不妊治療:義父母へのカミングアウト
結婚してから約2年半が経った頃。不妊検査を経て不妊治療を開始し、約1年が経っていました。義両親は、「息子と結婚してくれただけでありがたい」と私のことをとても可愛がってくれ、子供のことには一切触れてくることはありませんでした。
しかし、私たち夫婦の中で、なかなか子供ができないこと、不妊治療を開始したことを義両親に話していないことに後ろめたさを感じ、少し悶々とし始めていました。流石に結婚してから2年半も経って子供ができていないのに、義両親が何も思っていないわけないよな・・なんて漠然と考えていたんです。
というのも、当時、車で1時間離れた総合病院の不妊専門相談室に月1でカウンセリングを受けに行っており、それに加え、近くの婦人科にかかり不妊治療をしていました。同居だったので、義母にはどこに行くかをしっかり伝えてから出かけます。さすがに通院の回数が多すぎるし、義母はもしかしたら何かを感づいているのでは・・・と、変な憶測で勝手に気まずさを感じていたんです。
夫とも、「実の親なのだから、ちゃんと腹を割ってしっかりと話しておかなければならない」という結論にいたり、夕食後に席を設けてもらって、2人で告白することにしました。
子供を授かりたいと思っているがなかなか授からないこと、不妊検査を一通り受けたが私のほうには特に目立った問題はなかったこと、その代わり主人の精子が少し少なく、男性不妊の1歩手前だと言われたこと、今どのような治療を受けているか、など、主人の口から細かく丁寧に説明してもらいました。
席を改めて設けたので、妊娠の報告と勘違いされないかすごく不安でした。下手に喜ばせてしまってがっかりさせるようなことはしたくなかったからです。
でも、義両親は「うん、うん」と真剣に聞いてくださり、全部終わってから義父が、「心配ない。時間かかってもいい、焦ったらいかん。大丈夫や、必ずできる」と言って励ましてくれました。
もしかしたら普段の心遣いを指摘されたりとか、心を入れ替えて通るように諭されたりするかもしれない・・・と覚悟していたので、義父の言葉には本当に救われたし、心の荷がどっと取れ、すごく楽になりました。
義母も同じく、義父の言葉に補足をする形で、「焦ることないんよ」と優しく励ましてくれ・・。本当に心が救われました。それからは、義母と台所に立った時などに、自然と治療の話をできるようになったし、婦人科へ行くことの後ろめたさも感じなくなりました。
義母も、私に全く遠慮することなく、また全く嫌味でもなく、普通に親戚や知り合いの子供の話などをしてきます。変に気を使われることもなく、ごく普通に接してくださるので、私のほうも本当に気が楽です。勇気を持って義両親に不妊治療について告白できて、本当によかったなと思っています。
不妊治療はなんだか「恥ずかしい」という意識が芽生え、公にできないことが多いですよね。私もそうです。仲の良い友達にも、実の両親にもハッキリとは伝えることができていません。でも、同居する主人の両親。主人の次に近くで支えてもらっている家族です。隠し事はしたくなかったし、私が後ろめたさを感じながら生活したくなかったんです。
結果、すごく理解をいただいて、暖かく見守ってもらっています。
もちろん、「絶対言ったほうがいい!」というわけではなく、これは一例です。でももし、すごく肩身の狭い思いをしながら不妊治療と向き合っている方がいるのであれば、少しだけ肩の荷を下ろす方法を考えて見ても良いかもしれません。
Itsuki