オンラインセッションのコンベンションをやろう

イントロダクション

 3月29日にオンラインセッションのコンベンションを開催することになりました。
 これが予想以上に0を1にする作業の連続でして。先駆者として“ONline VOICE ONly”を主催している“ゴッドプリンセス先輩”神姫さんには色々お世話になりました(許可をいただき、注意事項の項目などはコピペさせてもらったりしました)。

 さて、この神姫さん。自身で開催に至るレポートを作成しており、ぼくが相談にお伺いした際も「レポート期待してます!」と言われてしまったんですが。
 現時点でノウハウの共有とか、他に開催したい人のために……というモチベーションがあんまりないんですよね(全くないわけじゃないんだけど、それを明文化する労力で自分のシナリオを書いたりしたい(本音))。
 であるからして、レポートか、どうすっかな……と考えていましたが、あまり堅苦しいことを考えず、開催に至った経緯や「表からは見えてなかったけどこういう配慮があったんだよ」などの裏事情ならば書きやすい(そして自分としても言い訳に使いやすく、「それなら仕方がないね」と甘やかしてほしい。という本音中の本音)のではないか、と思ったので。そういう形で書きます。

はじめまして。とらいあどです

 時系列で色々書こうと思ったんですが、その前に前提条件として今回の運営主催となる「TRPGサークルとらいあど」については先に書いておいた方が理解が早いので書きます。
 とらいあどは名古屋で活動するTRPGサークルで、主な活動内容はコンベンションの開催です。TRPGのコンベンションに参加する人はPLとGMだけではなく、スタッフもいて初めて成立するので、その三属性の人みんなにメリットがあるようにやりたいよね、ということで「とらいあど」という名前になっています。
 大切なのがスタッフ! スタッフにもメリットは欲しいよね! というのはかなり強めに考えています。これ、強めに考えるぐらいじゃないとバランス取れないんです。以前、名古屋のコンベンション界隈で「スタッフは公に徹するべし!」みたいな論調があったんですよ。ぼくはそういう考え方には中指立てたくなる人です。公務員にはならないし、公共事業をやる気もなく、「TRPG業界のため!」という大看板は掲げず、徹底的に我欲、我儘で運営したいなと考えています。
 さて、とらいあどは普段のオフラインのコンベンションで、参加者に会費をいただき、会場費や広報費、消耗品の購入などに使用しています。つまり原資があるんですね。神姫さんの“ONline VOICE ONly”では参加費をウェブ越しに徴収して開催しましたが、ぼくたちは参加費無料! なぜこれができるかというと、オフラインで参加した人からいただいた会費で活動ができ、本来はオフラインの例会のために準備する人手を回せるからです(決して給料が出ている、ということではないですよ。とらいあどは毎年決算報告しているので見てもらえばわかりますが、給与・人件費・スタッフ報酬はありませんし、そもそも2期連続の赤字中です。儲かってないです)。
 これは言い換えると「オフライン用のお金・リソースで、オンラインの企画を回した」とも言えます。そういった事情から、とらいあどにおいてはあくまでも(現時点では)オンラインのコンベンションは「傍流の事業」であり、もう少し具体的にすると「本流であるオフラインのコンベンションを盛り上げ、参加者の間口を広げるための広報宣伝活動」です。

自粛する気なんかさらさらなかった

 2月末日。コロナウイルスの感染者が愛知県及び名古屋市でも発生し、コンベンションの会場となる名古屋市が運営する公共施設は軒並み「3月中旬まで会場を閉鎖」という市からの通達がありました。
 とらいあどでは3月21日に「学生オンリーコンベンション」、3月29日に「初心者GMオンリーコンベンション」を企画し、既に募集も始めていました。使う会場は公共施設ではなく、私企業が持つ建物で、ぼく自身は特に自粛は考えていませんでした。スタッフの中にも気にする人はいましたが、こんな時こそ自粛するんじゃなくて敢えてやった方がいいんじゃないかと(現実的に参加者側が集まらなくて大赤字になるんかな、とかそういう目線では考えていましたが)。
 そんな3月上旬のある日。「3月中、会場を閉鎖します」と先方からの通達……ッ!
 かくして企画中だった2つのイベントは中止決定。ぼくの意図とは関係なく、開催そのものが不可能となりました。

キッカケはブシロードと新日本プロレス

 少し時系列は前後します。
 ぼくが尊敬する人に、株式会社ブシロードの木谷オーナーという方がいます。カードゲームなどで有名なあのブシロード、実は新日本プロレスの親会社でもあります。この木谷社長、「全てのジャンルはマニアが潰す」という名言を残しており、今までコア層のみを対象にしていた(というかそうせざるを得なかった)新日本プロレスの経営方針を大きく転換させ、大胆な広報戦略をとることで新規参入を促進し、新日本プロレスの業績回復に貢献しました(今、新日本プロレスの会場って親子連れと女性ばかりなんですよ。この広報戦略は実はとらいあどでも参考にしています)。
 昨今のコロナウイルスにより、プロレス団体も興行を自粛。新日本プロレスも試合が行われなくなった中、またまた吠えてくださいました。

※巌流島
 アントニオ猪木とマサ斎藤がなぜか巌流島で試合をした、プロレス史に残る一戦のこと。巌流島なので観客はいない。リングと選手とそれを映すカメラのみがただただ試合を流す、というシュールな放送だったが、当時の時代背景や両選手の因縁から大きな話題となった。つまり「観客はいなくても熱量のある試合は作れる! 猪木・マサ斎藤の遺伝子を新日本プロレスは継いでいるはずだ!」という意図にもとれる。

 おお、おおお……木谷さん、最近ヴァンガードとバンドリのことしか呟かない人になってたのに……w

 そうなんですよね。ただただ単純に中止にするのは「工夫がない」。

 最近のTRPG、例えば『人鬼血盟RPGブラッドパス』では「会場の予約などを参加者が手分けして行う」と、「GM・PL以外役割」が書かれるようになった。
 『ログホライズンTRPG』では「ディベロッパー」という役割でさらに明文化され、セッション周辺のコンテンツのセッティングに触れられるようになった。
 コンベンションのスタッフはこの部分を担うのであり、ならば「中止します」という以外にやれることがあるのではないか……? TLに次々と流れてくる「コンベンションを中止します」ツイートの中、右習えをしたいか? したくないな?
 そんなふうに考えていた直後に前述の会場閉鎖のお知らせです。ですのでマインドセッティングというか、「じゃあ代わりに何かをやろう!」という思考に切り替えるのは比較的スムーズにいきました。

 オンラインのコンベンションも、とらいあどの運営も、プロレスがあって成り立っています(唐突なプロレス推し

なぜオンラインのコンベンション?

 ではオフラインの企画の代わりに何をやろう。
 色々アイデアはありましたが(これは今後やるかもしれないので秘密)、オンラインのコンベンションになったのは、1つは「いつかはやろうと思ってたので、それがこのタイミングだった」ということ。
 もう1つは、これもブシロード系列のプロレス団体なのですが、女子プロレス団体スターダムが「無観客での試合をyoutubeで配信する」と発表したんですよね。

 なおこの大会のメインイベントに出てくる岩谷選手は超美人で強くてかわいくてぼくの推しなので100回ぐらい見てください(再びの唐突な推し

 余談となりました。
 なるほど、コロナウイルスが原因でも、オンラインならばコロナも怖くない。つまりオンラインセッションならコロナは関係ない。
 そして

・コロナウイルスの自粛ムードに風穴を開けたい(万全を期して4月や5月に開催しても、そこでコロナウイルスが収束していたら、この大義名分は消える)
・3月29日の企画が吹っ飛んでいるので、その代替企画として開催するならその日しかない(とらいあどは4月は開催予定はない)。
・いつかやるいつかやると言っていてはいつまでたってもやらない。見切り発車でも今やるしかない。

 などの理由により、超強行開催となりました今回の企画。今回は巧遅よりも拙速を選択しました。現在進行形で振り回されてくれるスタッフには感謝します。

 ここまでが開催前夜となります。次回はGM選びとかシステムのチョイスとか、そのあたりのお話を。

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