留学六日目①
留学四日目(雨)
一日の流れ
5:30起床、7:30に出発。
朝から雨が降っていて、到着時には靴がずぶ濡れになっていた。
9:00から授業開始。
授業後に、教科書を買いに本屋を巡る。
シエナには、知っている限りでは三軒の本屋がある。一つは旧市街の城壁外に、残りの二つは城壁内にある。
雨が降っていたこともあって、まずは城壁外の本屋に向かう。営業日ではあったが、休憩中。12:00から15:00まで休憩の表示だったが、それで商売が成り立っているのが不思議だ。というか、昼休憩は暑い夏を乗り切るための方策ではなかったろうか。上着も必要な10月の今日この頃に、しかも太陽も出ていない雨の日に、昼休憩が三時間も必要であるのかは疑わしい。
文句を飲み込み、城壁内へ向かう。
残りの二軒はカモリア門からの大通り沿いに店を構えているので、迷う心配はない。
しかし、悲しいかな、二軒目(城門から近い方)では在庫切れだった。店員のお姉さんが、もう一軒の方なら取り扱いがあるに違いないと、丁寧に教えてくれた。その優しさに、靴の不快感が多少マシになった気がした。
余談だが、イタリア語で話しかけた方が親切に答えてもらえる率が高い気がする。
そして三軒目、ようやく教科書を入手することができた。幸運にも、探していた教科書が入荷された直後に到着したため、カウンター後ろの山から無造作に引き抜かれた一冊を買うことができた。
水でタポタポの靴を引きずって、何とか15:00頃には帰り着く。
17:30過ぎに夕食を摂って、19:30頃まで共用スペースで授業の復習と宿題をした。シャワーを浴びて早めに就寝。
授業内容
比較(Comparativo)が中心的な内容だった。
イタリア語の比較級の表現は、più(meno) +(adj)+ di/che というのが基本的な形だが、このdi/cheの使い分けについてがメインの内容だった。
授業の後半で、映画についての紹介文を読んだ。ここでは関係代名詞(Pronome Relativo)が登場した。
どちらの文法事項もすでに学習しているので、特に理解に問題はなかった。
一方で、語彙に課題を抱えている。復習時に少しずつ意味を調べ、覚えていくしかないだろう。
雨の日事情
所詮日本のそれよりはマシだろうと思っていた。
全くそんなことはない。普通に大粒の雨が降っていた。ロンドンで降る(と噂の)霧のような雨などとはほど遠い。買った傘が折り畳み傘だったことが悔やまれる。小さすぎて、鞄も身体も碌に入らない。靴が守られるはずもなかった。
まったく、雨の日のシエナを歩くのがここまで大変だとは思わなかった。
なぜなら、入り組んだ地形のせいか高低差のある作りのせいか、あるいはそのどちらもなのか、どうにも水はけが悪く、そこかしこに水たまりができている。しかもその水も、誰かの吐瀉物やらたばこの吸い殻やらをたっぷり含んだ仕様になっているときた。流石に水たまりを歩いた程度では病気にならないと信じたいが、雨以外のナニカまでたっぷり吸った靴で歩くというのは、それだけで憂鬱な気分になる。
気を逸らすためには、通行人の傘を眺めるといい。その損壊率に驚かされる。傘の骨が折れていようが、布が骨組みから外れていようが、全く気にしない様子で傘をさしている人の多いこと。何なら、かなりの大降りにも関わらず、パーカーで乗り切る猛者もいた。
雨季と乾季の分かれる地中海性気候では、一時の雨季のために傘を買い替える気にならないのだろうか。傘の柄のバライエティも少ないことからして、雨の日を「楽しむ」とかいう発想でもないのかもしれない。たまにしか来ない親戚のために、わざわざ布団を買い替えたりしないのと同じことだろうか。
などと、考えているだけで足元の不快感が少し減る、ような気がする。
留学五日目(午前:晴れ⇒午後:曇り⇒夜:雨)
一日の流れ
6:00起床、8:00大学着。
9:00に授業開始。
授業後に日本で知り合ったイタリア人留学生Gと会う。この場では筆者が留学生なわけだが。
日本からのお土産を渡す約束をしていた。筑紫もちと、Gの友人Lのために買ってきた黒ゴマジャムである。
黒ゴマジャムなんてニッチなものを要求するのは、現地にいる日本人留学生だろうと勝手に想像していたので、初対面でイタリア人が出てきて驚いた。
学食に行くという二人について、一緒にバスに乗る。筆者は昼食を持参していたので、寮の入り口で別れた。まさか、学食が寮の裏にあるとは知らなかったが。
その後部屋でダラダラしていると、突然清掃のお姉さんがやってきた。
掃除をしている間は部屋を出ていないといけないらしいので、六日目以降の食料調達へ繰り出す。
お腹がすいたので早めの夕食。シャワーを浴びて早めに寝た。
授業内容
一コマ目は、昨日出された宿題の発表。映画の紹介文を書いてくるというもの。
筆者が選んだのは、イタリア映画の「Ieri, oggi, domani」。見たことがあるイタリア映画がこれくらいしか思いつかなかった、という程度の理由で選んだので、あまりうまく説明できず、悔しい思いをした。
映画をよく知らないという以上にアウトプットにまだ慣れていないので、何か書いて先生に添削でもしてもらうのがいいかもしれない。
二コマ目は、大過去(Trapassato Prossimo)について。特に問題なし。英語の過去完了を想像していただければ、わかりよいかと思われる。