【レポート】2025年2月の飲食料品価格改定動向
2025年2月の飲食料品価格改定動向（本文1,575文字）
株式会社帝国データバンクは、令和7年1月31日に「「食品主要195社」価格改定動向調査」を公表しました。レポートによると、2月に1,656品目の食品が値上げされます。これは2カ月連続で前年を上回っており、令和7年の値上げ品目は累計ですでに8,000品目を超え、前年比9割増としています。ここではレポートの概要を中心にご案内します。詳しい情報は＜一次情報＞からご確認ください。
＜価格改定動向のあらまし＞
2025年2月には、主要な食品メーカー195社が1656品目の食品を値上げした。これは前年同月比で30品目であり、1.8%の増加に相当する。特に「加工食品」（589品目）が最も多く値上げされた。2025年の累計値上げ品目数は8867品目に達し、前年同期比で9割増のペースで推移している。
[注] 品目数および値上げは、各社発表に基づく。また、年内に複数回値上げを行った品目は、それぞれ別品目としてカウントした。
図表1 価格改定動向のあらまし
＜分野別の価格改定状況＞
食品分野別の価格改定状況を見る。冷凍食品やチルド麺製品などの「加工食品」（589品目）が最も多く値上げされており、次いで「調味料」（357品目）が、たれ製品など液体調味料を中心に値上げされた。「菓子」（329品目）では、カップゼリーなど洋菓子のほか和菓子、シリアル製品などで値上げが目立った。「酒類・飲料」（266品目）では、レギュラーコーヒーや果汁飲料が値上げの対象となった。
図表2 食品別の売上品目数(2022年～2025年)
＜値上げの要因＞
値上げの主な要因は、原材料費の高騰や物流費の上昇である。特に原材料費の高騰は、値上げ品目全体の97.6%を占めており、3年連続で主要因となっている。また、物流費の上昇も過去最高の79.4%を占めており、トラックドライバーの時間外労働規制などが影響している。さらに、人件費の上昇も50.9%を占め、初めて値上げ品目数のうち半数を超えた。いっぽう、エネルギー（56.6%）、円安（15.2%）由来の値上げ割合は前年を下回った。
図表3 値上げ要因の推移(品目数ベース)
＜今後の見通し＞
今後も円安や世界的な天候不順による原材料の高騰が続く見込みで、2025年の値上げ品目数はさらに増加する可能性がある。特に春先には大規模な値上げラッシュが予想されており、4月には累計で1万品目を突破する見通しである。また、企業努力によるコスト吸収が限界に近付きつつあり、値上げ圧力が弱まる局面は想定しづらい。実質賃金の伸び悩みなどを背景に、小売現場などでは消費者の値上げに対する拒絶反応から販売量減といった影響も顕在化しているものの、少なくとも今夏までは大幅な価格の引き上げを伴う値上げが相次ぐ可能性がある。
2025年の値上げ品目数は、現状のペースが続いた場合、早ければ4月にも累計で年1万品目を突破すると予想される。年間では、前年（1万2520品目）を大幅に上回る1.5～2万品目前後に到達する可能性がある。
https://www.tdb.co.jp/report/industry/neage_202502/
以上のように、食品価格の上昇は消費者にとって大きな負担となっており、今後も注意が必要である。
＜まとめと考察＞
2025年2月の食品値上げは、前年同月比で増加し、特に加工食品が多くの品目で値上げされました。主な要因は原材料費の高騰や物流費の上昇であり、これらは消費者にとって大きな負担となっています。今後も円安や世界的な天候不順が続く見込みで、値上げの勢いは衰えないと予想されます。特に春先には大規模な値上げラッシュが予想されており、4月には累計で1万品目を突破する見通しです。企業努力によるコスト吸収が限界に近付きつつあり、値上げ圧力が弱まる局面は想定しづらいです。消費者は今後も食品価格の上昇に注意を払う必要があります。
※詳しい情報は＜一次情報＞からご確認ください。
＜一次情報＞
「食品主要195社」価格改定動向調査 2025年2月
https://www.tdb.co.jp/report/industry/neage_202502/
20250131_価格改定動向調査（2025年2月）
https://www.tdb.co.jp/resource/files/assets/d4b8e8ee91d1489c9a2abd23a4bb5219/61f3bee54a724308aa70b1ba1fb6aee6/20250131_%E4%BE%A1%E6%A0%BC%E6%94%B9%E5%AE%9A%E5%8B%95%E5%90%91%E8%AA%BF%E6%9F%BB%EF%BC%882025%E5%B9%B42%E6%9C%88%EF%BC%89.pdf