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代表インタビュー:渡邉知 「つながりを事業にする会社をつくる」<後編>

前編ではファイアープレイス代表・渡邉の起業までのストーリーを中心にお届けしました。後編では、創業6年を迎えたファイアープレイスの現在地とこれからについて、渡邉の想いをインタビュー形式でお伝えします。

創業6年の振り返り、ファイアープレイスという会社の輪郭が作られるまで

ファイアープレイスは、ビルの屋上=ロックヒルズガーデンを起点に事業を開始した会社です。偶発的な出会いや気づきを創発し、つながりを育む「場」を創りたくて、けれども、つながりを事業にすることは難しくて、創業後しばらくは、屋上で提供するBBQという「飲食業」が唯一の収入源でした。

つながりは価値だから事業にしたい。けれども、つながりをお金にしようとすると、つながりそのものが消失してしまう気もする。学生と社会人や、生産者と消費者など、つながりを創出するBBQイベントを重ね、たくさんの来店者から「この場所があって良かった」と言われることが増える一方で、「このままだとただの飲食店経営者になってしまう」という焦りがありました。

社員も私一人でした。メンバーは、業務委託かバイトの学生。そこにチームは存在しておらず、私は私ができないこと、苦手なことを周囲に助けてもらいながら、自分が実現したい「つながりを創出する事業」って一体何だろうと、一人悶々と悩んでいたんです。

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そんな中、当時業務委託メンバーだった蓮池めぐみから、「サトルさんはこの先も一人、あとは業務委託でやっていくんですか?」「私は正社員にも、ファイアープレイスという会社にも興味があります」と言われたんです。2019年晩秋のことです。

私個人ではなく、会社という法人に興味を持ってくれたことに驚きと嬉しさがあった一方で、このまま渡邉個人のファイアープレイスでいくのか、会社としてチームでやっていくのか、すぐに決断することができませんでした。社員を雇うことで他人の人生にも責任を負う怖さ、会社が自分だけのものではなくなっていく重さ、その両方が理由です。そんな、意思決定を先送りにした状態で、COVID-19がやってきました。

業績は悪化し、口座から現金が無くなっていく。このままでは私含め、メンバーに給与が払えなくなってしまう。当時取締役だった長谷川哲と話し合い、彼は転職することに。業務委託メンバーも、事業のほぼ全てが休止してしまったため、事実上解散。気付けば、隣には蓮池だけ。その時改めて、この先も一人でやっていくのか、それとも会社としてやっていくのか、熟考しました。2020年6月。私は個人ではなく会社にすることを決め、ありがたいことに、彼女は一人目の正社員になってくれました。

目の前の仕事や自分ではなく、「会社」と向き合う蓮池の存在は新鮮でした。メンバーには恵まれていましたが、つながっている軸は「仕事」だった。当たり前ですが、私は私一人で会社をやっていたから、「会社」を軸にしたつながりがなかったんです。社員が自分一人だった世界は身も心も軽やかだったけれど、人を雇う覚悟を決めて始めて、社員がいなければ見えない世界があることに気付くことができました。

私が追い求めていた「つながりを事業にする会社」は、私と誰かのつながりに過ぎず、その延長に、社会をより良くする「事業」はなかったのだと思います。他の経営者には申し訳ないほど情けなく恥ずかしい話ですが、会社が私だけのものでなくなってから、ようやく、ファイアープレイスが目指す事業の輪郭が見え始めた気がします。

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蓮池からは、「サトルさんはつながりが大事って外に発信しているけれど、中のメンバーはつながってない。中がつながってないのに、外に大事とは言えないと思います」と、キツいことを言われました。会社というチームを作ろうとしたら、これまではチームになっていなかったと社員から指摘される。半径数メートルのつながりを大事にしていない自分が、つながりを事業にできるわけはなかったと、遅ればせながら腹落ちしました。

2021年になって、社員、業務委託、学生スタッフ、立場や役割関係なく、どうやったら一つひとつのプロジェクトがチームになるかを考えるようになりました。前取締役の長谷川には今も力を借りていて、彼との新しい関係性を模索中です。6月には、2人目の社員も入社。ファイアープレイスは今、第二創業期を迎えています。

第二創業期、「つながりを事業にする会社」へ

私たちファイアープレイスは、つながりを事業にする会社です。「つながりを創出し しあわせの総量を増やす」ために、「地方創生事業(まちづくり)」、「不動産価値向上事業(場づくり)」、「チーム力深化事業(チームづくり)」に挑戦しています。また、つながりの在り方を実証するために、自社店舗も経営しています。

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「あなたの会社は何をやってるの?」「クライアントは誰ですか?」「どうやってマネタイズしているの?」これまでの私たちは、外から見て上手く自己紹介ができていなかったと自覚しています。色々とやっている、けれども何をやっている会社かわからない・・そうした課題を、「つながり」という軸で丁寧に編集し直し、自己紹介の解像度を上げていくことが第二創業期の今、真っ先に取りかかるべきアクションです。

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まちや村を起点に関係人口を増やしたい。スタートアップ企業を誘致し、プレーヤー同士をつなぎたい。オフィスに勤務する社員同士のつながりを深めて欲しい。商業施設を起点に、地域住民とのつながりを創出したい。創業から6年たった今、さまざまな団体や企業から、「つながりを創出したい」という相談や問合せが入るようになりました。けれども、会社としてはまだまだ道半ば。

ファイアープレイスという「会社」の軌跡、そして、私たちのミッションに共感し、共働したいと感じてくれた方にお会いしたいです。一緒につながりを創出し、しあわせの総量を拡げていくことで社会をより良くしていきましょう。

■代表インタビュー前編はこちらから


 


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