これから不妊治療を考えている方へ: 私達の不妊治療
結婚して普通に夫婦生活を始め、1年たって妊娠しなかったら『不妊症の疑いあり』と言われています。私たち夫婦も未だに子宝に恵まれず、結婚して1年半たって不妊治療を開始しました。
(現在は夫の仕事の都合で海外にいるため、不妊治療はお休みし、独自のタイミング療法で妊活してます)
女性の妊娠のピークは35歳と言われており、35歳を過ぎると卵子の質が低下し、急激に妊娠率が下がるとも言われています。もし、少しでも「不妊症かもしれない・・」と悩み始めたら、すぐに検査に行くことをオススメします。
でも不妊治療ってお金めっちゃかかるんじゃ・・・?
なんだかハードルが高いなあ。。
ハードルが高い?いえ、全然そんなことないんです!むしろ、こんなに沢山の人が同じ悩みを抱えていたんだ、という安心感を持つことができます。
不妊治療を開始しようか悩んでいる人のために、まず何から始めたら良いのか、不妊検査ってどんなことをするのか、など、私たち夫婦の経験を元にお話しようと思います。
私たち夫婦の自己紹介
私たちは共に30代アラサーで結婚3年。結婚当初はしばらくは2人で過ごそうと子作りをしていませんでした。
当時は夫婦で同業、超多忙な日々。忙し過ぎて時間が合わなかったり、仕事で疲れ切って夫婦生活が持てない日々が続いたり、些細なことで喧嘩が続いたり、どちらかがキレて部屋を荒らしたり。。
それはそれは過酷な新婚生活でした(笑)
子作りどころか、夫婦生活すらままならない状況(^_^;)
そんな中でしたが、ある時、飲みの席で先輩から、
子供はいいよ〜、可愛いし、絶対早く作ったほうがいいよ〜
とアドバイスをされ。夫婦でいろいろと考えた結果、「積極的に子作りするんじゃなくて、『できたらありがたいね』というスタイルでやって行こう」という結論になり、早速その日から避妊を辞めたのでした(笑)。しかし、残念ながら今日まで妊娠に至っていません。簡単に授かる人もいれば、そうではない人もいるんですね。
避妊をやめて1年ちょっとたって、始めて不妊検査に行きました。
妊活を始めるにあたってやるべきこと
自治体の不妊相談窓口に相談しよう
いざ不妊治療を始めようと思っても、何から始めたら良いのか、どこにどうやって申し込んだら良いのかわからないですよね。もちろん、インターネットで地域のクリニックの口コミなどを検索するのも1つの手ですが、私は自治体の不妊相談窓口に電話相談しました。
電話口には優しい不妊専門の看護師さんが。電話で、簡単に自己紹介、恥ずかしがりながらモジモジと夫婦の子作りについて話をすると、看護師さんが「一度こちらに来ない?直接お話が聞きたいわ」と。アポをとって直接相談室に行くことになりました。
最近は少子化対策や地域振興の観点から子供が育ちやすい町作りに力を入れている自治体が多くあります。私が住んでいたところも例外ではなく、相談料は何回行っても無料!
私の家の近くで不妊治療に力を入れている病院やクリニック、生殖専門医を紹介してくれ、アポの入れ方、電話での伝え方、それまでに用意しておくもの(基礎体温表など)を事細かにアドバイスくださいました。
とても優しい年配の看護師さんで、身体の相談だけじゃなく夫婦生活の悩みを話したり、健康で妊娠しやすい身体作りのアドバイスをもらったり、夫も連れて行って妊娠の仕組みや夫婦生活の大切さを説明してもらったり、と、本当に細かくお世話してくださいました。始めて行った日から1年間、月に1回通いました。
何度も言いますが相談料は全て無料でした!!
(※自治体によって異なるので、ご自身の自治体で一度確認してみてください)
妊活中って気持ちの浮き沈みが激しく、生理が来てしまった時の絶望感やタイミングを逃してしまった時の悔しさって誰もわかってくれないし、周りの友達や両親になんてとても相談できなかったりしますよね。なので、この看護師さんの存在は私の中でとても大きかったし、行くたびに心が楽になり、本当に救われました。
近くに不妊治療専門窓口がある可能性があります。自治体によるかもしれませんが、クリニックや婦人科にかかる前に、一度相談してみても良いかもしれません。
基礎体温をつけよう
基礎体温は、私はかなり早い段階からつけていました。今日では「基礎体温はあまり気にしないで」と言うお医者さんもいるみたいですが、やっぱり基礎体温って大事です。高温層と低温層がコンスタントに繰り返されていたり、高温期がある程度の期間を保っているのを見ることで、しっかり排卵していたり黄体ホルモンが機能しているということがわかるし、自己流で夫婦生活を持つタイミングを測ることもできます。また、高温期が短かったり、低温期が長く続いたりする周期があったりすると、身体の異常を伝えるヒントになっているかもしれません。
上記の不妊相談の看護師さんのところへ行く時も、基礎体温表を持って行きました。それをパッと見て一言、
「きれいな二層になってるね〜、しっかり排卵してるよ〜」
といきなり行ってくださいました。これだけでまず安心!排卵はちゃんとしてくれてるんだ!
不妊治療や不妊検査は月経周期に基づいて行われるため、今がどの周期なのかを知っていることはとても大切なことです。基礎体温表を持たずにいきなりクリニックを予約しても、
(医者)今日から基礎体温をつけて、2ヶ月後にまた来てくださいね
などと言われてしまう可能性があります。妊娠を希望しているなら、治療に行く、行かないに関わらず、今すぐ基礎体温をつけ始めましょう。(かく言う私は妊活休憩中・・・基礎体温もいったんストップしてます汗)
夫婦生活をしっかり持とう、でも焦らないで
当たり前ですが、夫婦の営みがないと赤ちゃんはやってきてくれません。
しかし、30代になるとこれが意外と難しいんですよね。特に共働きの夫婦となると、夫婦の時間やセックスをしたいタイミングを合わせるのが非常に難しい。そこから、
・「今日タイミングなのにどうしてできないの?昨日もしなかったのに今日もできないの?」と旦那さんを攻めてしまう
・プレッシャーをかけられすぎた旦那さんは逆に性欲の低下
・「したい」ではなく「しなければならない」と義務に感じてしまい、夫婦の営みを全然楽しめなくなる
・マイナスな気持ちや焦りが先行してお互いに体が反応しなくなってしまう
・結果、妊活中なのにセックスレス
と、負のスパイラルに陥りがちです。私たち夫婦も新婚生活の間はまさにコレでした。
子供を作りたいけどそもそも夫婦の営みが持てない。身体が反応しない。夫が積極的にしようとしてくれない。私も、したい気持ちになれない。
悩み過ぎて毎日夫が寝たあとに1人でこっそり泣いていました(笑)
とにかく、焦らないで、したいと思った時にする。夫婦のタイミングが自然と合った時にする。もし旦那さんが、平日の夜は疲れ切って完全にオフ、夜は自分の世界を大切にしたい人だったら、休日の午前中にするとか、休みの日にホテルに出かけていつもとは違う雰囲気を作ってみるとか、とにかく、焦らずゆっくりと。
排卵日は1日だけでも、タイミングはその日1日だけじゃないですからね。その日1日を逃しても良いんです!チャンスはあるんです。
普段から一緒にご飯を食べたり、映画を見たり、買い物に出かけたり、と何気ない日常を楽しむことも大事だと思います。
そのような普通の日常を繰り返す中で、自然と夫婦生活をコンスタントに保てるようになったらいいですね。そうしないと、いざ不妊治療しようと病院に行っても、私みたいにお医者さんに
(医者)やらないと話にならないからね
って言われてしまいます(泣)
私が通った不妊アドバイザーさん曰く、「コンスタントに週に2回夫婦生活を持つことができれば、子宮の中にずっと精子がある状態が続くので(精子は子宮の中で2〜3日間生きると言われているので)妊娠の確率が上がるよ〜」とのことです。
まずはタイミングは関係なく、コンスタントに夫婦生活を持つこと。これを不妊治療開始前に目指したいところです。
でも焦らないで!夫婦お互いの気持ちを合わせるところからスタートしてみてください。
不妊検査ってどんなことするの?私が行った検査
気になる不妊検査の内容と費用ですが、病院やクリニックによって違います。検査に行くことが決まったら、その病院のHPにアクセスしてチェックしてみてください。でも安心してください。検査の段階では保険が適用されます。
注意しなければいけなのは、生理周期によって受ける検査が違うということ。順調にいっても、全て終了するまでには約1ヶ月かかります。長いスパンで構えましょう。私が受けた検査をご紹介します。
血液検査:
生理中と排卵後に血液中の妊娠に関わる様々なホルモンの数値を調べます。
超音波検査(エコー):
子宮筋腫や内膜症などの異常がないかを調べる検査。診察台で膣内に細い器具を挿入して行います。
通院時はほぼ毎回エコー検査をするので、通院回数が多くなればなるほど料金がかさんでいくのですが、私の担当の先生は1ヶ月のうち何回か、例えば他の検査と抱き合わせでエコーをする時などは、エコーの費用は請求されないようにしてくれていました(実際はエコー検査をしているのに、していないことにしてくれた)笑。ありがたい。
子宮卵管造影検査:
レントゲン室で行います。膣からカテーテルを挿入し、子宮に向けて造影剤を注入します。X線で造影剤の流れを観察し、卵管がちゃんと通っているか(精子が泳いでいけるようにちゃんと道がひらけているか)を調べます。
これはですね、痛すぎて死ぬかと思った・・・。造影剤を注入している間、痛すぎて悶えながら叫びまくり、終わったら過呼吸になって身体が硬直しました。生理の腹痛を50倍くらいにしたような痛みでした。
※全く痛くなかったという人もいます。個人差があるようですので、そんなに怖がらないでくださいね。
ちなみに、子宮卵管造影検査のあと3ヶ月は卵管が通りやすく、妊娠しやすいと言われています。私たち夫婦はちょうど夫が1ヶ月間の出張&私が風疹ワクチン摂取後だったため(生ワクチン摂取後は2ヶ月間は避妊しなければならない)、チャンスを全く活用できませんでした(泣)
フーナーテスト:
排卵期に夫婦でタイミングをとり、その後すぐ通院します。頸管の中に精子がちゃんと泳いで侵入していってるかを見るテストです。
精液検査:
その名の通り、精子に以上がないかを調べます。夫婦で一緒に通院して、その場で精子をとることができれば1番良いのですが、私たちの場合は夫の仕事の都合で本人の通院は無理だったので、家で精子をとって私が病院に持って行きました。本人は行かなくても大丈夫でした。出してから1時間半以内に病院に着くようにしてください、と言われました。
気になる私たち夫婦の不妊検査結果
一通りの検査を終えましたが、私には全く異常は見つからず。とてもありがたかったし、安心しました。でも、逆に「じゃあなんで妊娠できないの!?」とモヤモヤしちゃいました。健康な身体に感謝しなければいけないのに、心が廃れていました(笑)
少し問題があったのは夫の精子。精子の数が少なかったのです。
(医者)今は基準が変わりましたが、ひと昔前だったら「男性不妊」に該当していた数値です
とのこと。さらに、運動量が非常に悪く、自力で卵管まで泳いでいけるかどうか・・という状態でした。このことを上記でご紹介したアドバイザーさんに伝えると
「うわ〜そっか〜、この結果だとすぐに人工授精に進んでも良いかもしれないよ〜」
と言われたのですが、まだタイミング法もちゃんと試していなかった私たち。お医者さんが言ったのは、「ひと昔前だったら男性不妊」。つまり、現在では不妊に該当しないんです!ポジティブにとらえ、とりあえずは治療に通いながらタイミング法を6ヶ月行うことに決めました。
不妊専門クリニックをオススメする理由
総合病院の産婦人科、地域のレディースクリニックなど、不妊治療を始めるにあたりどこに行こうか迷いますよね。上記の通り、まずは不妊相談窓口に相談するのか良いのですが、実際に受診する際には、不妊専門クリニックをおすすめします。
患者さんは妊活さんばかり
これがけっこう大きいな理由の1つです。私は総合病院の産婦人科で生殖医療を専門とするお医者さんに診てもらっていたのですが、普通の産婦人科なのでもちろん妊活以外のいろんな患者さんがいます。むしろ、不妊治療患者は少なかったと思います。
ここで辛いのが、小さな赤ちゃん連れのお母さんや妊婦さんに頻繁に出会うこと。だって産婦人科だもん。
妊活中に妊婦さんや子連れの方を羨んでしまったり嫉妬してしまうことはしょうがないことかもしれませんが、わざわざそういう人達が多く集まっている場所に行かなければならないというのは堪え難いものがありました。みんな幸せそうなんですよね〜。
また、産婦人科の看護師さん達も「不妊治療=隠したいこと」と捉えているのか、外で治療の説明を受ける際にわざわざ隅っこに連れて行かれたり、精液検査の道具を渡す際には他の患者さんに見えないように隠れながら渡されたりして、
「不妊治療って恥ずかしいことなのかな・・・」
という印象を病院側から受ける形になってしまいました。
その点、不妊専門クリニックは不妊治療や不妊検査を目的とする患者さんばかりが集まるので、言ってみればみんな同じ悩みを共有する同志ですよね。もちろん妊婦さんなんていません。(2人目妊活のお子さん連れの方はいるかもしれませんが)
周りの目を気にせずに治療の話をしたり、基礎体温表を広げたり、堂々と治療の質問をしたりと、病院で普通に過ごすことができるし、何より、
「こんなに妊活してる人達がいるんだ・・・。悩んでいるのは私だけじゃないんだ!頑張ろう!」
という気持ちにさせてもらえます。
妊活って孤独になりがちですよね。周りの友達や親戚たちはどんどん子供ができて親になっていくのに、自分だけ子育ての話題に入って行けずに取り残されてしまう。でも、自分1人じゃないんだ、って思わせてくれる場所が不妊専門クリニックだったりします。
より専門的な治療をしてもらえる
私の通っていた総合病院では、タイミング法と人工授精(AIH)しかしていませんでした。また、処方される薬の種類も専門クリニックに比べて少なかったです。
ただ、担当医は何度も言うように生殖医療の専門医で、ずっと不妊の研究を行ってきた専門家。上記のアドバイザーさんに「タイミング法だけでかなりの実績をあげている権威ある先生だよ〜」と紹介されたので、それだけを頼りに通っていました。
しかし、看護師さんには不妊治療の専門知識はなく、何か質問しても「わからないので先生に聞いておきますね」と返されるばかりでした。
その点、不妊専門クリニックは、体外受精や顕微授精など高度治療の設備がしっかり整っており、また、私の印象では処方される薬も、患者さんの些細な身体の状態によって細分化されているような気がします。看護師さんも不妊に特化した知識を持ち合わせていることが多いので、体の悩みから夫婦のことなど、いろいろなことを相談することができます。
そのような専門クリニックのホームページには、治療の内容や料金、処方される薬などが細かく記載されていることが多く、患者としてはとても安心して受診することができます。お近くのクリニックをチェックしてみてください。
私も、帰国したら次は総合病院じゃなくて不妊専門クリニックに転院することを予定しています。(もちろん、帰国するまでに自然に授かることを目標にしていますが!)ただ、最近、不妊治療患者が急増していて、アポが簡単にとれないことが多いようです。計画的に予定を組むことが大事ですね。
**まとめ:とにかくまずは不妊検査を!
30歳を過ぎてパートナーがいなかったとしても、もし「将来結婚して妊娠できるか不安」という思いを抱えていたら、とにかく基礎体温をつけて検査に行きましょう。
何も異常がなかったら心から安心できるし、もし異常が見つかったら早期に治療にとりかかることができます。
結婚して、さあ子作りを始めよう、という時になって初めて異常が見つかってしまうと、そこからまずその治療に専念しなければならず、妊娠がさらに遅れてしまいますよね。
不妊検査も不妊治療も敷居が高いように思っているかもしれませんが、全然そんなことはありません。いつか赤ちゃんがやってきてくれることを信じて、一緒に頑張ってみませんか。
Itsuki