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亡き祖母の温かさを想う

ある神社にやって来た。私が歩き始めたばかりの頃、祖母と一緒にお参りしたらしい。

写真の中の私は、この柱にしがみついて泣いていた。そんな私を、祖母がなんとも優しい笑顔で見守っている。アルバムには母の字で「はとぽっぽがこわくて泣いてしまいました」と書いてあった。

祖母は、ある日突然亡くなった。夜、眠りにつき、そのまま旅立った。病気を患っていたわけでもない。穏やかな表情だったから、苦しまずに逝ったのだろう。

泣きたくなると、ここに来る。おばあちゃんが励ましてくれる気がするから。会えないけど、優しさに包まれる気がするから。

職場まで会いに行って、それでも会えなくて、醜態を晒しただけの私を、空の上にいる祖母はどんな気持ちで見ているだろう。こんな孫でごめんなさい。

寒空の下、一時間近くぼーっとして過ごした。綺麗に紅葉していたけれど、涙でぼやけてよく見えなかった。

私は、ここを参拝するとき、おみくじを引くことにしている。そして、決まって必ず「待ち人来ず」を引き当てる。

しかし、たった一度だけ、「待ち人来る 早いでしょう」を引き当てた。その翌日、いいねをくれたのが彼だった。

考え過ぎかもしれない。ただ、私にできることはもうないから、おみくじで気を紛らわせたかった。

「おそいが来る」を信じたい自分がいる。まだそんなことを言っているのかと笑われそう。

今、私の頭の中には、天使と悪魔みたいに二種類のキャラクターがいて、「いい加減早く忘れなよ」と囁く私と、「信じてもう少し待ちなよ」と囁く私がいる。

おみくじをぼーっと眺めていて、もう何もできることがないにしても、あと少しだけ、待つだけ待ってみようと思った。結果がどうあれ。

祖母はきっと、「どうしようもない子だね」と、天国で笑っていることだろう。

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