令和6年12月20日公表、米に関するマンスリーレポートと相対取引価格・数量について

令和6年12月20日公表、米に関するマンスリーレポートと相対取引価格・数量について（本文2,115文字）
 
 
農林水産省は、令和6年12月20日付にて「米に関するマンスリーレポート（令和6年12月号）の公表について」と「令和6年産米の相対取引価格・数量について（令和6年11月）」のふたつをプレスリリースしました。概要をご案内します。
 
 
＜概要＞
ここで取り上げる農林水産省によるプレスリリースは、次の2件；
【農林水産省】米に関するマンスリーレポート（令和6年12月号）の公表について
https://www.maff.go.jp/j/press/nousan/kikaku/241220_1.html
【農林水産省】令和6年産米の相対取引価格・数量について（令和6年11月）
https://www.maff.go.jp/j/press/nousan/kikaku/241220.html
なお、数値等のデータはこちら公表されています。
【農林水産省】米の相対取引価格・数量、契約・販売状況、民間在庫の推移等
https://www.maff.go.jp/j/seisan/keikaku/soukatu/aitaikakaku.html
 
 
1. 米に関するマンスリーレポート
1-1. 米の民間在庫情報
令和6年12月時点の米の民間在庫量は、全国で約245万トンである。前年同月比で45万トン減少しており、在庫の減少傾向が続いている。特に、主要産地である北海道や東北地方での在庫減少が顕著である。これにより、需給バランスが逼迫し、価格上昇の一因となっている。民間在庫は、出荷段階と販売段階に分けて管理されており、出荷段階では約159.6万トン、販売段階では約85.4万トンの在庫が確認されている。これらのデータは、米の需給動向を把握するための重要な指標である。
1-2. 米の価格情報
令和6年10月の相対取引価格は、全銘柄平均で23,820円/玄米60kgであり、前年同月比57%の上昇となった。特に、コシヒカリやあきたこまちなどの主要銘柄で価格上昇が顕著であり、コシヒカリは25,000円を超える取引も見られた。この価格上昇の主な要因は、品薄状態と集荷業者間の競争激化である。また、令和6年9月の相対取引価格は22,700円/玄米60kgであり、10月の価格は前月比でも上昇している。
1-3. 米の契約・販売情報
令和6年10月末現在の出荷業者の全国の集荷数量は159.6万トン（対前年同月差▲15.3万トン）、契約数量は159.1万トン（対前年同月差▲11.8万トン）、販売数量は30.7万トン（対前年同月差＋7.4万トン）となっている。販売数量の増加は、需要の高まりを反映している。
1-4. 消費の動向
家庭用米の消費量は安定しているが、外食産業や中食産業での需要が増加している。特に、コロナ禍以降、テイクアウトやデリバリーの需要が高まり、中食産業の米需要が増加している。すき家などの飲食チェーンは、米価格の上昇に伴いメニューの値上げを実施しており、消費者の負担が増加している。
1-5. 輸出入の動向
令和6年上半期の米および米加工品の輸出量は前年同期を上回り、特にアジア諸国への輸出が好調である。日本産米の品質の高さが評価され、中国や韓国での需要が増加している。米菓や日本酒などの加工品も引き続き高い需要を得ており、特に米菓の輸出量は前年同期比で15%増加した。一方、輸入米の量は減少しており、国内生産の減少と価格上昇が影響している。輸入米の主要供給国はアメリカ、タイ、ベトナムであり、これらの国からの輸入量は前年同期比で10%減少した。
1-6. 主食用米以外の情報
主食用米以外の取組として、新規需要米14.3万ha、加工用米5.2万ha、備蓄米3.5万haがある。新規需要米は飼料用、米粉用、酒造用など多岐にわたる用途で生産されており、特に飼料用米の需要が高い。加工用米は米菓や米粉製品の原料として使用されており、国内外での需要が増加している。備蓄米は食料安全保障の観点から重要であり、政府が一定量を備蓄している。
 
2. 令和6年産米の相対取引価格・数量
令和6年11月の相対取引価格は、全銘柄平均で23,961円/玄米60kgである。相対取引数量は、全銘柄合計で15万トンとなっている。
2-1. 価格情報
2-1-1. 全銘柄平均価格
23,961円/玄米60kg
2-1-2. 主要銘柄の価格
・ コシヒカリ: 25,000円以上
・ あきたこまち: 24,000円前後
・ ひとめぼれ: 23,000円前後
2-2. 数量情報
2-2-1. 全銘柄合計数量
15万トン
2-2-2. 主要産地別数量
・ 北海道: 2万トン
・ 東北地方: 4万トン
・ 関東地方: 3万トン
・ 中部地方: 2万トン
・ 近畿地方: 1万トン
・ 中国・四国地方: 2万トン
・ 九州地方: 1万トン
2-3. 傾向と分析
2-3-1. 価格上昇の要因
品薄状態と集荷業者間の競争激化によるものと考えられる。
・　数量の変動: 前年同月比で減少傾向
・　地域別の特徴: 北海道や東北地方での在庫減少が顕著
 
 
＜まとめ＞
農林水産省の「米に関するマンスリーレポート（令和6年12月号）」と「令和6年産米の相対取引価格・数量（令和6年11月）」によると、米の需給バランスが逼迫しており、価格が上昇しています。令和6年12月時点の米の民間在庫量は前年同月比で45万トン減少し、全国で約245万トンとなっています。この在庫減少は、特に北海道や東北地方で顕著であり、需給バランスの逼迫が価格上昇の一因となっています。
令和6年11月の相対取引価格は全銘柄平均で23,961円/玄米60kgであり、価格上昇の要因として品薄状態と集荷業者間の競争激化が挙げられます。輸出量は増加しており、特にアジア諸国への輸出が好調である一方、輸入量は減少しています。
 
今後は需給バランスの改善が急務です。特に、主要産地での生産量増加や在庫管理の強化が求められます。また、価格の安定化を図るためには、輸出入のバランスを見直し、国内市場の需要に応じた柔軟な対応が必要です。さらに、主食用米以外の新規需要米や加工用米の生産拡大も重要な課題となるでしょう。


※詳しくは一次情報からご確認ください。
 

 
＜一次情報＞
米に関するマンスリーレポート（令和6年12月号）の公表について
https://www.maff.go.jp/j/press/nousan/kikaku/241220_1.html
米に関するマンスリーレポート（令和6年12月）
https://www.maff.go.jp/j/press/nousan/kikaku/attach/pdf/241220_1-1.pdf
令和6年産米の相対取引価格・数量について（令和6年11月）
https://www.maff.go.jp/j/press/nousan/kikaku/241220.html
令和6年産米の相対取引価格・数量（令和6年11月）（速報）
https://www.maff.go.jp/j/press/nousan/kikaku/attach/pdf/241220-1.pdf
 
 
＜関連情報＞
米の相対取引価格・数量、契約・販売状況、民間在庫の推移等
https://www.maff.go.jp/j/seisan/keikaku/soukatu/aitaikakaku.html
相対取引価格の推移（平成24年産～令和6年産）
https://www.maff.go.jp/j/press/nousan/kikaku/attach/pdf/241220-2.pdf
長期的な主食用米の価格の動向
https://www.maff.go.jp/j/press/nousan/kikaku/attach/pdf/241220-4.pdf
令和6年産米の概算金の設定と相対取引価格の状況
https://www.maff.go.jp/j/press/nousan/kikaku/attach/pdf/241220-3.pdf
 
https://note.com/fir_institute/n/n1ca1a8b44562