
農林水産省発表;令和7年1月末日現在における令和6年産米の動向について
農林水産省発表;令和7年1月末日現在における令和6年産米の動向について(本文2,304文字)
農林水産省は、令和7年2月28日付にて「令和6年産米の契約・販売状況、民間在庫の推移及び米穀販売事業者における販売数量・販売価格の動向について(令和7年1月末現在)」をプレスリリースしました。概要をご案内します。
プレスリリースの詳細は<一次情報>からご確認ください。
<令和6年産米の動向の概要>
ここで取り上げる農林水産省によるプレスリリースは、次の5件;
・ 令和6年産米の契約・販売状況、民間在庫の推移及び米穀販売事業者における販売数量・販売価格の動向について(令和7年1月末現在)
https://www.maff.go.jp/j/press/nousan/kikaku/250228.html
・ 米の相対取引価格・数量、契約・販売状況、民間在庫の推移等
https://www.maff.go.jp/j/seisan/keikaku/soukatu/aitaikakaku.html
・ 令和6年産米の産地別契約・販売状況(累計、うるち米、令和7年1月末現在)(速報)
https://www.maff.go.jp/j/press/nousan/kikaku/attach/pdf/250228-1.pdf
・ 民間在庫の推移(速報)
https://www.maff.go.jp/j/press/nousan/kikaku/attach/pdf/250228-2.pdf
・ 米穀販売事業者における販売数量・販売価格の動向(速報)
https://www.maff.go.jp/j/press/nousan/kikaku/attach/pdf/250228-3.pdf
1. 契約・販売状況
令和7年1月末現在、全国の集荷数量は221.0万トン(前年同月比▲23.0万トン)、契約数量は200.9万トン(同▲5.8万トン)、販売数量は77.8万トン(同+6.6万トン)である。
全国的に見ると、契約数量と販売数量の増減は地域によって異なるが、全体的には前年同月比で契約数量が減少し、販売数量が増加している。特に、秋田県や茨城県など一部の地域では契約数量が前年同月比で増加している一方、山形県や福島県などでは減少している。また、販売数量についても、埼玉県や千葉県などでは増加しているが、群馬県や福島県などでは減少している。このように、地域ごとの契約・販売状況にはばらつきが見られるが、全体としては契約数量が減少し、販売数量が増加していることが確認できる。
表1 令和6年産米の契約・販売状況(抜粋)

2. 民間在庫の推移
全国の民間在庫は230万トン(同▲44万トン)。出荷段階は180万トン(同▲48万トン)、販売段階は50万トン(同+4万トン)である。令和6年産米の民間在庫は全体的に減少傾向にあり、特に出荷段階での在庫減少が顕著であり。販売段階では若干の増加が見られるが、全体としては在庫量が減少している。地域別に見ると、北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県など主要産地での在庫量も減少傾向にあることがわかる。
表2 令和6年産米の月別在庫の在庫推移(万トン、抜粋)

表3 令和6年産米の地域別の在庫推移(千トン、抜粋)

3. 米穀販売事業者の動向
販売数量は前年同月比で増加している月が多く、特に小売事業者向けの販売数量は6月に14.1%増加している。一方、中食・外食事業者等向けの販売数量も増加している月が多いが、9月以降は減少傾向にある。
表4 令和6年産米の販売数量の動向(抜粋)

販売価格については、小売事業者向けの販売価格が前年同月比で大幅に増加しており、特に8月以降の増加が顕著である。12月には前年同月比で64.8%増加している。中食・外食事業者等向けの販売価格も同様に増加しており、全体として販売価格は前年同月比で大幅に増加している。
表5 令和6年産米の販売価格の動向(抜粋)

<まとめ>
1. 契約・販売状況
全国的に契約数量が減少し、販売数量が増加する傾向が見られます。地域ごとにばらつきがあるものの、全体としては契約数量が減少し、販売数量が増加しています。
2. 民間在庫の推移
全体的に在庫量が減少していることが確認できます。特に出荷段階での在庫減少が顕著であり、販売段階では若干の増加が見られるものの、全体としては在庫量が減少しています。主要産地での在庫量も減少傾向にあります。
3. 米穀販売事業者の動向
販売数量が前年同月比で増加している月が多く、特に小売事業者向けの販売数量が増加しています。一方、中食・外食事業者等向けの販売数量は9月以降減少傾向にあります。販売価格については、小売事業者向け、中食・外食事業者等向けともに大幅に増加しており、特に8月以降の増加が顕著です。
以上のように、令和6年産米の動向としては、契約数量の減少、販売数量の増加、在庫量の減少、販売価格の増加が確認されます。農林水産省からの特別な意見や示唆はありませんが、これらの動向を踏まえた今後の対応が求められます。
<今後の展望>
1. 契約・販売状況
契約数量が減少し、販売数量が増加していることから、需要と供給のバランスが重要となります。特に、地域ごとの需要変動に対応した契約・販売戦略が求められます。秋田県や茨城県など契約数量が増加している地域では、引き続き需要に応じた供給体制を整えることが必要です。一方、山形県や福島県など契約数量が減少している地域では、需要喚起策や新たな市場開拓が求められます。
2. 民間在庫の推移
全体的な在庫減少傾向が続くと予想されます。特に出荷段階での在庫減少が顕著であるため、効率的な在庫管理と供給チェーンの最適化が重要となります。販売段階での在庫増加を維持しつつ、出荷段階での在庫減少を抑えるための対策が必要です。また、主要産地での在庫減少に対応するため、地域ごとの在庫管理と需給調整が求められます。
3. 米穀販売事業者の動向
販売数量と販売価格の動向を注視する必要があります。販売数量が増加している一方で、販売価格も大幅に増加していることから、価格競争力の維持と収益性の確保が重要となります。特に、小売事業者向けの販売価格が大幅に増加しているため、消費者への価格転嫁が課題となります。中食・外食事業者等向けの販売価格も増加していますが、需要変動に対応した柔軟な価格設定が求められます。
今後、需要と供給のバランス、効率的な在庫管理、価格競争力の維持が重要な課題となります。これらの課題に対応するための戦略的な取り組みが求められます。
プレスリリースの詳細は<一次情報>からご確認ください。
<一次情報>
令和6年産米の契約・販売状況、民間在庫の推移及び米穀販売事業者における販売数量・販売価格の動向について(令和7年1月末現在)
https://www.maff.go.jp/j/press/nousan/kikaku/250228.html
米の相対取引価格・数量、契約・販売状況、民間在庫の推移等
https://www.maff.go.jp/j/seisan/keikaku/soukatu/aitaikakaku.html
令和6年産米の産地別契約・販売状況(累計、うるち米、令和7年1月末現在)(速報)
https://www.maff.go.jp/j/press/nousan/kikaku/attach/pdf/250228-1.pdf
民間在庫の推移(速報)
https://www.maff.go.jp/j/press/nousan/kikaku/attach/pdf/250228-2.pdf
米穀販売事業者における販売数量・販売価格の動向(速報)
https://www.maff.go.jp/j/press/nousan/kikaku/attach/pdf/250228-3.pdf
<関連情報>
令和7年1月末民間在庫量のポイント
https://www.maff.go.jp/j/press/nousan/kikaku/attach/pdf/250228-4.pdf
米の相対取引価格・数量、契約・販売状況、民間在庫の推移等
https://www.maff.go.jp/j/seisan/keikaku/soukatu/aitaikakaku.html
相対取引価格の推移(平成24年産~令和6年産)
https://www.maff.go.jp/j/press/nousan/kikaku/attach/pdf/241220-2.pdf
長期的な主食用米の価格の動向
https://www.maff.go.jp/j/press/nousan/kikaku/attach/pdf/241220-4.pdf
令和6年産米の概算金の設定と相対取引価格の状況
https://www.maff.go.jp/j/press/nousan/kikaku/attach/pdf/241220-3.pdf