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ほかの誰かに取られる前に

今日はアンデシュ・ハンセン著書「運動脳」から、
なぜたくさん食べたくなってしまうのか、お話したいと思います。

▼ 放っておくと「すぐ」に「たくさん」を求めてしまう

私たちがなぜ怠惰であるのか。

外に出て歩いたり走ったりすることに、
それほど多くのメリットがあるなら、なぜ、
私たちはソファーに座ってポテトチップスをほおばることに
快感を覚えるのだろう。

それは人類が歴史の大半を通して、
エネルギーやカロリーの欠乏に見舞われてきたからだ

サバンナで狩りをしていたころの祖先は、
高カロリーの食事などめったにしたことはなかった。

だから、食べ物があれば、
誰かに横取りされないうちにさっさと平らげていた。


私たちが高カロリー食品をとてもおいしく感じる理由も、そこにある。

エネルギーをたっぷり蓄えておくために、
脳が「すぐに食べてしまえ」と命令するのである


たとえば、サバンナで暮らしていた祖先が、
甘くて栄養たっぷりの果実がたわわに実った木に出くわしたら、
どうするだろう。

1個だけもぎ取って、
残りは明日のために取っておくという考えは、決して賢いとはいえない。

チョコレートがたくさん入った箱を差し出されても、
一つしか取ってはだめだと教えられてきた私たちとは違うのである。

サバンナの祖先にとって、貴重なカロリー源があれば絶対に逃さず、
すぐに食べ尽くすことが生き延びるための戦略だった。

もし翌日までぐずぐず引き延ばしていたら、
果物は一つ残らずなくなっているだろう。

ほかの誰かに取られてしまうからだ。

おいしい物は全部食べたいという衝撃のメカニズムは、
今でも私たちの身体に残っている

そのため、チョコレートの箱が目の前にあったら、脳はこう命令する。

「今すぐ平らげろ。一つでも残したら、誰かに取られてしまうぞ。
ひょっとしたら明日は何も食べる物が手に入らないかもしれない。
だから今のうちに栄養を蓄えておくんだ」

私たちが、箱のチョコレートを残らず食べたくなる理由は、
これなのである。


エネルギーを備蓄するにあたっては、
溜めるばかりでなく、使う量のことも考えなくてはならない。

決して無駄遣いせず、
食糧難に備えて腹周りにいくらか蓄えておくことが非常時の切り札となる。

これは生存本能であり、
労力を節約してエネルギーを溜め込もうとする衝動が、
食糧難を乗り切ることにつながる



だから、ソファーに寝そべってテレビを眺め、
ランニングやウォーキングをさぼる言い訳をあれこれ考えているとき、
狩猟採集民の脳」はそのまま座っているように命令する。

「動かないでエネルギーを節約しておけよ。
食べ物がなくなったときは、そのエネルギーが役に立つんだから」
というわけだ。



人類の進化という視点で見ると、
原始人の頃と現在の私たちに大きな違いなんて無いのですね。

本能では「狩猟採集民」としての脳が勝っていると。

運動が体に良いことは百も承知ですが、
ソファーに寝転んでネットフリックスを観ている時間は、
何事にも代えがたい至福の時間であることは間違いないようです。

さて、何食べようかな!

それでは、また。


♯アンデシュ・ハンセン ♯運動脳
♯怠惰 ♯カロリーの欠乏 ♯祖先 ♯エネルギーを蓄える

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