(小説)リリック・アンシューン(5)最終話
リリックは、エブニーザを殺すという役割を無視して、何ヶ月か平穏に暮らした。
エブニーザは毎晩、寝る前にリリックの部屋に様子を見に来た。
リリックはその度に『なんで来るんだろう?』と思いながらも、いつのまにか、彼が来るのを心待ちにしている自分に気がついた。
しかし、そんな平和がいつまでも続くはずがない。
洗濯物を持って裏口から出た時、庭に、見覚えのある男が立っていた。
リリックはあわてて館の中に戻ろうとしたが、男がリリックをつかまえる方が早かった。
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