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指板で理解する ギタリストのための超簡単音楽理論<音階編4>

こんばんは。

前回までに長調(メジャーキー)とその弾き方を覚えましたが、
今回は短調(マイナーキー)に取り組みたいと思います。

・短調(マイナーキー)を覚える

昔学校の授業で、長調の曲は明るい響き、短調の曲は暗い響き、なんて解説を
されたのではないでしょうか。まあそうなのですが具体的に何が違うのかという
話です。

まず簡潔に説明しますと、

⭐︎メジャーキーは、「ドレミファソラシ」

⭐︎マイナーキーは、「ラシドレミファソ」

です。「はぁ?」と思った方、これから説明します。例のピアノの鍵盤を登場させます。

Aマイナーキー(イ短調)

ピアノの白鍵だけで「ラシドレミファソ」を弾いた場合こうなります。1回目に
学んだ通り、この「ラ」はアルファベット表記で「A」ですので、この音階は
Aから始まる短調、Aマイナーキーです。図にあるように

ラ→シの間隔は全音
シ→ドは半音
ド→レは全音
レ→ミは全音
ミ→ファは半音
ファ→ソは全音
ソ→(オクターブ上の)ラは全音

ですので、ギターのフレットで考えればこうです。

マイナーキーの指板

さて、ここで多くの方が以下の疑問を持つのではないでしょうか。

「その説明だとCメジャーとAマイナーって、音階の順序が違うだけで、使う音は結局全部同じという事?なら、どうして区別する必要があるの?」

この疑問が湧いた方は自覚しないうちに音楽理論を一つ習得しています。
「調が違うのに使う音が同じ」音階を

「平行調」

と言います。CメジャーキーとAマイナーキーは平行調の関係です。Cメジャーの
平行調はAマイナー、というような使い方をします。

ちなみにCメジャーキーとCマイナーキーは主音(スタートの音)が同じで調が違うので「同主調」と言います。同主調は用語としてはあまり使わないのですが、
マイナーキーのイメージを掴む為に鍵盤でお示しします。

並べてみると、メジャーキーの3、6、7番目の音がマイナーキーでは半音下がっていることがわかります。これまで鍵盤を使った説明ではCメジャーしか出てこなかったので、Cのところがラだとちょっと違和感を感じますよね。鍵盤奏者は黒鍵と白鍵がありますから転調に対応するのが大変だなあと思いますよね。それに比べて、ギターはフレットをずらすだけですから楽なもんです。

だいぶ話題がそれましたが先ほどの疑問に戻ります。CメジャーとAマイナーは
同じ音を使うのにどこがどう違うのか、何の為に区別するのか、につきましては
今後解説する予定の<コード編>を終えればはっきり理解できますので、ここは
あまり考え込まず、いったん以下のように考えておいて下さい。

(1)数小節の短いフレーズで、「マイナーキーかメジャーキーか」を考えるのは意味がありません。曲の全部・または一定のかたまりの中で「メジャーキー・マイナーキー」の概念が出てきます。

(2)Cメジャーキーの曲は、曲の中核をなす部分で「C」の音が頻発します。
同じくAマイナーキーなら「A」の音がよく出てきます。

分かりやすい例ですと、ロックバンドでAマイナーキーの曲を演奏すると、ベース奏者が一番多く弾く音は「A」になるはずです。サビでボーカルが「あー」と伸ばす音は「A」であることが多いです。最後に曲がじゃーーんと終わる時も、大体
Aを軸にしたコードをかき鳴らすはずです。そしてそれはマイナーキーの曲なので、底抜けに明るい曲調には絶対なりません(笑)。音楽とは面白いもので、自然にそうなっちゃうもんなんです。

ですから「この曲はCメジャーなのか?Aマイナーなのか?」で悩む事は実際には稀です。

今回の短調の話で、初心者の方にはひとつ良いニュースがありました。それは

「短調を指板で新たに覚える必要は無い」

事がわかったからです。前回覚えたCメジャーの弾き方でAマイナーもいけちゃうのです。

では質問です。前回Gメジャーの弾き方もやりましたが、これは何マイナーと同じ押さえ方になるか分かりますか?Gメジャーキーの「ラ」はEですので、Eマイナーが正解です。Gメジャーとは平行調で指板上の押さえ方は同じという訳です。

今回の課題はここまでで、ちょっとだけ雑談です。私と同世代から上の方なら
知っているギター界のレジェンド、ジミ・ヘンドリックスの「紫の煙」という有名な曲には「この曲のキーは何?」問題がありました。

多分ジミヘン本人はそんな事を意識せずに作ったのだと想像しますが、そのあたり彼の天才たる所以かもしれません。

ではまた。次回はコードの話をします。

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