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今でも忘れない包容力のある優しい言葉
20代前半の頃。
私の性格は、大人しいようで、素直なようで、ちょっと生意気だったように思う。
いろんな占いによく書かれていることは、
「正義感が強い!」
占いに書かれているほど、正義感が強い訳ではないけれど、“ちょっとそれって違うと思う“ということがあると、意見する。
40〜70代の男性社員に疑問などをぶつけていた。
社長にも強く意見を言ったことがある。
流石に、カンカンに怒られた。社員代表として意見したような内容だったが、私個人の意見だった。他の社員は気にしていなかったから。
違うと感じることでも、それなりにグッと堪えることもあった。
心でイライラしていたけれど仕方がない。
20代の私の意見など通用しない。
私が間違った訳ではないのに、私のせいにされたことがある。
お茶を出しに応接室へ入った際、見積書の数字のミスを指摘された。
私じゃない!
でも、取引先の専務の前で、「いいえ、私ではありません。」なんて言えない。
私のせいにして、すでに話が和んでいた最中だったから。
その当時のことが、今でも蘇る。私、かなり根に持ってるかも。
男性が多い職場だったから、言葉遣いも荒く、入社間もない頃はちょっと怖かった。
でも、男性社員たちは、そういう中で揉まれて働いていたから無意識のことで悪気はない。
そのうち、私も揉まれて強くなっていた。
伝えにくいことを話した時、口調の荒い答えが返ってくることがある。
でも、20才ほど下の私に大喧嘩を売るようなことはない。
それなりに優しくされていたと思う。
ある日、私は悟ったように偉そうなことを70代男性社員に話した。
どんな内容か忘れてしまったけれど、
「当たり前のことをなぜ言うんでしょうね。」
そんなようなことを言った私。
私が通常していること、わかっていることを問題視した出来事が巷であったのだ。
なぜ、そんなことを今更言っているのか不思議だったのである。
今思えば、生意気な私。
“上から目線“
(お前は何者だ!!!)
でも、70代の男性社員は、怪訝な顔を見せず、
「それは、〇〇ちゃん(私の名前)が出来た人だからだよ。」
そう言ったのでした。
私が出来た人・・・そんなことはない。
でも、なんとなく褒められたような嬉しい気持ちになった。
その男性社員は、私のことを盛り上げてくれたんだと思う。
生意気なことをいう私を。
包容力のある受け答えに、私はすっかり舞い上がったけれど、月日が経つにつれて、私は生意気な人間だったんだとつくづく思う。全然悟ってないのに・・・。
この男性は、のちに私にモンブランの万年筆を譲ってくれました。
高価な万年筆を。
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