止まった歯車が再び動いた日
しばらくして、彼も足跡をつけてくれた。
嬉しかった。例え連絡が取れなくても、言葉を交わせなくても、心が踊った。
思わずいいねを押しそうになった。けれど、彼が人違いをしているならば、私だと気付かないほうがいいようにも思えた。
私はただ毎日、彼のプロフィールを覗いて過ごした。
あるとき、彼からいいねが届いた。そして、プロフィールが少しずつ手入れされるようになった。「理想はこの人なら素直になれそうと思える人」「めちゃくちゃ平和主義です」
自意識過剰かもしれない。けれど、彼は時折メッセージで、私には素直に話せると伝えてくれた。「平和主義」という言葉にも、私が最後に送ったメッセージに、「これまでとは一転して、攻撃的な貴方が怖い」と書いたことを意識しているように思えた。
「平和主義」ではなく、「めちゃくちゃ平和主義」と書いてあるのを見て、彼はもしかして、私に強く言い過ぎたと思っているのかなと感じた。
彼は全く悪くないのに、私を安心させようと頑張ってくれているのかもしれない。心が温かくなった。彼のところに、帰りたくなった。そこに私の居場所があるのなら。
私は何日も考えて、いいねを返した。
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