『休む言い訳』を解説しているページに時代を感じた
風邪は今日も治らないどころか、熱が37.6℃で『微妙やなあ』な感じ。鼻水出過ぎてティッシュを3箱使いきりました。それに加えて今日は全身のだるさと頭痛が加わっています。あれ?休んでるのに悪化してない?
作業所に『二日ほど休みますぅ』とダミ声で連絡し(理解のある所だから文句は言われない)、そのあと、
「ガチで具合悪いから休むのに、なぜ「休みます」って言うと申し訳ない感じがするのだろう?」
と思いました。
そもそも「休む」って言葉はどんな意味だったかググろうとしたとき、
予想トップに、
『休む理由』
が出てきたんです。
「休む理由で検索してる人がいるのか?」
と不思議に思いながら見てみたら、
『休みたい時の理由、言い訳30選』
なんて記事がずらっと並んでて、
私はそこに時代を感じて驚いてしまいました。
私は(たぶん同世代の多くも)『何か記事を書こう』と思ったとき、
「そうだ!休む言い訳を解説しよう!」
なんて発想は絶対にできないんです。
そもそも、言い訳はその場で自分で考える即興的なもの。アドリブです。いちいちテキストで調べるという選択肢は思いつかないのです。
「そうか、世の中には、
そんなことまでググっちゃう人がいるんだ」
という、ネットがない時代に育ったがゆえの驚きがありました。
同じようなことは、浅井リョウさんの『何者』を読んだときにも感じました。
就職活動で、友達が先に内定をもらうと、
『◯◯商事 ブラック』
『◯◯会社 評判 悪い』
などと検索して「あいつが内定した企業は悪い会社だ」という情報を見て安心する。
そんな場面がありました。
世代が違うので、正しく理解できたかはわかりませんが。
私の世代には、そういうググり方はできません。人によるのかもしれませんが、そもそも、そういうことをネットで調べるという発想自体がないのです。
もし、私の同世代が「友達が先に内定した!悔しい!」という気持ちを晴らしたい場合、
飲みに行って友達と愚痴るか、
私のように愚痴を日記に書きまくるか(笑)、
本人に当たり散らすか、
黙って飲み込むか、
そんなもんです。
『相手の企業を調べる手段がない』
『そもそも知りたいとも思わない』
のです。
書いていて思いましたが、今の人たちは、
『本人に当たり散らす』
『悔しさを表現する』
みたいなことができない社会を生きているのかもしれませんね。
ネットで何でも拡散してしまうから。
『休みたい』の話に戻ります。
なぜ、休むことに罪悪感がつきまとうか。
一般論でいけば、『同僚に迷惑がかかる』『日本人は真面目すぎる』みたいな感じでまとめられてしまうのでしょう。
問題は、
『休む理由を正直に話せないのはなぜか』
です。
今日の私みたいに咳と鼻水が止まらなければみんな『休め』と言ってくれます。
これが、
『学校でいじめられてるから休みたい』
『会社の人間関係に疲れたから休みたい』
だと、さっきの解説サイトの出番なわけです。『とりあえず熱が38度あるって言っておけばいいですよ!』みたいな感じ(笑)
でも、それ、本当は、
『学校(会社)に相談するべき』案件のはずですよね。
現場、現実の世界であなたを知ってる人に相談した方がいいですよね。
たとえば、仕事量が多過ぎてつらいなら、仮病を使って1日だけ休んでも解決になりません。
「配分を見直してほしい」
「人員を増やしてほしい」
と言わないと解決しません。
(言っても解決しないことも多いですが……)
どうも、休むときに偽の『理由、言い訳』を探す人は、自分の本当の気持ちや要望を伝えるのが苦手か、伝えにくい環境にいるか、どちらかなのではないかと思いました。
もしかしたら『本心を話す』ということが、
今は一番難しいのかもしれない。
『本心をぶちまけると誰かが傷つくのでは』
『非難されて炎上するのでは』
ということを常に心配しなくてはいけない。
(全く気にしない人もいますが、なかなかそこまで強くはなれないですからね)
私にとって『ググる』は、『辞書を引く』『商品のカタログを見る』みたいな感覚ですが、
生まれつきネット社会を生きている人には、『先生』『師匠』なのかなあ。
そういえばインフルエンサーってみんな先生っぽい。
そんなことを書いていたら頭痛がひどくなってきました。白湯飲んで寝ます。
当分私には、
『休む言い訳』は必要なさそうです。
ガチでだるい。
これほんとにただの風邪なのか!?