波乱の越境 マレーシア ブルネイ 03 2020 #16
これまで主題なしで無味だったタイトルにしっかり主題をつけていくことにしました。自分で見返しても書いた内容が思い出しやすいので。
ブルネイに入り2日目の朝。昨日スーパーで買ったパンと焼き菓子を手にバスに乗る。コタキナバルまで8時間はかかるだろう。
朝日を浴びてBSBを出発。市街地を出るとカリマンタン島の山道をひた走る。ブルネイ、マレーシアのイミグレーションを繰り返す。そのたびに降車してパスポートを見せ、係員と少し会話。Covid-19対策はまだまだといったところで、時間はかかるものの無事通過できた。中国への渡航歴の調査がメインという感じだった。
昼頃になり、ラワスで昼食を兼ね1時間ほど休憩をとった。しかし車酔いがひどく、この先も悪路が続くと思ったので重いランチは避け、コーヒーで喉を潤す。
ところで、マレーシアは自治州を認めており、カリマンタン島は主にサラワク州とサバ州からなる。サラワクはブルネイを囲むような形をしており、その北東側にサバが位置している。各州は外国人の入境許可の権限をもつため、州をまたぐときにはイミグレを通過する必要がある。
話は車内に戻り、ラワスを出発。2時過ぎ、サバのイミグレ到着。これまでは時間は要するものの割と問題なくは入れていたが、パスポートを預けてから一向に進展がない。30分ほど経ち、若い職員二人がやってきた。
「ここまで来てもらって悪いんだけど、サバには入れさせられないわ。」
まさかの入境拒否。Covid-19に係る措置が今日出てマレーシア及びブルネイ人とビザを持っている外国人しか通せないのだという。前日まで問題ないことを確認してこれは不運だった。乗ってきたバスは自分を置いて何もなかったように走り去っていった。予定が崩れ、振り出しに戻る。
どうしようとパニックになっている場合ではない。今来た山間の集落にはこれという宿がないのでもう少し街を目指さなければ。サバのイミグレから30kmほど戻ったところにラワス空港があり、夕方5時にミリという街に向かう小型航空機があると、イミグレ職員が親切にも教えてくれた。ネットで席を確保。行き先を全く知らない状態で取った航空券ほど不安なものはない。ミリはどんな街か調べていると、職員がこれまた優しく空港まで送って行ってあげると言ってきた。ここまで優しいと少し怪しい気もするが、追い返されたのならば好意に甘える他ない。
行けなかったイミグレの向こう側。名残惜しくも引き返した。
空港まで飛ばし30分で到着。お兄ちゃんはこれまた優しく道中ではspotifyでJ-popをかけてくれたし、別れ際スナック菓子をくれた。おそらく私を少しでも元気づけようとした、本当に優しい人たちだった(疑ってすまん)。
大きさは公民館ほどの建物だが、これが空港。奥に滑走路がある。カウンターでチェックインを確認。1時間もすれば搭乗時間のようだ。
そして定員20人もない小型機に搭乗。ここまで小さい機体には乗ったことがないので、なんだか楽しくなってきた。
離着陸の緊張感とプロペラの轟音とこの島の起伏の激しい地形を楽しむこと30分ほどでミリ到着。¥7000と距離の割には良い値段の航空券であったがまあよい。
空港近くの宿に泊まる。外観も中身もかなり良い。しかも朝食付きとあって素晴らしい。これで¥4000/2人。東南アジアの良いところは当日予約でもこういった良い宿が低額で手に入ることだろう。
安息も束の間。Covid-19が急拡大する中、日本への便にも影響が出始めていた。ミリに用はないので、翌朝の便でKLに戻ることにした。
A321は満席。こんな緊急時でもKLまで¥3000で乗せてくれるairasiaは偉い(後に大変なことになってしまうが)。パームヤシのプランテーションを眼下にKL到着。
空港内は自国に帰るまたは帰ってきた人で混雑していた。特にklia2は欠航便も出ており大変そうだった。
日本への帰国便は翌明朝。広い空港内でのんびり過ごそうと思っていた。
ラウンジで食事をとり、シャワーを浴びてさあゲートに向かう。するとなんと欠航案内が。おいおいとなり、係員に尋ねる。今日明日の便は欠航になったということしか言わない。他の便の客も詰め寄り、混乱になっている。とにかく便は出ないことしか言わないので埒が明かない。払い戻いはするから、ということだったがこの格安航空券を手放すにはあまりに惜しかった。
仕方がないので空港泊をした。
出国スタンプ取り消し(VOID)という珍しい経験をして、イミグレを逆戻りし。klia1へ。
その日に直行便を出していたANAオフィスに向かった。今日の便が確実に飛ぶことを確認し発券。片道¥40000はきついが、帰国のためならと思って我慢。搭乗マイルなどのボーナスも付くしいいかとプラス思考で気を張る。
制限エリアの店舗も多くが閉まっていた。
15時になり、搭乗。KLは2回手荷物検査があり面倒だった。無事日本への便に搭乗でき、安堵を覚える。コタキナバルへの入境拒否からairasiaの欠航を経ての帰国便なのだから当然だろう。
機内食は白身魚のグリル。この便も含め予定変更による出費を頭から消し去るように酒をあおった。
初めてのb789は新鮮で、窓やライトの感じが良かった。
搭乗率は6,7割だったか。急ぎで帰国する家族連れが多い印象だった。
しばらく寝て夜食をいただき、無事東京到着。
東京に帰って来れた記念でQantasのb747。はー疲れた。入国拒否からの欠航。それでも金はかかったがなんとか帰って来れた。色々あったが今回の旅も楽しかったかな。次回海外行けるのはいつになるか、そんなことを考えながらイミグレを通ったのだった。
コロナ禍直前のマレーシア旅、お読みいただきありがとうございました。
次回は先月行ったイギリス・アイスランド・アイルランドのヨーロッパ旅行について書きます。ぜひお読みください。