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第7回食物アレルギー表示に関するアドバイザー会議 概要

第7回食物アレルギー表示に関するアドバイザー会議 概要(本文2,891文字)
 
 
消費者庁は、令和7年1月21日に「第7回食物アレルギー表示に関するアドバイザー会議」を開催し、特定原材料等の追加・削除についてほかの議事を検討しました。検討概要をご案内致します。
 
 
<議事次第>
(1)令和6年度「即時型食物アレルギーによる健康被害の全国実態調査」の概要を踏まえた特定原材料等の追加・削除について
(2)コーデックス食品表示部会(CCFL48)の結果について
(3)その他
 
 
<特定原材料等の追加・削除について>
1. 状況評価
令和6年度「即時型食物アレルギーによる健康被害の全国実態調査」の結果から、即時型食物アレルギーによる健康被害が依然として深刻であり、特に子供や高齢者においてその影響が顕著だった。アレルギー反応の発生頻度や重症度、原因食品の特定が進んだことで、特定原材料等のリストの見直しが必要とされた。
アレルギー反応の発生頻度が高い食品や、重篤な症状を引き起こす可能性のある食品が新たに特定原材料等に追加されることが検討されている。なかでもカシューナッツやピスタチオなどのナッツ類は、これまでの調査結果からも高いアレルギーリスクが指摘されており、追加の候補として挙げられている。いっぽう、既存の特定原材料等の中でも、アレルギー反応の発生頻度が低い食品については、削除を検討する可能性がある。
 
特定原材料等の追加・削除に関する手続きについても、調査結果を踏まえた見直しが指摘された。関係機関や専門家の意見を取り入れた審査プロセスの透明性を高めることで、消費者の信頼を確保することが重要であり、消費者への影響を最小限に抑えるためにも、表示の適正化や情報提供の強化が必要である。
 
2. カシューナッツとピスタチオについて
2-1. カシューナッツ
令和3年度調査で症例数が増加しており、一過性ではないと考えられるため、公定検査法の確立に目処が立ち次第(令和7年度中を目指す)、特定原材料に移行させる方針を提案した。
2-2. ピスタチオ
「アレルゲンを含む食品に関する表示のうち、特定原材料に準ずるものの対象の考え方について」に基づき、特定原材料に準ずるものへの追加候補とする検討を提案した。

  
<コーデックス食品表示部会(CCFL48)の結果について>
1. 改訂原案の進捗
アレルゲン表示に関する議論が行われ、包装食品の表示に関するコーデックス一般規格の改訂原案がステップ7からステップ8へ進められた。また、予防的アレルゲン表示ガイドライン原案もステップ4からステップ5へ進展した。これにより、アレルゲン表示の強化が期待される。
2. 包装食品の食品情報の提供
また、e-コマースを介して提供される包装食品の食品情報の提供についてのガイドライン案がステップ7からステップ8へ進められた。今後オンライン販売における食品情報の透明性が向上することが期待される。
3. 食品表示におけるテクノロジーの使用
さらに、食品表示におけるテクノロジーの使用に関するガイドライン案もステップ7からステップ8へ進展した。これにより、消費者が食品情報にアクセスしやすくなることが期待される。
 
その他、緊緊急時における食品表示の適用が検討されることとなるなど、CCFL48ではアレルゲン表示の強化やオンライン販売における食品情報の提供、テクノロジーの活用など、消費者の安全と利便性を向上させるための重要な議論が行われた。
 
 
<今後の展望>
今後は、報告制度の強化とともに、消費者への情報提供を充実させることで、健康被害の予防と早期対応が期待されます。国際基準との整合性を保ちながら、国内の実情に即した基準の策定が重要であり、消費者庁は、引き続き専門家の意見を取り入れながら、消費者の安全を確保するための取り組みを進めていく予定としています。
 
これらの取り組みを通じて、食物アレルギー表示の改善が進み、消費者が安心して食品を選択できる環境が整うことが期待されます。
 
 
<資料について>
資料の収載内容を簡単にまとめます。詳しくは<一次情報>ならびに<配布資料>からご確認ください。
資料1 令和6年度「即時型食物アレルギーによる健康被害の全国実態調査」の概要
本調査は、全国の協力医師を通じて実施され、即時型食物アレルギーによる健康被害の実態を把握することを目的としている。調査対象は、アレルギー専門医の診断を受けた患者であり、調査方法はアンケート形式である。調査結果は、アレルギー反応の発生頻度、原因食品、重症度、治療方法など多岐にわたる情報を収集し、分析するものであり、食物アレルギー対策の強化や、消費者への適切な情報提供が期待される。
 
資料2 特定原材料等の追加・削除について
新たに追加される原材料や削除される原材料のリスト、基準、理由が詳細に記載。これにより、消費者の安全性を確保し、アレルギー表示の適正化を図ることが目的である。具体的な追加・削除の基準や手続きについても収載。
 
資料3 加工食品中のカシューナッツを検出するための検査法について
加工食品中のカシューナッツを検出するための新しい検査法について、検査法の原理、手順、精度、検出限界などが詳細に説明。食品業界におけるアレルゲン管理の向上を目指している。具体的な検査手順や使用する試薬、機器についても記載されている。
 
資料4 コーデックス食品表示部会(CCFL48)の結果について
国際的な食品表示の調和と消費者保護を図る国際的な食品表示基準の改訂内容、各国の意見、合意事項などが詳細に記載。具体的な改訂内容や議論の経緯についても説明されている。
 
資料5 諸外国における食物アレルギー表示の対象品目等に関する調査について
諸外国における食物アレルギー表示の対象品目や表示方法に関する調査結果がまとめられている。日本のアレルギー表示制度の改善にむけて、各国の規制、対象品目、表示方法の比較分析を行う。
 
資料6 アレルギー専門医への交差抗原性に関する調査研究事業の報告について
交差抗原性に関する知見の向上と臨床現場での対応策検討のため、調査の背景、方法、結果、考察が詳細に記載。具体的な調査結果や考察内容についても説明されている。
 
資料7 外食・中食における食物アレルギーに関する情報提供の取組の推進について
具体的な取り組み事例、効果、課題を明らかにして、業界全体でのアレルギー対応の強化を目指す。
 
 
<配布資料>
議事次第
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/meeting_materials/assets/food_labeling_cms204_250120_01.pdf
構成員名簿
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/meeting_materials/assets/food_labeling_cms204_250120_002.pdf
【当日資料】第7回食物アレルギー表示に関するアドバイザー会議(資料1~7)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/meeting_materials/assets/food_labeling_cms204_250120_03.pdf
p.03-10・・・ 資料1 令和6年度「即時型食物アレルギーによる健康被害の全国実態調査」の概要
p.11-25・・・ 資料2 特定原材料等の追加・削除について
p.26-27・・・ 資料3 加工食品中のカシューナッツを検出するための検査法について
p.28-48・・・ 資料4 コーデックス食品表示部会(CCFL48)の結果について
p.49-69・・・ 資料5 諸外国における食物アレルギー表示の対象品目等に関する調査について
p.70-90・・・ 資料6 アレルギー専門医への交差抗原性に関する調査研究事業の報告について
p.91-97・・・ 資料7 外食・中食における食物アレルギーに関する情報提供の取組の推進について
【参考資料】食物アレルギー表示に関するアドバイザー会議 申合せ事項
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/meeting_materials/assets/food_labeling_cms204_250120_00.pdf
 
 
 
<一次情報>
第7回食物アレルギー表示に関するアドバイザー会議の開催について
https://www.caa.go.jp/notice/entry/040720/
第7回食物アレルギー表示に関するアドバイザー会議の開催について[PDF:145.6 KB]
https://www.caa.go.jp/notice/assets/food_labeling_cms204_250114_01.pdf
 
<参考情報>
食物アレルギー表示に関するアドバイザー会議
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/meeting_materials/review_meeting_005/
第6回食物アレルギー表示に関するアドバイザー会議(2023年12月13日)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/meeting_materials/review_meeting_005/035603.html
第5回食物アレルギー表示に関するアドバイザー会議(2023年06月14日)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/meeting_materials/review_meeting_005/033598.html
第4回食物アレルギー表示に関するアドバイザー会議(2022年12月14日)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/meeting_materials/review_meeting_005/031347.html
第3回食物アレルギー表示に関するアドバイザー会議(2022年05月30日)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/meeting_materials/review_meeting_005/028820.html
第2回食物アレルギー表示に関するアドバイザー会議(2021年12月22日)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/meeting_materials/review_meeting_005/026574.html
第1回食物アレルギー表示に関するアドバイザー会議(2021年02月15日)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/meeting_materials/review_meeting_005/023103.html
 
 

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