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指板で理解する ギタリストのための超簡単音楽理論<コード編1>

引き続きお越し頂きありがとうございます。

今回からはコードの話をします。今回は初回なので座学が多くなりますが、
どうかお付き合い下さい。

・コードってそもそも何?

音階の時と同じく、「そもそも何?」からいきましょう。

「和音に固有の名前をつけて便利にしたもの」

が私の考えるコードの定義です。何が便利かと言いますと、これが演奏者全員が
瞬時に共有できる音楽の情報だからです。例えば、あなたが前日に弾き語りで録音したオリジナル曲をバンド仲間に披露した時、コード進行を書いた紙をみんなに
配れば、とりあえずせーので合奏できます。各担当もコードを元に自分のパートを考え、その日のうちに立派なアレンジが出来て1曲完成するかもしれません。仮にバンド全員が音大出身だったとしても、コードがなければこう簡単にはいき
ません。もしかしたらコードの登場(不勉強で起源は分かりません)が軽音楽を
ここまで発展させた一番の要因かもしれません。

・ギターあるある「Fで挫折する?」

私の学生時代は、男子の3分の1〜半分位はギターに手をつけた事があったと思います。そこでよく聞いたのが「Fのコードが押さえられなくてギターを挫折した」という話です。詳しくは説明しませんが、押さえ方が難しくて音が出ないともう
ギターは無理だ、と嫌になってしまう訳ですね。でもそもそもコードは弦6本を
全部使って弾かなくてもいいですし、当初は簡単な押さえ方から入れば全然問題
ありません。コードの基本が分かっていればそういう弾き方の工夫というのも
できるようになると思います。これについては次回説明します。

という訳で、まずはコードを知る上での予備知識を3項目申し上げます。

<1>コードの軸となる音を「ルート」という
コードの基本的な作り方は「主役」の音に他の音を重ねるというイメージです。この主役の音をルート(略字:R)といいます。そしてコードの名称にはそのルートの音が最初にきます。例えばC7(シーセブンス)というコードならルートはCの音です。

<2>メジャーコードとマイナーコードがある
音階と同じようにコードにも原則メジャーとマイナーがあります。違いは後述
します。

<3>2つの音の間隔の幅を「〜度」と表現する
2つの音の間隔の幅を表す「度数」という言葉があります。
ある音から見て、ひとつ上の音階との間隔は2度、もう一つ上との間隔は3度と
いった具合にあらわします。同じ高さの音同士は0度ではなく1度ですのでご注意を。ドとレの間隔は2度、ドとミの間隔は3度というわけです。

メジャーキー、マイナーキーでそれぞれ主音とその構成音との度数を図にしてみました。音階は7つの音で出来ていますから、8度は1オクターブ上の同じ音になりますし、9度は2度の1オクターブ上になります。

【重要】長3度と短3度
上図のメジャーキーの3度(ドとミ)とマイナーキーの3度(ラとド)は同じ3度でも間隔が違いますね。ドからミはフレット4つ分の間隔ですがラからドは3つ
ですね。つまり間隔の長い3度と短い3度があり、これを区別して「長3度
・短3度」といいます。実はこの「長3度・短3度」が音楽にとって非常に大切な要素なので覚えて頂きたいです。大事なのでこれを耳でも直接確認して頂きます。

フレットのどこでもいいので、この図のように1弦と2弦を押さえて同時に
鳴らしてみて下さい。長3度は明るい響き、短3度は暗い響き、とはっきり
感じませんか?コードの雰囲気は3度の音が決める、と思っておいて下さい。

次はコードの構成です。ここはポイント2つです。

<1>基本的にはルート音からみて3度、5度(7度、9度、11度•••)と
奇数の度数で構成する。
<2>ルートと3度の関係が「長3度」ならメジャーコード、「短3度」なら
マイナーコード

次に鍵盤と指板で実例を挙げます。まずメジャーコードです。

有名な「ド・ミ・ソ」のコードです。ルートはCです。Cから長3度のミ、5度上のソが構成音ですね。これが「Cメジャーコード」ですが、通常は単に「C」と呼びます。

ここで一点、以下のように引っ掛かる方がいるかもしれませんので触れておき
ます。
「でも「ド・ファ・ラ」って和音もあったような•••、ドからファって3度じゃないよね•••」
はい、これは実は「ファ・ラ・ド」が正体で、ドが下に移動しているのです。このようにコードは構成音の順番を入れ替える事もあります。特にギターはピアノと
違って広い幅の音を同時に出すのが難しい楽器なので、コードの構成音をなんとか弾くためにこの入れ替えは頻繁に行います。

次にマイナーコードです。

これはルートがAのマイナーコードです。通常「Aマイナー」と呼びます。譜面には「Am」と記すことが多いです。
※大文字のMは「メジャー」の意味で使う事がありますので必ずmは小文字で表記します。

さて、メジャーコードとマイナーコードを見比べて、この2点に注目して下さい(1)メジャーコードはルートと3度との間隔が「長3度」、マイナーコードは「短3度」
(2)メジャーコードもマイナーコードもルートと5度の間隔は同じ

「長3度・短3度」が重要と申し上げておりましたが、メジャーコード・マイナーコードの違いってまさにこれだけなんです。5度のルートとの度数は(フレット7つ分)どちらも同じです。

・5度について
ついでに5度にも触れておきます。私独自の考えかもしれませんが、5度は
「第2のルート」と捉えると分かりやすいです。どういう意味かというと、コードにおいて5度の音には個性が無く、「ルートの音に厚みを持たせる」助手的役割を担っているからです。先ほどのようにフレットのどこでもいいので下図の通り1弦と2弦を押さえて同時に鳴らしてみて下さい。

長3度、短3度の時より平坦な響きがしませんか?5度の音がルートの音を補佐
しているイメージです。これを感覚として持っておくと後々役に立ちますので
ちょっと覚えておいて下さい。

ここまで如何でしょうか。普通の教本よりもだいぶ上手く噛み砕いて説明できた
つもりですが、自画自賛の勘違いでないことを祈ります•••。

今回は退屈だったと思いますので次回は実際にコードを弾いてみましょう。
また宜しくお願いします。

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