフと連打が大事とはよく言われることですが、イタリアやオランダの強力打線をキューバ、台湾投手陣が抑えられるか不透明であることが順位の理由です。存在する戦力差を埋めるために、台湾は自慢の打棒で戦いたいところではあるものの、その得点を失点が上回ってしまうのではないかと懸念されます(実際2017WBCはそのような展開)。キューバの長打力はmlb組でなくとも健在であることが予想され、ホームランで流れを呼び込むシーンは見られるでしょう。体格差という意味でもキューバと台湾の差はそこに出るような気がします。
イタリアとオランダの着順1つの差は難しいところですが、オランダの戦力ダウンがかなり大きいのではないかというところ。前回ベスト4のバランス良くまとまった戦力と比べると、いまひとつ見劣りすると思われます。
ということで、一次ラウンドプールAからは75%くらいの確率で、イタリアとオランダの両国が勝ち上がります。続いてプールB勝ち上がり予想についても次の記事で綴って行こうと思います。
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