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留学2ヶ月と3週間目

よく考えたら3ヶ月も経ってなかったので、タイトル書き換えました。数学万年赤点ギリギリスライディングセーフだった人間のすることなので、許してやってつかあさい。(24/12/2024追記)


大学生活

授業

冬休みが始まる+来月からB2に上がるということで、今まで一ヶ月あたり3単元進めていた教科書を、一気に4単元終わらせることになった。伴って授業時間も5時間くらいに伸びたので、不満たらたらのクラスメイトも多かった。個人的には授業が楽しいので、大した差ではないというか、むしろ大歓迎だった。

文法……色々やったが、難しいなと思うのはGerundioだ。文脈によって意味が変わるので、読解まではできても使いこなすのは大変そうだ。
あと面白かったのはFuturo Anterioreという、簡単に言うと「未来の過去」みたいな時制である。英語でいうところのwill have beenにあたるものと考えるとわかりやすいだろうか。
面白いのは、「過去の推測」に使えるという点である。未来形のくせに過去の推測って何だよ、と聞くたびに思う。
例えば、
A che ora ti sei svegliato stamattina?
(今朝何時に起きたの?)
ーsaranno state sei.
(6:00くらいだったかな)
といったものだ。
考えることが増えてややこしいことこの上ないが、日本人としては時制と法の細かさが面白い。

また、補修も開催され、午後に映画を観たり博物館にみんなで行ったりした。『Pane e Tulipani』というタイトルで、イタリア映画の古典的な作品らしく、教科書にも最初の単元に紹介文が載っていたことを覚えている。
あらすじとしては、団体旅行中にAutogrill(高速道路の道中にあるちょっとした休憩所、日本語がでてこない。パーキングエリア?)に取り残された一人の婦人(旦那が亭主関白+不倫、息子が二人)が、一人ヴェネツィアまでヒッチハイクをして旅をし、そこで出会ったアイルランド人と恋に落ちるといったものだ。
典型的な内容だったので、イタリア語イタリア字幕で観ても話の概要を掴むことは難しくなかった。
ただ、個人的には新しい恋と人生を始めて、ハッピーエンドで終わりますとかいう内容がよくわからないなと思った。
具体的には残された子供はどうなるんだろうということなのだが、亭主関白の旦那がまともに子供を育てられるとも思えないし、主人公の方はヴェネツィアに行ってしまうみたいだし、あんまりにも無責任だと思うのである。新しい恋を始めるのも旦那を捨てるのも、いい大人なのだから好きにすればいいのだが、それと子供を捨てることは全く別の話だろう。
それとも、個人主義が強いヨーロッパならではの視点だったりするのだろうか。

テスト

最終的には、口頭と筆記合わせて点数が圧縮される+授業態度などを加味した加点がいただけるので、30/30にはなった。が、個人的には安心していられないなと思わされる試験だった。

結論から申し上げると、筆記がボロボロでした。言い訳はすまい。全体の8割しか取れなかった……。
テスト後の見直しの時間がここまで地獄だったことはない。絶対9割はとれる試験だった。後で見直すと全部わかるのに……。
一応、成長を感じるところとしては、作文がそれなりの点数になってきたということ。書きやすいテーマだった(ソーシャルメディアの利点と欠点について)ということもあり、100単語以上の縛りも結構あっさりクリアできてしまった。単数複数や単語の間違いは当然あったものの、18/20点取れるくらいにはなってきたので、そこは満足。むしろ作文に時間をかけすぎたことが敗因かもしれない。

口頭試験は、逆に満点をもらえました。
今回は今までの口頭試験とは違って、二人ペアを組んで受けるタイプだった。一人一枚写真を描写する試験と、二人でロールプレイをする試験が合わさった形だった。若干CILSを意識した構成なのだろう。
よく隣に座るロシア人のGに誘われて、ペアを組むことにした。話すときに失敗を恐れないというか、話し慣れているタイプだったので、やりやすかった。
ロールプレイは、財布を無くした人とその対応をするImpiegato(公務員?的な、窓口にいる人)に分かれていて、筆者はImpiegatoの方をやった。メモを作って脱線しすぎないよう適度に軌道修正しつつ、何とか3分程度のディアロゴを終えることができた。
こういう口頭試験は、持っている語彙や文法で作り慣れた文章を使い、とにかく沈黙を作らないように立ち回ることが肝要だと思っているので、シンプルな言い回しを心がけた。

イベント

その1。コンサートに行った。3回目。
ピアノのソロコンサートで、クラシックのジャズ風といったところ。
父の影響で普段聞いてるジャズと比べると手首が硬めで、リズムがシンプルな印象だった。素人の観察だが、グリッサンドがやたらと綺麗で、和音に振った演奏だったように思う。不協和音の使い方が印象的で、鍵盤の両端を好んで使っていた。
音の両端が揃っているというのか、音の重なりが濁る瞬間がなく、一音一音が明確に耳に届く丁寧な演奏だった。
家族の中では最も音感とかリズム感に疎いので、普段聞くジャズとの違いが分かるのか不安に思っていたが、全然違った。だから下手くそということではもちろんなく、今までシエナで参加したコンサートのなかでは(たった3回だが)、一番好きだった。
気のいい方とみえて、アンコールに2回も応えて演奏してくれた。
また、本当に、今まで聞いてきたジャズとは全く違ったので、改めて彼らの凄さが浮き彫りになった気がした。そして、チック先生の演奏には、もう二度と立ち会えないのだと今更ながら実感して、目の前の演奏とは別のベクトルで涙が出た。我ながら失礼な奴だとは思うが。

その2。タンデムに参加した。
筆者の所属大学に留学していたイタリア人Gと共同で、大学についての簡単な発表をした。筆者は福岡についての説明担当。地理と方言についてごくごく簡単に紹介した。
その後はグループに分かれて、クイズを作った。ただ、タンデムといいつつ日本人が筆者を除いて消えたので、ただのクイズ大会になった。

その3。モントーネ(シエナのコントラーダの一つ。羊がシンボル)のパリオ博物館を見学する機会をいただくことができた。
博物館の建設・管理から、ガイドの人から、全てコントラーダ内で回しているらしい。ちなみにガイドの方は、過去にモントーネが優勝したときにモントーネのCapitano(パリオに関わる行事のトップ)をやっていらしたとかで、話にも熱が入っていた。解説の中によくPassato Remotoを使っていて、何というかハイソな感じだった。
過去のパリオ(優勝旗的なもの)や騎手のヘルメットや、パレードのときの衣装や、なかなか見る機会のないものをたくさん見ることができた。
また、同行してくださった先生の通訳がなくても、話の7、8割は分かるようになってきたことが嬉しかった。

その4。バレー観戦。
大学からの招待で、A2のバレーの試合を観戦できることになった。到着して分かったところでは、シエナ対R.エミリアの試合。日本人らしく判官びいきを発動して、R.エミリアを応援することにした。目の前のコートがR.エミリア始まりだったこともある。
全体的にアウェーのR.エミリアが押されがちで、流石に3セットストレート負けとはならなかったものの、4セット目で敗北していた。シエナの速攻に対応できず点を取られる場面が多かった印象だった。ちなみに、R.エミリアの方が身長低い人多いな、と思いながら観戦していたのだが、帰ってから調べてみると身長が低そうに見えた人で188センチあった。目の錯覚ってすごい。
驚いたのは、会場のうるささである。爆音で音楽が鳴っているし、応援団的な人たちが太鼓を叩きまくるし、笛を鳴らすしで、試合云々よりも騒音が辛かった。スポーツ観戦に慣れている人たちの間では、これが普通なのだろうか。試合中は流石に音楽は鳴っていなかったが、応援団の太鼓がサービス中も鳴っていて、このなかで集中するのも大変だろうなと思った。
それから、日本のテレビで見る試合と違うなと思ったのは、解説(コメンテーター)の人があからさまにシエナ寄りのコメントをすることだ。R.エミリアの選手を貶すことはしなかったが、コメントの量が明らかにシエナに偏っているし、得点でシエナが押されると会場に応援を呼び掛けていた。テレビのコメンテーターとはまた違った立ち位置のようだ。

日常生活

面白かったこと

カンポ広場で市場が開催されていた。
チーズやハムなど、トスカーナの物産展といった様相で、屋台がたくさん出ていた。眺めているだけで面白かった。
筆者は、パスタ用のカッターと押し型と、ニョッキ用の溝(Liga gnocchi)を買った。お店の人が、48ユーロのところを45ユーロにまけてくれた。

屋台の様子も日本と違っていて面白かった。
戦利品


それから、同居人が来るらしいと前回書いたのだが、結局来ないことになったらしい。まあ、最初のお知らせから一週間経っても来なかった時点でお察しではあったのかもしれない。
一時は部屋に重たげな段ボールまで運ばれてきて、いよいよ楽園生活も終わりかと覚悟を決めていただけに、拍子抜けである。段ボールは2日後には消えていた。
しばらくは一人生活を満喫できそうだ。

部屋と言えば、ようやく暖房がついた。
いや、他の部屋はとっくについていたようなのだが、管理人さんに相談して初めて、筆者の部屋のみ暖房が稼働していなかったことが判明したのである。なんかおかしいと思った。棟の暖房を一括管理している制御盤の、筆者の部屋に当たる部分の電源が入っていなかったらしい。
ドアに近い方のベッドで寝ているので、正直、隙間風が冷たいことに変わりはないが、ないよりはましである。

食事

7/12/2024に作った分
こりずに虫様煮込みを作成。切るものが少ないという以上の利点はない。
二週間持たせた。今回は玉ねぎを2玉に増量。


21/12/2024に作った分
今回は豪華。
煮込みとパン。
煮込みは、腸詰と櫛切りを半分にした玉ねぎ2玉と、トマト缶とでシンプルに。コーン缶とか入れると邪魔だなと思ったので。
パンは、卵とツナ缶とチーズを混ぜたところに粉をぶち込んで適当にまとめ、イーストをインして発酵させ、フライパンで適当に焼いたもの。初めてやったにしては、なかなか上手くできたのでは。
ちなみに、パンを発酵させている間に煮込みを作るとかいう有能っぷりである。

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