埋没したスラグ(鉱さい)の明暗
富山県魚津市にある埋没林博物館では「キンキラリ魚津の金山展」が開催されています。昨日は講演会を拝聴させていただきました。
お隣り新潟県の佐渡島の金山が7/27世界文化遺産に認定され、今まさに注目が集まる「かねやま」の「松倉山」がテーマでした。
「かねやま」や「3D坑道調査」のお話はとても興味深く、そちらの話にも触れたいのですが、「スラグ」というワードがどうにも気になりましたので、本日はそちらの話を書きたいと思います。
戦国時代から江戸時代――日本では金や銀の鉱脈が発見され、発掘がブームとなりました。金は現在も価値が高いですが、その頃には今の倍くらいの価値があったそうです。
銀は鉛と銀をくっつけて後に精製する際、鉛をスラグとして捨てたようです。現在、スラグが見つかると、大変な発見とされるらしいです。数百年前にそこに銀山があったという貴重な資料、証拠ですからね。
ところで、講演の中で「スラグ」のワードが出た時、「ん?どこで聞いたっけ……スラグスラグ……」と私の錆びた頭を捻りましたが出てこず、しばらく経って思いだしました。
スラグ=鉱さい。土地を売買するときに時々問題になる物でした。
私事ですが、親の所有地にスラグが埋没してたことを思い出しました。これが非常に厄介な代物でして……。
昔、地場の工場が鉄を精製する際に出たカス――鉄やガラス。これを埋める風潮があったようなのです。
それは工事業者を通して地元の土地に埋められました。持ち主に断りなく埋めていたといいます。
そして近年、スラグは産業廃棄物と位置づけられました。
スラグは埋めておくと雨水などで有害成分が溶け出し、やがては身体にも悪影響を及ぼしかねないと判明しています。処分しようにも費用がかかりますから、厄介者でしかありません。
一方では貴重な証拠。
一方では厄介者。
なんという事でしょうか。
かくいうウチも土地を手放す際、スラグには結構な処分費用がかかりました。地面には遺跡も遺されていれば、厄介なスラグが遺されていることもあるのです。
こちらは備忘録として残しておきます。
聞いた話なので、内容が違っていたら御免なさい。
※タイトルの画像は数年前、松倉山に(車で)登った時のものです。そのときに金山の坑道があったことを知りました。
関係ないけど、貼っておきます。