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よんもじ vol.1 一句感想

よんもじ告知用

告知

 このたび、わたくし池田が参加させていただいたネットプリントが発行されました! まさか、自分が……という気持ちがいまだ消えませんが、7句とエッセイが載っております。

 僭越ながらデザインを担当させていただきましたっ! いや、なんでやねん! なにやってんねん! という感じですが、お役に立てたようでなによりです。
 デザインと言っても愛するCanvaに頼りきった、とにかく句が読みやすいデザインとなっております。らくらくフォンばりに読みやすいんで、ぜひお手に取ってそのサイズ感を味わっていただけたらと(そこ?)

 一句と言わず全部言いたいのは山々ですが、絞りに絞って一句ずつ鑑賞したいと思います。鑑賞……あ、感想!(保険かけたな!)


一句感想

こはされぬやうにうすらひ告げにゆく  西川火尖
 たとえばもし、「見て―! 氷できてるー!」と大きな声で報告しようもんなら、その喜びも束の間に、誰かが踏んずけて台無しになっちゃうかもしれない。あるいは、誰かが手に取ろうと割ってしまうかもしれない。他の誰にも知られずに、教えたい人にだけそっと教えに行く。それが「こはされぬやうに」「告げにゆく」理由。薄氷を見つけると誰かに教えたくなるのはなんでなんだろう。

断面は花畑なり恵方巻  藤田亜未
 爛漫という言葉がぴったりの句。恵方巻にかぶりつく頃はまだコートも脱げないほど寒いけれど、かぶりついた断面がパッと鮮やかで思わず笑顔になる。無病息災を願うために無言で食べていたはずなのに、ひとりがプッと吹き出して瞬く間に伝染、なんてこともしばしば。春の季節感って、そういう「場の空気」にも訪れるものなんだろうなぁ。

山折りと谷折りのある春の海  諸星千綾
 誰かが「なんか海見てると、山折りと谷折りに見えてくるよな」と言うと、連れたちが口々に「嘘や~」「んなわけあるか」と笑いだす。でもよく見たらだんだんそんな気がしてくる。「そう言われたらそれにしか見えんわ」「ほんまそれ」「おまえのせいやぞ」「なんでやねん」わーわーぎゃーぎゃー。そんなときまた誰かがふと呟く。「青春やな」。そうして再び笑い出すとき、海はやっぱり穏やかで、きっときらきらしている。


余談

 いろんな方に読まれることで、はじめて気づくこともあるんじゃないか、と最近思います。それがときに批判であっても、それはそれ、これはこれ。自分の句を世に出す。誰かとなにかを作り上げる。そういう経験の積み重ねが、日々心にある「精進」のひとつなんじゃないかと思っております。
 こうして形にできたことが本当にうれしいです。ぜひ、お手に取っていただければと思います。両面印刷の際は「短辺とじ」にするとひっくり返らず印刷できますよ!(最後にそれ言う?)
 

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