「いわゆる「健康食品」・無承認無許可医薬品健康被害防止対応要領について」の一部を改正する通知が発出されました
「いわゆる「健康食品」・無承認無許可医薬品健康被害防止対応要領について」の一部を改正する通知が発出されました(本文2,812文字)
厚生労働省は、令和6年12月27日付にて、「いわゆる健康食品」にかかる監視指導等に関する通知を発出しました。
通知;
いわゆる「健康食品」・無承認無許可医薬品健康被害防止対応要領について」の一部改正について
(令和6年12月27日健生食監発1227第14号・医薬監麻発1227第4号)
発出された通知について概要をご案内します。
<改正の背景と目的>
1. 背景
健康食品や無承認無許可医薬品による健康被害の未然防止と被害発生時の拡大防止を目的として、対応要領が改正されました。
1-1. 健康被害の増加
機能性表示食品や無承認無許可医薬品による健康被害が報告されるケースが増加しており、これに対する迅速かつ効果的な対応が必要とされる。
1-2. 情報提供の義務化
健康被害情報の提供義務化により、消費者や医療機関からの情報収集を強化し、迅速な対応を可能にするための仕組みが必要とされる。
1-3. 関係機関との連携強化
健康被害の防止と拡大防止のためには、関係機関との連携が不可欠であり、そのための具体的な手順や体制の整備が必要とされる。
1-4. 消費者への情報提供
消費者に対するリスク情報の提供や普及啓発活動を強化し、健康被害の未然防止を図るための方策が必要とされる。
これらの議論を通じて、健康被害の未然防止と迅速な対応を強化するための改正が行われました。
2. 目的
機能性表示食品に関する健康被害情報の提供義務化など、参加者の意見や小委員会での議論を踏まえた改正。
<主な改正内容>
1. 対象食品の定義
・ 健康食品(医薬品以外で経口摂取される、健康維持・増進に役立つ食品)
・ 保健機能食品(特定保健用食品、機能性表示食品、栄養機能食品)も対象
2. 健康被害防止の基本的な心得
・ 日常的な情報収集と評価、関係機関との連携、住民への情報提供
・ 最悪の事態を想定した対策の立案・実施
3. 被害発生時の対応
・ 製品名の公表、流通防止のための措置、健康相談の実施、医療機関への受診勧奨
・ 健食品担当部局と医薬品担当部局の密接な連携
4. 平常時の対応
・ 情報収集、関係機関との連携、住民への情報提供と普及啓発
・ 無承認無許可医薬品の監視指導
5. 厚生労働省の役割
・ 情報収集・評価、情報提供、資料の整理
・ 必要な対策の検討と実施
<具体的な対応手順>
1. 情報提供票の作成・・・ 健康被害情報の提供票を用いて、詳細な情報を収集
2. 調査と分析・・・ 健康被害の原因となる成分の分析、製品の収去、他地域との連携
3. 報告と情報提供・・・ 厚生労働省への報告、住民や医療機関への情報提供
<改正の意義>
1. 健康被害の未然防止と迅速な対応を強化
2. 関係機関との連携を強化し、住民への情報提供を充実
<具体的な改正内容>
1. 対象食品の詳細
・ 健康食品は、医薬品以外で経口的に摂取され、健康の維持・増進に特別に役立つことをうたって販売される食品。
・ 保健機能食品(特定保健用食品、機能性表示食品、栄養機能食品)も対象に含まれる。
2. 健康被害防止の基本的な心得
・ 情報収集と評価・・・ 日常的に健康食品等に関する情報を収集・評価し、関係機関と連携して住民への情報提供を行う。
・ 最悪の事態を想定・・・ 健康被害の発生のおそれがある場合、最悪の事態を想定して対策を立案・実施する。
3. 被害発生時の対応
・ 製品名の公表・・・ 健康被害の原因と考えられる製品名を公表し、住民に注意を喚起する。
・ 流通防止のための措置・・・ 製造業者や販売業者に対する立入調査を行い、流通実態を把握し、必要な措置を講じる。
・ 健康相談の実施・・・ 健康被害者に対する相談窓口を設け、必要な情報を提供する。
・ 医療機関への受診勧奨・・・ 摂取者に対して医療機関への受診を呼びかけ、医療機関に対しても必要な情報を提供する。
4. 平常時の対応
・ 情報収集・・・ 食品衛生監視員や薬事監視員、医師、薬剤師、保健師、管理栄養士等が健康被害の発生を注意深く監視し、苦情相談や患者診断時に健康被害の探知に努める。
・ 関係機関との連携・・・ 医療機関や消費生活センタと連携し、健康被害に関する情報を共有する。
・ 住民への情報提供と普及啓発・・・ 健康食品等のリスクに関する情報を住民に提供し、普及啓発を行う。
5. 厚生労働省の役割
・ 情報収集・評価・・・ 国内外の健康被害事例や研究報告、文献、規制情報を収集・評価し、デタベス化を図る。
・ 情報提供・・・ インタネットやSNSを利用して、国民や医師等に正しい情報を提供する。
・ 資料の整理・・・ 対策決定の前提や判断理由を適切に管理し、継続的な見直しを行う。
<健康被害発生時の具体的な対応手順>
1. 相談受付
1-1. 保健所で健康被害相談を受け付け、詳細な情報を聴取する。
1-2. 患者が医師の診断を受けている場合は、主治医等に連絡して病状を聴取する。
1-3. 患者が医師の診断を受けていない場合は、診断を受けるよう勧奨する。
2. 調査と分析
2-1. 健康被害事例について、食品担当部局と医薬品担当部局が連携して調査を行う。
2-2. 製品の入手や成分分析を行い、他の地域の保健所とも連携して調査を進める。
3. 報告と情報提供
3-1. 健康被害事例について、厚生労働省に報告し、必要な情報を提供する。
3-2. 緊急時には、調査が完了していない段階でも報告を行う。
4. 被害拡大防止のための措置
4-1. 製品名の公表や流通防止のための措置を講じ、健康被害の拡大を防止する。
4-2. 健康被害者に対する支援を行い、必要な情報を提供する。
5. 刑事告発等
悪質な法令違反事例については、検察当局に告発を行う。
6. 記録の保存等
事件の調査結果を記録し、将来の資料として評価し、発生防止対策を講じる。
<期待される効果>
1. 健康被害の未然防止
健康食品や無承認無許可医薬品による健康被害の発生を未然に防ぐための体制が強化される。
2. 迅速な対応
健康被害が発生した場合の迅速な対応が可能となり、被害の拡大を防止する。
3. 情報提供の充実
住民や医療機関への情報提供が充実し、健康被害に対する意識が向上する。
4. 関係機関との連携強化
関係機関との連携が強化され、効果的な対応が可能となる。
<食品関係事業者に与える影響>
1. 監視と指導の強化
無承認無許可医薬品の監視指導が強化され、違反業者に対する処分が厳格化される。
2. 情報提供義務の強化
健康被害情報の提供義務が強化され、事業者は迅速かつ正確な情報提供が求められる。
3. リスク管理の重要性
健康食品の製造・販売において、リスク管理の重要性が増し、事業者はより厳格な品質管理と安全対策を講じる必要がある。
4. 消費者信頼の向上
適切な情報提供と迅速な対応により、消費者の信頼が向上し、健全な市場環境が促進される。
5. 法令遵守の強化
事業者は法令遵守の重要性を再認識し、コンプライアンス体制の強化が求められる。
この改正により、健康食品や無承認無許可医薬品による健康被害の防止と対応がより一層強化されることが期待されます。また、食品関係事業者にとっても、リスク管理や法令遵守の重要性が増し、消費者の信頼を得るための取り組みが求められます。
※通知の詳細は一次情報からご確認ください。
<一次情報>
「いわゆる「健康食品」・無承認無許可医薬品健康被害防止対応要領について」の一部改正について(令和6年12月27日健生食監発1227第14号・医薬監麻発1227第4号)
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T250107H0030.pdf