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生成塗りつぶしで花咲か爺さんに
はじめに
みなさんは「枯れ木に花を咲かせましょう」という言葉をご存じでしょうか?
日本の昔話「花咲かじいさん」に由来する、ちょっと不思議で心温まるフレーズです。
今回は、Adobeが開発する画像生成AI「Adobe Firefly」の生成塗りつぶし機能を使って、本当に“枯れ木に花を咲かせる”方法をご紹介します。
Adobe Fireflyの生成塗りつぶし機能を活用すると、写真の一部を自由に差し替えたり、追加・削除したりして、まるで魔法のように画像を作り変えることができます。季節の移り変わりや背景変更、オブジェクトの除去など、クリエイティブなアイデアを実現するのにぴったりのツールです。
Adobe Firefly 生成塗りつぶしとは?
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1. 画像の特定エリアを選択して、AIにおまかせ
Adobe Fireflyの生成塗りつぶし機能(Generative Fill)は、Photoshop(ベータ版)やFireflyのWebサイト上で利用できる新機能です。
任意の範囲を選択し、「何を生成したいか」をテキストで指示すると、AIが背景や周囲の状況に合わせた新しい画像を自動で生成してくれます。
2. 実用例
不要物の削除: 風景写真に写り込んでしまった人やゴミなどを除去
背景の差し替え: 風景写真を別の季節や場所に変更
部分的なイラスト化・デザイン変更: 写真をアート風にしたり、アクセントを加えたり
実際に枯れ木に花を咲かせる手順
ここからは実際に、枯れ木の写真を満開の桜へと変化させるまでの流れを解説します。
1. 元となる画像を用意
まずは、枯れ木が写っている風景写真を用意しましょう。
例として、秋から冬にかけての、葉が落ちた木々が並んだ写真を使います。
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2. Adobe FireflyのWebサイトまたはPhotoshopベータ版を開く
Photoshopベータ版を使用する場合
Creative Cloud デスクトップアプリから「ベータ版アプリ」欄にあるPhotoshop(Beta)をインストールし、起動します。Firefly Web版を使用する場合
ブラウザでAdobe Fireflyの公式サイトにアクセスし、Adobeアカウントでログインして、Generative Fillのページを開きます。
3. 画像を読み込む
Photoshopベータ版で行う場合は、メニューから「ファイル → 開く」で画像を開きます。
Firefly Web版の場合は、アップロードボタンから画像をアップロードします。
4. 生成塗りつぶしを適用する範囲を選択
Photoshopベータ版:
[選択ツール](なげなわツールやクイック選択ツールなど)で、「枯れ木」部分をざっくり選択します。
選択範囲を作成したら、上部メニューまたはコンテクストメニューにある「生成塗りつぶし」をクリック。Firefly Web版:
AIで自動的に物体を認識する機能が搭載されていますが、必要に応じてブラシなどでカスタマイズ可能です。生成塗りつぶしを使用したい箇所を指定し、生成指示を入力できる状態にします。
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5. プロンプト(指示文)を入力
生成塗りつぶしのダイアログや入力欄に、どのようなイメージを生成したいかを英語または日本語で入力します。
例えば、枯れ木を満開の桜に変えたい場合は、以下のように入力します。
日本語例: 「満開の桜の花が咲いている木に変更」
英語例: "Change the bare trees to full-bloom cherry blossom trees"
ここでのポイントは、より具体的な指示を与えるほど、望む結果に近い生成が行われることです。
季節感や色味、桜の種類、雰囲気などを詳しく書いてもOKです。
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日本語より英語で入力した方が良い気がするのでGoogle翻訳で英語にしてみます。
6. 生成結果をプレビューして調整
数秒待つと、AIが自動的に桜の花を咲かせたバージョンの画像を生成してくれます。
複数のバリエーションが提示される場合もあるので、気に入ったものを選択しましょう。
もしイメージが合わなければ、プロンプトを修正して再度生成し、納得のいく結果を得るまで調整を繰り返します。
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7. 仕上げ
細部の微調整: AIが生成した部分に不自然な箇所があれば、スタンプツールやブラシツールで調整する、または再度生成塗りつぶしを部分的に行う。
色味の統一: 写真全体の色味や雰囲気を揃えるため、トーンカーブや色相・彩度の調整などで仕上げを行います。
保存: 気に入った状態になったら、ファイルを保存(書き出し)します。
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コツと応用
詳細なプロンプトで理想に近づける
生成塗りつぶしは、プロンプトの内容に応じて仕上がりが大きく変わります。
「桜」「満開」「春の風景」など、キーワードを複数盛り込むと、より理想的な桜が咲く可能性が高まります。桜以外の花や背景も試してみる
花だけでなく、紅葉や雪景色、あるいは南国のヤシの木など、季節感や風景の差し替えにも活用できます。構図を活かすために部分選択を工夫
写真全体を選択すると背景まで大きく変わってしまうことがあります。
変えたい部分だけを選択し、元の構図をなるべく活かすのがポイントです。複数の候補からベストを選ぶ
Adobe Fireflyは一度の指示で複数の候補を出してくれる場合があります。
その中からイメージに近いものを選び、さらに追加指示を加えることで、より完成度を高められます。
おわりに
「枯れ木に花を咲かせる」という昔話の世界が、今やAdobe Fireflyの生成塗りつぶし機能によって、誰でも手軽に再現できるようになりました。
本来であれば時間や季節をまたがなければ体験できない景色も、AIの力を借りることで一瞬で作り上げられるのは、本当に夢のような話です。
写真のレタッチや合成と聞くと、難しそうだと思う方も多いかもしれませんが、生成塗りつぶしのシンプルなUIとAIのサポートで、誰でも簡単に扱えます。
皆さんもぜひ、Adobe Fireflyを活用して、自分だけの不思議な風景や幻想的な作品を生み出してみてください。
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