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KRINキャリア教育活動Day3-5
前回投稿したDAY1及びDAY2に引き続き、2024年12月まで行ったDAY3からDAY4までの活動内容をこの場を借りて投稿したい。
尤も、私はDAY3が大学の講義と重なってしまっており、参加が不可能であった為、報告を割愛する。
DAY4 営業同行
急速冷凍された国内産生ホップが使用されている期間限定ビール「とれたてホップ生ビール」(以降とれいち)は11月5日(火)より全国で販売された。生産地はDAY2で訪問した国内最大級のホップ生産地である岩手県遠野市である。私は11月5日よりキリンビールのマーチャンダイザーの村上さん(以降MD)に同行し、仙台市太白区内の四軒の大手スーパーマーケットにてとれいちやキリンビール製造の酒類の補充及び陳列に参加した。
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スーパーマーケットでは350ml缶や500ml缶の24缶ケースの補充や店頭に商品を陳列などの手仕事のみならず、店舗の酒類担当の方とMDの商品陳列にまつわる交渉や提案に参加させて頂き、購買者からの視点で新商品陳列に関して提案を行った。
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各店舗には顧客の視界に入りやすい、すなわち購買機会の高い優位置という場所がある。優位置を取ることは売上の増加にもつながる為、MDは酒類担当とのコミュニケーションによって信頼を築く事が必要とされる。しかし、他メーカーとは常に各店舗で競っている訳ではない、客入りが芳しくない店舗に於いてはメーカー同士が酒類全般を盛り上げようと協力する事もあると聞いた。全年齢対象ではないからこそ、互いに顧客を尊重する酒類メーカー特有の生態系には強い興味を惹かれた。
またMDは陳列されるコーナーへの働きかけも欠かせない。「店舗の鮮度を保つ必要がある」という観点のもと、季節やイベントに合わせた装飾、新商品を出す際には必ずパネルや動画広告の配置を忘れない。
曰く、有効なデータのみを担当に伝え、自社の利益を最大化する事は可能である。しかし、互いにwinwinとなる関係でないと長続きしない。その為には利益以外も大切にする必要がある。ゼロサムゲームにしないからこそ長期的な利益に繋がる。
また、営業部全体で顧客の購買心理学の学習は欠かさないだけでなく、テスターにヘッドカメラを装着して店舗内を回ってもらい顧客の視点はどの位置にあるのかについて研究する等、何を売るかのみならずどう売るかまで販売を徹底している事を村上さんから学んだ。細心を欠かすことなく堅実に商品の売り上げに貢献する彼の信念には心を動かされた。
このインターンシップの参加前に学習したいと希望していた、製造されたビールが如何にして市場にでるのかについて、多くを勉強させて頂いた営業同行だった。
Day5 東北魂ビールプロジェクト品評会
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東北のクラフトビールのブルワーが集まり、世界に通用するビール造りをするために技術研鑽し、お互いに高め合う事を目的として結成されたビールプロジェクト。ライバル同士が手を取り合い、震災でお世話になったビールファンに品質でお返しするプロジェクトという趣旨のもと、東北地方のビール産業のみならず、街全体の活性化に貢献している。この企画には2017より麒麟のSPRING VALLEY BREWERYが参画し、大手ビールメーカー間で競争すると同時に地域の中小規模ブルワリーと情報共有し、ビール業界を盛り上げている。
11月14日(木)に行われた企画は、14のブルワリーによる、フレッシュホップのIBIKIを使用するというテーマのもと造られたクラフトビールの品評会である。私はインターンに参加した学生として、各ビールの試飲と飲み比べに参加させて頂いた。
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ホップの魅力を活かすには、輸送用のペールエールに多量のホップを使用する事で長期保存を可能とした歴史のあるインディアンペールエールが最適であるからか、14あるブルワリーのうち、6ブルワリーが出品していた。Brew Dogなどに代表されるIPAはレモングラスや柑橘感のある香ばしい香りとホップ由来の刺激の強めの苦味や酸味が特徴的な上面発酵ビールであり全て似た味であると予想していたが、試飲後私の予想は大きく覆った。各ブルワリーによって造られたIPAは非常にバリエーションに富んでいた。グレープフルーツのような酸味をベースとした香りからブラッドオレンジのような甘味の強い香りまで多様な芳香を醸し出し、味も大人な苦みを強調するものから麦汁由来の甘さを強調するもの、酸味が特徴的なものまで千差萬別であった。六角形のダイアグラムで各成分の比較をすればより楽しめただろう。
IPAが多く出されていた一方で、私が特に気に入ったビールはHOP DOG BREWING製造のアメリカンウィートエールのとれたて秋田ウィートエールだ。小麦の麦芽を使用しているからか、へーフェヴァイツェンやベルジャンホワイトのような甘さや泡のクリーミーさが特徴的である一方で、使用されている遠野産ホップの甘酸っぱい柑橘の香りも感じられ、過去に嗜んだビールの中でも最も味わい深いビールの一つであると言っても過言ではない。他ブルワリーのビールも香りから味まで興味深い味であり、発酵温度や時間、使用する麦汁などを厳選するだけでなく、個性的なパッケージまで自作することで新しいビールの形を生み出そうとする生産者のこだわりを感じた。
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品評会では、各ブリュワーが製造法や製造条件を互いに公開する。
本来ならば同業他社に製法が漏れる事は禁忌とされており、互いの企業秘密を教えあう事で勉強し、新しい視点を得る事で日本のクラフトビール業界を発展させようとする姿勢には驚かされた。
多様なビールがあるからこそクラフトビールが盛り上がるという考えのもと、競争よりも協力を重要視し、成長する業界に非常に高いポテンシャルを感じた。ここ一年ほどでチェーンのカフェやファミレス、居酒屋のメニューにクラフトビールが追加されるのを目にすることがある。ここ数年で注目を集めつつあるクラフトビールは今後より一層我々の生活に浸透するのではないかという確信をこの品評会から得た。
まとめ
6日間にわたるプログラムを通じてビールの生産から販売までの一連の流れや生産の現状、新しい取り組みなど、ビール業界を勉強させて頂いた事で、ビールについてより深い造形を得たのみならず、KIRINの一番搾りや一番搾りとれたてホップをはじめとするビールのファンになった。
ビールについて詳しく学習させて頂いたのみならず、今回のインターンシップでは、各生産過程の見学を通じて仕事の何たるかを考えさせられ、自身の将来設計や目標を鑑みる機会となった。
改めて、この投稿の場をお借りして、遠野ホップ農家の里見さん、ビクラフトビールの魅力を教えて頂いたブルワリーの方々、営業に同行させて頂いたMDの村上さん、そして今回のインターンに参加させて頂いたキリンビール仙台工場の皆様には感謝を述べさせて頂きたい。