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大学受験とM-1挑戦
今年の大学受験の共通テストが始まった。
自分たちの世代で言うとセンター試験。
僕の高校は進学校だったので大学受験にも力を入れていて、ほぼ全員センター試験を受けた。
このセンター試験、僕は大失敗した。
目標より15%も得点が足りなかった。
なんでこうなったのか。
理由は一つ。
余裕ぶっこいて全然勉強してなかったから。かなり単純で明快。明快が過ぎる。
だから失敗と言うことすらも烏滸がましい。
今でもあの日を鮮明に覚えている。
教室真ん中の前から三番目という席の場所まで覚えている。問題を解きたいのに、絶対解けなさそうで、でも解きたいから考えすぎて、脳みそがオーバーヒートして、頭痛が酷かったのも覚えている。あの時生まれて初めてバファリンを飲んですぐ効いてLIONの企業努力と心配して薬をくれた金子のありがたさも全て覚えている。
これは今の自分にとって根深い話となる。センター試験近いことを知って今思い出して書いてる。
受験当時、必要な勉強量を100とするなら、本番残り2週間で勉強量30ぐらいしか達成できてなかった。センター試験の過去問買うだけ買ってどっさり残ってた。
これに気づいた時の鼓動のスピードったらやばかった。この世で1番安心できる実家なのに心臓ぶっ壊れるかと思った。
そして迎えた本番で上記の顛末になり「ああ今おれ大事な人生の階段ゆっくり踏み外している〜」とカイジばりにぐにゃ〜と身体と空間が歪んだ。
明確な努力不足による敗北を痛感した忘れ難い瞬間だった。
とは言え、試験の失敗なんて珍しいことでもないじゃんと思う人。
違うの。
昔の狩野大ってしっかり努力できる人間で、自分のために努力できないやつは情けないなと思って見下してた人だったの。
勉強サボって遊んでばっかのやつを舐めてて、そんな舐めてた人間に自分がなってしまったことがあの日強烈にショックだった。
自分で言うのも恥ずかしいが、ぼくは小学校ずっとテストほぼ100点満点の優等生、中学時代も皆が大金払って塾行って目指す進学校を僕は塾に行かず勉強量のゴリ押しで合格してた。
部活もサッカーはそんなに上手くなくてレギュラーになれなくても「フィジカル」という努力量で補えるステータスだけはトップでいれた。
要は努力さえすれば勝ち取れるもんは勝ち取れるってわかっていて、そんな自分を誇りに思っていたし、そんな自分の為に努力できていた。
しかしそんな僕が大学受験というクソ大事な局面を迎えた当時、突如君臨した娯楽の四皇
“インターネット”
“アニメ”
“漫画”
“睡眠”
この四皇のパワーは途轍もなく、努力を「後回しにする」蜜の甘さを覚えさせ、「まあ今まで努力できていたし多少は大丈夫だろう」という油断を誘発させた。気付いたら努力の仕方と努力できる自分のカッコ良さを忘れてしまっていた。
ニコ動、けいおん、GANTZ、昼寝、これらに何度も笑顔で屈服させてもらっていた。
特にひぐらしのなく頃にとグレンラガンのMADを漁ってたあの日々はかなり無駄だった。
一応これではダメだと、ある日の夏の朝「図書館に行って10時間勉強してくるぜ!!」と親に宣言して、図書館に着いたら静かで涼しかったので寝てしまった。
さすが図書館である。
センター試験中、そんな日々が脳内にフラッシュバックし、何度図書館で寝てたおれをブン殴りたいと思ったか。
そして結果、あの日の惨敗と怠惰な自分を生んだ。
やばいのが私立受験で挽回しようにも、もう怠惰がクセ付いて勉強も適当になって、私立受験も惨敗した。目標のために苦しいことを乗り越えるのがめんどくさくなってしまった。
そして時を経て去年のニューヨークchでの
「ネタ書きたいのに寝てしまう」
この情けない懺悔に辿り着く。
高校の友達があの動画を見て受験時代のおれを真っ先に思い出したらしい。
会った時「受験勉強サボりまくってたあの時と変わんねぇじゃんwww」と草生やされた。
大人に生やされる草はたまったモンじゃない。
ここ最近大学お笑い出身の芸人はネタが面白くて、結果が出ている人が比較的多い。
センスに加えて、あの当時の娯楽や誘惑を振り切り、大学受験という人生の局面を己の努力一本で乗り越えることで培われた“胆力”と競争を勝ち切る“魂”がその辺の人たちと頭一個抜けてるからだと思っている。
頭良いからネタ考えるの上手いんじゃなくて目標達成のための胆力と魂がもう違う。
勉強なんてこの世で1番つまんねーことひたすら続けてたってかっこいい変態としか思えない。だから尊敬する。
そんなぼくが今挑んでるM-1グランプリ。
どうやら目標の決勝進出の倍率が東大受験よりキツいらしい。
準決勝進出でも早慶上智合格レベルとからしい。カンベンしてくれ。
受験とは真逆の楽しい自由な世界を夢見て始めたお笑いの道で生活するにはM-1グランプリの挑戦は必須。
努力をサボってしまったあの日の過去「図書館で寝てる自分」をぶん殴りに行く戦いになることを思い知り、どでかいため息が出たがまあしゃーない。
図書館で突っ伏してるおれの耳元で「狩野が始めた物語だろ!!!!!怒」と爆音で告げてぶっ起こしに行かないといけない。
明日は朝時間があるので早く起きてネタを考えよう。
翌日、朝寒くて起きれなかった。
早く自分を起こすために起きれるようになりたい。
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